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勇者の弟子はお嫁さんになりたい!  作者: るふと
第6章 密林の戦士
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8話 勇者様と魔物の襲来

『勇者の弟子はお嫁さんになりたい!』連載開始から今日でちょうど一年です。

「魔物が現れたぞ!」



 予測通り、魔物は海からやって来た。



 実はここまでは、シンが『静慮の魔女』から聞いていた予告通りなのだ。


 シンはかなり正確な日時と場所を『静慮の魔女』から教えてもらっていたのだ。

 でも、あまりにも正確過ぎると、情報の出所が怪しまれるので、わざと濁して伝えていたのだ。




「わあ!ほんとに魔物が来たよ!占い師さんってすごいんだね!」


 レダは純粋に感動していた。




 レダは素直過ぎて嘘がつけないだろうと思って、詳しい事は話していない。


 ・・・って言うか、こんな純真な子供に嘘をつかせちゃいけないよね?


「ああ、優秀な占い師だからな。今度会ったら礼を言わないとな」




 ・・・その『占い師』に会う事が、私の旅の目的だったりするんだけどね・・・




「さあ!みんな!作戦通りに魔物を殲滅するよ!」




 戦士のみんなは既に巨大化して魔物と戦っていた。


 岩を沈めて作った防波堤の浅瀬を魔物が越える時に、剣で切り倒したり、素手で殴り倒したりしている。

 やっぱり、あの体格になると『下級の魔物』程度は全然問題にならないみたいだね。


 堤防の浅瀬の上に一列に並んだ巨漢の戦士たちが、海から上がってくる『下級の魔物』を一匹残らず殲滅している。


 この調子なら全ての魔物をここで食い止める事が出来そうだよ。



 それにしても数が多いよね。


 いつになったら終わるんだろう。




 ・・・なんて考えていたら、何体もの『中級の魔物』が姿を現わした。




「私たちの出番だね!」


 『下級の魔物』は引き続き戦士たちに任せて、私たちは『中級の魔物』へ向かった。


 『中級の魔物』は、以前人魚の里で戦った事のある魚介類型の魔物だった。


「私とジオは単独で対応します。シンはレダと連携して戦って!」


「わかった!くれぐれも油断するなよ」


「大丈夫!任せておいて!」


「ジオ君も一人で大丈夫なんだ!さっすがぁ!」


 ジオ様はレダを見てうなずくと、腕から飛び降りて魔物の方へ向かった。


 私もジオ様を追って『中級の魔物』が、複数体上陸しようとしている地点へと向かう。


 レダは巨大化してシンと共に別の魔物へ向かった。




 ジオ様は堤防の上を水切りの石の様に跳ねながら、中級の魔物と戦士が集中しているところへ向かっていった。


 『中級の魔物』と対峙していた戦士達が劣勢なので、加勢に向かったのだ。


 巨大化したこの国の戦士が、普通の人の1.5倍から2倍くらいの大きさといっても中級の魔物はさらに大きい。


 単純な力比べでは勝ち目はない。


 大きさと力の不利を補うためにはそれなりの技を必要とするが、この国の戦士たちは、普段は力業で何でもできてしまうため、技の鍛錬が十分でない者が多いのだ。




 ジオ様は『光の剣』を抜いて、数人の戦士と対峙している『蛸魚』のところへ切り込んだ。


 戦士たちは蛸の足に動きを封じられて、魚の口に食べられそうになっていたのだ。


 ジオ様は蛸の足を次々と『光の剣』で切り落としていった。


 動けるようになった戦士たちはすかさず魚の頭を剣で切り刻み、とどめを刺す事ができた。


「ありがとう!助かったよ!さすが大聖女様の赤ちゃんだ!」


「いやぁ、近くで見ても惚れ惚れする剣さばきだったよ!」


 戦士たちは皆、ジオ様の戦いぶりを絶賛していた。


 ジオ様はクールにうなずくと、次の魔物へと向かっていった。




 くーっ!やっぱりジオ様は赤ちゃんでもかっこいいな!


 私も負けていられない!




 ちょうど目の前で『腕鮫』が堤防に乗り上げてきた。


 『腕鮫』は堤防の上を腕を使って走って来たのだ!


 私は大口を開けて迫って来た『腕鮫』にレイピアを構えて対峙した。


 すると私の目前で『腕鮫』は腕で地面を蹴って飛び上がった!


 そのまま一気に私を上から丸のみにしようとしてきたのだ。


 私は、寸前でレイピアを一閃し、『腕鮫』の口の中に無数に並んでいた鋭い歯を一気に薙ぎ払った。


 そのまま、横に逸れて、すれ違いざまに『腕鮫』の片腕を付け根から切り落とした。


 片腕が無くなった『腕鮫』は、バランスを崩し、もんどりうって派手に転倒した。


 私はひっくり返った『腕鮫』の腹をレイピアで一気に切り開いた。


 ぶちまけられた内臓を浴びると気持ち悪いから、切り裂いたと同時に即座に退避して、内臓の直撃は何とか避けたよ。


 魚類系の魔物は、戦った後の匂いが結構きついのだ。



 片腕が無くなって腹が大きく開いた『腕鮫』は、思う様に動けなくなった様だが、それでものた打ち回りながら私の方に向かってくる。


 かなりグロいけど、この状態からでも魔物は復活してしまうのだ。


 私は一見でたらめに見える『腕鮫』の攻撃を躱しつつ、接近してもう一本の腕を切り落とし、エラの部分から頭を切り落とし、魔結晶を切り離した。


 もちろん、飛び散る内臓や体液は全て躱しながらね!



「ジオ君もララもすごーい!」


 離れたところで、レダが私たちの戦いを見ていたらしく、目を輝かせて感動していた。


「レダもしっかりね!」


「うん、シンと一緒に頑張るよ!」



 シンとレダも見事な連携で、一体目の『中級の魔物』を仕留めている所だった。



 うん、あの二人息ぴったりだね!


 シンが上手く合わせてあげてるのかな?

 あれならレダの剣術の腕もどんどん上がっていくね!



 おっと、よそ見していないで私も次の魔物を倒さないとね!


 ジオ様の方はどうかな?


 次の魔物にむかいつつ、ジオ様の方を見ると、既にジオ様は3体の『中級の魔物』を倒し終わって4体目に向かうところだった。




 ジオ様・・・赤ちゃんになってから更に強くなっていないですか?


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