表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者の弟子はお嫁さんになりたい!  作者: るふと
第7章 勇者誘拐
199/317

1話 勇者の弟子とその弟子

第二部 第7章 開始します。

 長かった砂漠の大陸の旅から帰った私は、次の遠征までの時間、学院の講師など本来の仕事をこなしていた。


 しばらくほったらかしだった弟子のゲンにも稽古をつけてあげたりしている。


 ゲンは以前の国外遠征で様々なハプニングに遭遇し、『剣聖』を目指して剣の道を極めていたはずが、なぜか魔法の才能に目覚めてしまって、現在『上級魔法士』になるべく試験勉強をしているところなのだ。


 この国の法律で、魔法使いはその魔力量に見合った魔法士の資格を取得しないと、自由に行動する事が制限されてしまうのだ。


 本来、人の魔力量は生まれた時に決まっていて、生涯変わる事は無いはずだったのだが、ゲンはちょっと特殊な事情で魔力量が増大してしまったのだ。


 恋人のシアちゃんとは今は遠距離恋愛中で、それぞれが結婚に向けての試練をこなしている真っ最中なのだ!


 いいよね!青春って感じで!


 シアちゃんと結婚するためには、『上級魔法士試験』とほぼ同じ時期に開催される剣術大会で上位の成績を出して、『上級剣士』試験にも合格しないといけないのだ。


 そのために剣と魔法の両方の猛特訓を日々続けている最中だ。




 ・・・でもこれって、両方を達成してしまうと『勇者』に匹敵する実力の持ち主になってしまうんだよね!




 そして私の屋敷には現在ゲンの他にもう一人同居人がいる。


 魔法士見習いのヒナちゃんだ。


 ゲンとシアちゃんが前回の国外遠征の事件の時に助けてあげたのだが、色々な事情があって我が家で預かる事になったのだ。


 ヒナちゃんもゲンと同様に、上級魔法使いの魔力量を持ってしまったので、ゲンと一緒に次の『上級魔法士』の試験の合格を目指して猛勉強中だ。


 ヒナちゃんはとにかく元気で明るい性格の美少女で、学院に編入すると同時にあっという間に学院のアイドルになってしまった!


 何人もの男子から交際の申し込みを受けているみたいなんだけど・・・今のところ、それを全部断っているそうなのだ。


 多分・・・というか、間違いなくヒナちゃんはゲンの事が好きなんだと思うんだよね。


 でも、ヒナちゃんにとってはゲンの彼女のシアちゃんも恩人なので、きっと遠慮して踏み出せずにいるんだよ。


 うーん、みんな青春してるよね!


 若いっていいなぁ・・・




 って、私も今回、大人の大恋愛をしてきたところなんだけどね!


 砂漠の大陸全土を支配する帝国の皇帝、シンの妃になってしまったのだ!


 もちろんジオ様の事が嫌いになったり、別れたってわけじゃないよ。

 帝国では多夫多妻制が認められていて、男性も女性の複数の相手と結婚する事が可能なのだ。


 ちょっと複雑な事情があって、私はシンと結婚せざるを得なくなってしまったのだけど、帝国ではジオ様との婚姻関係を解消しなくてもシンと結婚できてしまったのだ。


 ジオ様は表向きは、先の『終焉の魔物』の襲撃の際に死んだ事になっているけど、私はジオ様との婚姻関係をいまだに解消していないのだ。

 その場合、この国の法律では再婚は出来ない事になっているのだけど、帝国に滞在中は帝国の法律が適用されるんだよね。


 そして、最初は、やむを得ない事情による偽装結婚の予定だったのだけど、いつしか私はシンの事を本気で愛してしまったのだ!


 二人の男性を同時に愛してしまうなんて許されない事だと思っていたのだけど、帝国ではそれが許されていて当たり前の事なんだよね。


 結局、私が決断しきれずに、最後の一線だけは越えなかったのだけど、シンとの間に確かな愛がある事は確認し合ったのだ。




 今は帝国の外に出ているので、シンとの婚姻関係は無効になってしまうのだけど、再び帝国に足を踏み入れれば、私は皇帝の妃という肩書に戻ってしまうのだ。


 ジオ様もシンの事は認めてくれているので、いつか私の気持ちの整理がついたら、シンとそういう関係になってしまうかもしれない。


 むしろ今は、ジオ様の方がシンとの親密度が高くなってしまって、もしかしたら私よりも関係が進んでいるかもしれないのだ。


 気になったので、ジオ様にシンの事をどう思っているのか聞いてみる事にした。


(俺にとって初めてできた対等な友人かもしれない。境遇や立場が似ているところも多く、話が合うのだ。何より、ララの事を話し始めたら共感する事が多すぎて話が尽きなくなる。二人で風呂に入ってララの事を語り明かした時間は、本当に充実したひと時だった)


 どうやら私の話で共感が持てるというのが最大の理由で二人の親密度が上がってしまった様なのだ。


 私の事をどんなふうに話しているか気になってしょうがないのだが、二人ともそれについてはいくら聞いても教えてくれないのだ。




 それから、愛息子のルルは、帝国から帰って来てから、だいぶ寝る時間が減って、活発に活動する時間が増してきた。


 起きている時は手足をぱたぱた動かす様な仕草をする事が増えてきた。

 もう少しで寝返りが打てるかもしれないよ。


 ジオ様がすっかり一人で何でもできるようになってしまったので、ルルの成長が遅いように感じてしまうけど、普通の赤ちゃんはこんなもんだよね?




 今回は次の魔物の襲撃予想時期まで時間が空きそうなので、久しぶりに、自宅でゆったりした家族団らんの時間を過ごす事が出来そうだよ。


 


 ・・・そんな事を考えていたのだが・・・




 そうも言っていられない事件が起きてしまったのだ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ