13話 勇者の弟子と最大の危機
「ララ!母様たちの様子が変だよ!」
レダに言われて良く見ると、妃達の息遣いが荒くなっていた。
頬が上気して赤くなり、喘ぎ声が漏れ始めている。
・・・これって・・・欲情してる?
妃達を撫で回す触手の動きがさっきまでよりも激しくなっていた。
どうやら催淫魔法の効き目も強くなってきているみたいだ。
・・・神殿に近づくにつれて、魔物が活発になっている?
どういう事だろう?
「母様たちが苦しそうだよ!早く助けないと!」
レダが魔物の方に飛び出してしまった。
「レダ!むやみに飛び出しちゃだめだよ!」
レダを引き留めようと私もレダを追った。
無策に切り込んでも妃達を救い出すことは出来ないのだ。
・・・それに・・・彼女たちは苦しんでいるのではなくて・・・欲情しているのだ!
でも、レダは妃様たちに命の危険が迫っていると思っているのだろう、無理をしてでも助けようとしてしまった。
そのため、注意力に隙が出来てしまって、レダも触手に掴まれてしまったのだ!
「レダ!」
触手に捕まったレダを助けるために、私はレダを絡めとった触手を切り裂いた。
まだがんじがらめにされていないから、絡みついた触手をすぐに切り落とせば間に合うはず。
しかしその時、私も触手に巻き付かれてしまったのだ!
「えっ!触手が速い?」
触手の動きが明らかに今までよりも速くなっていた!
油断した!ここに来て魔物の能力が全体的に上がっていたのだ。
一瞬動きの止まったレダと私は、みるみるうちに両手両足を無数の触手に巻き取られて動けなくなってしまったのだ。
「やだぁ、気持ち悪いよぅ。ララ、どうしよう?」
手足を固定され、体を触手に撫で回され始めたレダは、触手に服を破かれたり溶かされたりし始めていた。
「ああん、服が無くなっていくよ!恥ずかしい!」
私も触手に撫で回されているが、私の装備は附加装備なので、破壊されたり溶かされる事は無い。
とりあえず他のみんなみたいに全裸にされる心配はないのだが、ぬるぬるした触手が装備の隙間から服の中に入って来ようとして気持ち悪い。
両手両足を拘束されてレイピアも落としてしまったけど、大丈夫!私には魔法があるからね!
でも強力な魔法を使うとレダやみんなを傷つけてしまうから、使う魔法を選ばないといけない。
ええと・・・・・どの魔法をどう使って・・・・・
・・・・・あれっ?・・・なんか考えが上手くまとまらない?
意識が集中できなくなってる?どういう事?・・・
「ララ・・・なんだか変な感じがするよぅ・・・」
レダの方を見るとレダはだいぶ裸に近い状態にされてしまっていて、触手で執拗に体を撫で回されている。
頬が上気して息遣いが荒くなっていた。
「気持ち悪いんだけど・・・なんか体が熱くなってきた?・・・なんだか変な感じだよぅ」
レダは・・・欲情し始めていたのだった。
・・・魔物の催淫効果が強くなってる?
そう、さっきから意識が集中できないと思ったら・・・どうやら私も欲情していたらしい!
普通の状態異常系の魔法や薬物は私には効かないはずなんだけど、どうしてこの魔物の魔法にかかってるんだろう?
さっきから胸元や装備の隙間から中に入り込んだ触手に素肌を触られて、粘液をすりつけられていたのだが、この粘液の催淫効果と催淫魔法の合わせ技で効果が増しているのだろうか?
どちらにしても意識が集中できないと魔法が使えない。
私の魔力は強力過ぎるので、正確な制御が出来ない状態で迂闊に発動してしまうと、みんなを巻き添えにしてしまう!
早く打開策を考えなきゃいけないのに、焦れば焦るほどますます考えがまとまらなくなってきた。
・・・はっきり言うと、今、私の頭の中はジオ様とエッチする事でいっぱいになってしまっているのだ!
この強力な催淫魔法は一体何なんだろう?
混乱する頭で、必死に対策を考えようとしていたら、触手が違う動きを始めた。
附加装備の隙間を縫うように巧みに絡んできたのだ。
何をされるのか一瞬解らなかったが、気がつくと装備の一つがするっと外されてしまった!
魔物は私の装備が溶けないとわかると普通に脱がしにかかったのだ!
なんでこんな知能があるのかわからないけど、触手を器用に動かして私の装備を次々と外していく。
「だめっ!このままだと私も裸にされちゃうよ!」
何とか脱がされない様に抵抗しようとしたけど、手足を拘束されているのでなす術もないまま結局全ての装備が外されてしまった。
完璧な防御力を誇る附加装備も普通に脱がされてしまうとどうしようもなかった。
インナースーツだけになってしまったが、そのインナースーツも既に破かれたり溶け始めたりしている。残った布地で、かろうじて大事なところだけが隠れているだけの情けない姿にさせられてしまった!
残った布地も風前の灯火って感じだ。
手足を大の字に拘束されてこの状態はかなり恥ずかしいよ!
催淫効果による欲情と恥ずかしさで、ますます思考がまとまらなくなってしまった。
それにしても町中でこの状態にならなかったのがせめてもの救いだ!
人気のない神殿で、女性だけしかいない場所で良かったよ!
・・・・・ あれっ?・・・・・女性・・・だけ?
「ああーっ!エロ親父!」
ふと気がつくと、ゴア国王が思いっきり首をひねって私の方をガン見していた!
私が拘束された場所の隣にはゴア国王が拘束されていたのだ。
ひぃぃぃーん!この恥ずかしい恰好をエロ親父に見られちゃったよぅ!
胸や大事な部分の一番恥ずかしいポイントだけは、まだ布で隠れてはいるものの、ほぼ全裸に近い状態だ。
その布地も今にも溶けてなくなってしまいそうな状況なのだ!
このままじゃエロ親父に全てを見られちゃうよ!
まだジオ様とシンにしか見せた事無いのに!
とにかく早く何とかしなきゃいけないけど、焦れば焦るほど余計に考えがまとまらない!
「おおっ!!!ララ殿!ついに儂の子を産んでくれる気になったか!」
エロ親父が雄たけびをあげていきり立った!
そして同時に何かがはじけ飛んだ。
・・・いや、別に私がその気になったわけじゃなくて、魔物にやられただけなんですけど!
「待っておれ!今すぐそちらに行って・・・何じゃこの触手!儂とララ殿の間を阻むとは!」
・・・無理にこっちに来なくていいから・・・いや、むしろ来ないで欲しい!
「この程度の魔物、儂が粉砕してくれるわ!!!」
めきっ!!!
エロ親父の強烈な一撃が『木の実の魔物』の強固な本体部分の殻を貫いた!
魔物の殻に、縦横に亀裂が走ったのだ。
・・・えっ?・・・何?・・・今、どうやって攻撃したの?
エロ親父は相変わらず両手両足を触手に拘束されたままだったが、体を捻って魔物に対してうつぶせになっていた。
一体どうやって?・・・・・って、あまり考えたくないんだけど・・・・・
「早く離さんか!この魔物がっ!」
エロ親父は魔物の本体に強烈な二撃目、三撃目を打ち込んだ!
その度に殻の亀裂が増えていく。
魔物の本体に向かってうつぶせになったエロ親父は両手両足を拘束されたまま激しく腰を前後に動かして、魔物の殻に何度も強烈な攻撃を打ち込んでいる。
・・・うん・・・・・やっぱりそうだよね・・・・・見なかった事にしておこう・・・
やがて、いくつもの大穴を空けられた魔物の本体の殻が粉々に砕け散った。
完全に倒してわけではないけど、魔物はぐったりとなった。
・・・これって・・・『上級の魔物』がエロ親父に凌辱されたって事になるのかな?
触手の締め付けが少しだけ緩んだけど、体に全然力が入らない私では振り払う事が出来なかった。
しかしエロ親父は、この瞬間に両手両足の触手を一気に引きちぎったのだ!
「はーっはっはっは!これでようやくララ殿と子作りができるわい!」
私の目の前に極限まで興奮したエロ親父が立っていた。




