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勇者の弟子はお嫁さんになりたい!  作者: るふと
第8章 未踏の島
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1話 勇者の弟子の弟子との葛藤

第二部 第8章 開始します。

 先日の事件で『傲慢の魔女』が協力者を集めようとしている事がわかった。


 覚醒前の魔女に人間に対する憎しみを植え付け、覚醒後に自分の目的である人類の殲滅に協力させようという事だろう。


 現在、何人の魔女が覚醒していて、何人の覚醒前の魔女がいるか、私は全然把握できていない。

 基本的に魔女は他の魔女と関わらないし、自分の存在を隠蔽しているので、見つける事は困難なのだ




 その事についても『静慮の魔女』が何か情報を掴んでいる可能性が高い。


 やはり、当面は魔物の大量発生地点への早期対応の意味も含めて、これまで通り、『静慮の魔女』の先回りを続けるのが得策だろう。




 弟子のゲンは、先日の剣術大会で好成績を修めたので、上級剣士試験を受験するための切符を手に入れている。


 今の実力なら『上級剣士』合格も現実味を帯びてきた。


 後は『魔法士試験』の方をクリアできればはれて、シアちゃんと正式に婚約が出来るのだ。


 そんなシアちゃんは、先の遠征先での現地のアフターケアが、なかなか手が離れないなしく、まだ帰国の目途がついていなかった。


 この調子なら、ゲンが先に課題をクリアしてシアちゃんを迎えに行く事になりそうだね?


 でも、シアちゃんが今やっている事は、ある意味、『傲慢の魔女』への妨害になっているので、ゲンに現地に応援に行ってもらった方がいいのかもしれないね。




 そんなゲンは、私が、砂漠の帝国の皇帝の妃になったという話をしたら、かなりショックを受けていた様子だったな。


 一応、詳しい成り行きは説明したし、籍を入れただけで男女のそういう関係にはなってないよって教えたら、とりあえず落ち着いてくれたみたい。



 ・・・ホントは最後の一線を越えなかったって言うだけで、裸を見せ合ったり、裸で抱き合ったりしちゃてて、ほとんど全部済ませちゃったのとあまり変わらないところまで行ってしまったのだけど、さすがにゲンにそこまで詳しい話は出来ないからね!




 でも・・・最後にゲンが小声でつぶやいてた言葉が気になっている・・・




「その国に行ったら、俺も師匠と結婚できるのかな?」




 って、言ってた様に聞こえたんだけど・・・本気じゃないよね?




 私への初恋にはけじめを付けて、シアちゃんを幸せにするって誓ったからね!


 でも最近は、ヒナちゃんとも何だかいい雰囲気だし、男の子ってやっぱり目の前の女の子に気が行っちゃうものなのかな?




 ヒナちゃんは、間違いなくゲンに恋してるよね?


 時々ゲンにそれらしいアプローチをかけてるのを見かけるんだよね。


 一応、恩人であるシアちゃんに遠慮して、極端な事はしていないけど、日常のちょっとした事で、ゲンと関わる事が嬉しくて仕方ないみたいなのだ。


 ヒナちゃんについては、本人の心のケアの事もあるし、目一杯幸せな気持ちでいて欲しいっての有るんだけど・・・


 恋愛ってほんとに難しいよね?




 そんなヒナちゃんは、砂漠の王国の話を聞いた途端に・・・


「つまり、その国に行ったら、わたしもゲンさまのお嫁さんになれるって事ですよね!」


 って大声で言ってしまったのだ!


 まあ、ヒナちゃんの気持ちは、みんな知ってたから今更なんだけど・・・全く隠せてないよね?


 一応、言った後に、


「あっ!もちろん、たとえばの話ですよ!たとえばの!」


 ってフォローはしてけど・・・



 その後のゲンの様子がちょっと落ち着かなかったのがおかしかったな。


 もしかして、砂漠の国に行けば、シアちゃんとヒナちゃんと私の三人と結婚できるのでは?とか、妄想してたとしたら、ちょっと面白いかも?




 そんなゲンも、会うたびに大人びてきているので、私も再会する度にちょっとだけドキッとしているのだ。


 今回も数カ月ぶりに再会したら、身長は伸びてるし、体格も逞しくなってるし、声もちょっと低くなってて・・・何より雰囲気がますます大人びて来ていたんだよね。


 きっとヒナちゃんを指導する立場になって、自分がしっかりしなきゃって意識が強くなったからだと思うんだよ。


 特にヒナちゃんの前だと、言動が大人っぽくなってるのが良くわかるからね。




 ・・・そして私も、大人っぽくなったゲンに、ちょっとだけときめいてしまっている自分を自覚し始めていたのだ。




 先日のシンの件で、あらためて自覚したのだけど・・・どうやら私は、包容力のある大人の男性が好きみたいなのだ。


 自分で大抵の事は何でも出来てしまう私は、同年代の男子はどうしても世話を焼いてあげる対象みたいに見てしまって、恋愛対象にならない。


 ましてや、年下の男子は、自分の子供みたいに思ってしまう事もあるのだ。


 そんな私が、ときめいてしまうのは、やっぱり、自分よりもしっかりした、頼れる大人の男性なのだ。


 しかもイケメンであれば、申し分ない。



 ジオ様とシンは、見事にその条件に完全にはまっていたのだ!




 そんな好条件の男性、そうそういないと思ってたんだけど・・・何と!こんな身近にいて、しかも自分で育てていたなんて、思いもよらなかった。


 まだ、成長途中で、未熟なところも多いのだけれど、これは絶対!将来はジオ様やシンに匹敵するいい男に成長するのは間違いないと思うんだよね。


 こんな原石を見つけだしていたなんて、自分の審美眼が怖くなってしまうよ!




 ・・・いや、別に今更ゲンとどうこうなりたいとか、もちろん、そんなつもりは全然ないんだよ!

 そんな事になったらシアちゃんを傷つけてしまうのは間違いないんだし!




 でも、帝国から帰って来てから時々考えている事がある。


 ・・・いつか帝国に戻ったら、ジオ様とシンと私の三人で、そういう事になる日が来るのかなって、その情景を妄想してしまうのだけど・・・


 


 実はそこにゲンを加えて、4人でっていうのもありかなって、ちょっとだけ想像してしまった事があるのだ!


 もちろん、こんな事、絶対誰にも言えないし、間違ってもゲンにだけは悟られるわけにはいかない!

 



 ・・・でも、もしも、ゲンの方も、同じ事を考えているのだとしたら・・・




 いつか一緒に帝国に行く日が訪れたら・・・何かのきっかけで、私とゲンがそういう関係になってしまう可能性も・・・・・ゼロではないのかも?




 って!こういう事考えてるとほんとにそんな気分になってしまいそうだよ!


 ゲンとは清く正しく美しい師弟関係を築き上げていくんだから!




 これまで通り、そんな素振りはゲンに微塵も感じさせない様に徹底しないとね!


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