表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者の弟子はお嫁さんになりたい!  作者: るふと
第8章 未踏の島
220/317

9話 勇者様と海の旅

 それからしばらくは何もない海の上の旅が続いた。


 今回は、以前の私の国からシンの帝国へ渡る時よりもずっと長い距離を移動しなければならない。


 やはりレダは二日目ぐらいで退屈してきた。


 ちなみに食事は、ジオ様が、時々魚を捕ってきてくれるので、それを料理して食べている。


 魚のバリエーションが豊富なので、食事は毎日変化にとんだ、飽きの来ない料理を私が用意してはいるんだけど・・・


「わーん!食事以外に楽しみが無いよぅ!」


 食事だけは楽しんで貰えてよかったけど・・・どうしたものかな?」


「・・・前回ララ様も同じ事を言ってダダをこねていましたよね?」



 ・・・そうだったかもしれない・・・


 今回はレダが先にダダをこねて、それを私が諫めていたので、自分が駄々をこねる暇が無かったのだ。


「くじらさんとか、海の魔物とか出て来ないかな?」



 ・・・それも同じ事を言っていた気がする。



(ララ、食材の魚を捕りに行くがレダも連れて行こうか?)


(大丈夫なんですか?ジオ様)


(俺につかまっていればそれでいい)


 ジオ様と一緒なら心配はないし、まあ、気分転換にはなるかな?


「レダ、ジオと一緒に魚を捕って来る?」


「えっ!いいの?行きたい!」


「あっ、でもレダ、水着持ってないよね?」


「それならこれで大丈夫だよ!」


 そう言って、レダは服を脱ぎ捨てて全裸になってしまった!


「わわわ!だめだよレダ!」


「なんで、ここには女の人しかいないし、恥ずかしくないよ?」


 ・・・中身は成人男性のジオ様がいるんだけど・・・それを言う訳にもいかないし・・・


(俺は別に気にならないが?)


 確かに、先日一緒にお風呂に入った時にもジオ様は他の女性たちの裸を見ても何も感じていないみたいだったのだけど・・・



「早く行こ!ジオ君!」


 レダは行く気満々だし、今日のところは仕方ないか?


 次までにレダの水着を作っておこう。


「じゃあ、気を付けてね!」




 レダがジオ様につかまって・・・見た目にはレダがジオ様を高い高いしている様にしか見えないのだが・・・二人は海に飛び込んだ。




 水面の少し下を泳ぐジオ様の上にレダがつかまっているので、レダが海上を滑っていくように見える。


 やがて、二人は海に潜った。




「・・・やっぱり気になるから私も行ってくるよ!」


 私はスカートと下着を脱ぎすて、下半身だけ裸になり海に飛び込んだ!



 飛び込むと同時に下半身を人魚モードに変化させた。



 ・・・ええと・・・ジオ様達はどっちに行ったのかな?



 探索魔法で調べると、少し離れた場所を高速で移動する二人を発見した。



 よし!見つからない様に追跡しよう!


 まあ、ジオ様には気が付かれるだろうけどね!




 二人のいる方に泳いで行って、一定の距離をとって後方についた。




 ジオ様は、レダが水圧で飛ばされない程度に加減して泳いでいた。


 レダを楽しませるために、上下左右に蛇行したり、ひねりを入れたりして、レダもそれを楽しんでいる様だった。


 全裸で海の中を自由自在に泳ぐ様に見えるレダは、さながら人魚の様だ。




 ・・・いいなあ、私も今度やってもらおうかな?


 もちろん全裸じゃなくて水着は着るけどね!


 

 その後もジオ様は、勢いよく水面から飛びだして空中をジャンプするなど、色々な技を駆使してレダを楽しませていた。


 さながら娘の相手をしてあげているお父さんみたいな感じなのかな?


 見た目は赤ちゃんだけど、なぜか頼もしく見えるから不思議だ。




 時々、単体の海の魔物にも遭遇したが、ジオ様が『ウィンドスラッシュ』であっさりと撃退していた。


 水中でに戦いには『ウィンドスラッシュ』が有効なのだ。


 私の方も数体の魔物を『ウィンドブレード』で撃退しておいた。




 一通りレダを楽しませた後、ジオ様は食事の材料にする魚を捕まえていた。


 自分より大きな魚を抱えたジオ様にレダがつかまっている図がちょっと面白かった。



 ジオ様達が、魔動馬車に戻っていったので、私も後を追って魔動馬車に戻った。



 ジオ様とレダが魔動馬車に飛び乗ったのを見届けたあと、私も水中から魔動馬車に向かって飛び上がり、その瞬間に下半身を元に戻して馬車のデッキに飛び乗った。



 馬車のデッキでは、レダが、タオルで体を拭いているところだった。


「あれっ!ララも泳いでたの?」


「うん!二人を見てたら泳ぎたくなってね!・・・レダ楽しかった?」


「すごく楽しかったよ!また一緒に泳ごうね!ジオ君!」


 レダはそう言ってジオ様を抱き上げ胸にぎゅうっと抱きしめた。


 ジオ様のほっぺにレダのふくらみ始めたばかりの胸がぎゅうっと押し付けられる。


 ・・・何だかすっかりレダとジオ様のスキンシップが普通になってしまったよ。


 今でもぎりぎりだけど、レダがこれ以上成長したらちょっとまずいよね?




「ところでララ様はいつまでその恰好でいられるのでしょうか?」


ああっ!そうだった!


 シィラに言われるまですっかり忘れてた!

 人魚の姿から元に戻った私は下半身が裸のままだったよ!


「はぁはぁ、ララのその姿、全裸より興奮してしまいます!わたくし、もう我慢できません!」


 ミラはそう言うと自分もスカートと下着を脱ぎ捨てて下半身裸になってしまった。


 そしてそのまま私に抱きついたのだ!


 


「何やってるの!ミラ!シィラ!何とかして!」


「仕方ありませんね。ではわたくしも」


 そう言うとシィラもおもむろにメイド服のスカートと下着を脱ぎ捨てて、私とミラに抱きついてきたのだ!




 ああん、もう!どうしてジオ様がいる前で成人女性三人が下半身丸出しになってるの!




「レダ!ジオが私たちの方も見ない様にしておいてね!」


「うん、分かった!しっかり抱きしめておくよ!」


 レダがジオ様を強く抱きしめたので、ジオ様の顔は更にレダの胸に押し付けられたのだった。




 ・・・それはそれで問題ありだった・・・。




 このメンバーで旅をする事に若干の不安を覚えつつ、魔動馬車は新大陸へと向かっていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ