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勇者の弟子はお嫁さんになりたい!  作者: るふと
第2章 魔物討伐
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7話 勇者様と魔物探し

「魔物と遭遇しませんね?」


 森の中を2日ほど進んで、魔物の目撃情報があった付近までやってきた。


「この山道はこの先隣国へと続いているんですよね?魔物は隣国の方へ行ってしまったのでしょうか?」

「隣国側の一番近い町でもこっちの町よりはるかに離れている。魔物が向こうを目指す可能性は低いだろう」


 魔物の基本的な行動パターンは種類によって異なるが、人間の気配を感知した場合は必ず人間の多く集まっている方に向い、見つけた人間を容赦なく殺戮するという習性においては全ての魔物に共通している。


「そろそろ食事にしましょうか?」


 食事の時間は毎食材料を調達しては料理を振舞っていた。

そろそろお昼なのでみんなもおなかがすいてきた頃だろう。


「この2日間まるでピクニックみたいだよね?遠征で毎日3食豪華な食事にある付ける事なんてなかったからね!」


 セナ様はすっかりララの料理を心待ちにしていているようだ。


「さっき山ウサギを見かけたのでちょっと捕ってきます!」


 私は森の中へ駆け出した。


「魔物が近くにいるかもしれないから警戒をおこたるなよ」


 ジオ様が声をかけてくれた。


「はーい!わかってまーす」


 森の中の移動は元々得意だったがブーツのおかげでさらに高速移動が可能になった。


「『身体強化』ってこんなにすごいんだ!体の重さが無くなったみたい!」


 あっという間に奥の方まで来てしまった。


 遠くの方に動く影を見つけた。


「よし、山ウサギだ!」


 木の上に身を潜め弓矢をかまえる。

 弓は特殊なものではないが、小手による腕力増加に合わせて張力を強くしてある。

 矢は狩りで使う一般的な矢と、対魔物用に貫通力を『附加』した矢を持っていた。

 相手は山ウサギなのでふつうの矢をつかう。


 山ウサギの行動を観察し、動きが止まる瞬間を狙って矢を放つ。


「よしっ!命中!」


 最初は矢の射速が速くなってタイミングがずれたが、一方で軌道の直線性が増して命中精度は上がっていた。


「今までと感覚が違うけどだいぶ補正のコツが掴めて来たかな?」 

「射程もかなり遠くまで伸びそうね」


 『附加装備』の恩恵は色々なところに現れていた。

 

 射止めた山ウサギと矢を回収し次の獲物を探す。みんな大食いなので一匹では足りない。

  更に森を奥に入ったところで2匹目の山ウサギを見つけたので弓矢をつがえて狙いを定める。

 

 ・・・が、次の瞬間、私はその場から飛びのき山ウサギではなく後ろ向きに矢を放った。




 そこには、巨大な猿のような魔物がいた。


 猿の様なシルエットだが、全身が鱗の様なものに覆われて指には異様に長く鋭い爪が生えている。


 放った矢は鱗猿の胸に当たったが刺さらずに跳ね返されていた。


「やっぱりだめか」


 鱗猿は私の方に向かってきた。私は距離をとって、移動しながら対魔物用の矢を取り出して弓につがえる。


「これならどう?」


 突進してくる鱗猿の目を狙って矢を放った。

 放たれた矢は淡い光を放ちながら正確に鱗猿の右目に命中!そのまま頭を貫通した。


「すごい!」


(一番弱そうな目を狙ったけど、頭がい骨と鱗のある後頭部まで貫通するなんて!)


 これなら目以外の場所でも通用するかもしれない。


 鱗猿は蒸気の出ている頭を苦しそうに片手で押さえながら怒り狂って向かってきた。

 私は距離をとりつつ、2本目の魔物用の矢を弓につがえて即座に放つ!


 矢は見事に心臓の位置を貫通した。


 鱗猿は胸を押さえて苦しみ始めた。矢が貫通した胸と背中から蒸気が吹き出ている。


(倒せたのかな?) 

 

 まだ激しくもがき苦しんでいるので、少し距離をとって様子を見ると、次第に動きが弱くなってきた。


 やがてほとんど動かなくなり、傷口から蒸気だけが噴出している。

 私は慎重に近づいていく。

 動きは完全に止まったが、倒せたのだろうか?魔物は完全に倒されると体は蒸発し、魔結晶だけが残る。

 

 様子を見ようとさらに近づいた。




 巨大な手がいきなり私に掴みかかってきた! 


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