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勇者の弟子はお嫁さんになりたい!  作者: るふと
第4章 砂漠の王国
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7話 勇者の弟子と身体検査

「ちょっと待って下さい!逮捕状ってどういう事ですか?」


「この国に対する重大な反逆行為を働いたとある。おとなしくしろ!」


「お待ちください!ララ様がその様な事をするはずがありません!何かの間違いです!」


 シィラも援護してくれた。


「そうだよ、むしろオアシスの町では盗賊の撃退に貢献したくらいだよ!」


「その町で、ララと名のる冒険者が我が国に対する重大な謀反行為を犯したと報告にある」


「えっ!?・・・・なんの事?」


 何だろう?思い当たる事なんてないけど・・・


「弁解があれば法廷で述べるが良い!」




「ララ様、ここは振りきって逃亡しますか?」


 シィラが小声で聞いてきた。


「多分何かの間違いだよ。きちんと説明すれば誤解だってわかってもらえるはずだから、この場は事を荒立てずに言う通りにしておこう」


「わかりました。釈放されるのをお待ちしております」



「おとなしくしますから、話が分かる人と早く合わせて下さい」


「聞き分けがいいな、殊勝な事だ」


 衛兵たちはレイピアを没収し、私の両手に手枷を取り付けた。

 一応簡単な魔力抑制効果もあるみたいだ。

 ・・・私にはあまり効果は無いけどね。


「他に隠している武器は無いな?」


「・・・ありません」


 まあ、武器なんて無くても、どうとでもなるんだけど・・・


「ではこちらに来い!」


 私は、窓の無い馬車に乗る様に促された。


「シィラ、ジオ様とルルをお願いね!」


「かしこまりました。すぐに釈放される事を信じてお待ちしております」


(ジオ様、私から連絡するまでは行動は控えてもらえますか?)


(ああ、了解した。危なくなったら呼んでくれ)


(はい!その時はお願いします!)




 馬車は町の喧騒の中を移動していた。

 喧騒の雰囲気からすると町の中心地へ向かっている様だ。


 ・・・つまり王城の方角だ。



「さあ、降りろ!」




 馬車から降りるとそこはすでに建物の中だった。

 おそらく監獄のような場所だろう。

 窓は無く、馬車ごと入れるサイズの大きな扉は既に閉ざされていた。




「その部屋に入って、着ている物をすべて着替えろ!」




 指示された部屋に入ると、若い女性の衛兵が一人と、着替えらしき白い布が用意されていた。


「身に付けている物をすべて外しなさい」


 女性の衛兵はきびしい口調で言った。


 歳は私とそんなに変わらないと思うけど、真面目そうな女性だ。

 褐色の肌に、私より少しオレンジがかった金髪と、金色の瞳をした、かなりの美少女だ。

 身に付けている装備の装飾からすると、年の割に結構高い位の衛兵ではないだろうか?


「ええと・・・下着まで全部って事ですよね?」


「そうです。早くしなさい」


 ・・・相手は女性だし、まあ、いいかな?


 出産を経験済みの私は、この様な状況で裸になる事への羞恥心がだいぶ薄れている気がする。


 何しろ妊娠中は、お医者さんやら何やら、一番恥かしいところを人に見られるのが当たり前だったからね!


 私は装備を外し、それからインナースーツと下着も全て脱いだ。


「これでいいですか?」


「てっ、手で隠している部分も見せなさい!」


 ・・・恥ずかしいので、一応、胸とか足の間は手で隠していたのだが、やはり隠したらだめだったらしい。


 でも、女性の衛兵は私の裸を見て少し動揺している様だ。

 どうも私の裸体を見せると、女性でも多少はときめいてしまうようなのだ。


 だったらいっその事、思いっきり見せつけてやろう!


「じゃあ!これでどうですか!」


 私は足を開き気味に立ち、腰に手を当てて、腰と胸を突き出し気味に、ちょっと腰を捻って角度をつけて、出来るだけセクシーに見えるポーズで、体の全てを女性の衛兵に見せつけた!

 もちろん表情も出来るだけセクシーに微笑んでみた!


「なっ!そこまでしなくても・・・」


 女性の衛兵は赤くなってうろたえ始めた。


 ふふふっ、私の魅惑的な裸体に悩殺されてしまった様だね!


「仕事なんでしょ?早く調べちゃってよ!」


「いっ、言われなくても調べます!」


 女性の衛兵は赤くなりながらも私の体を入念にチェックし始めた。


 口の中まで見られたけど、虫歯一本無いから大丈夫!

 舌の裏も見せろって言われたから、これもちょっとセクシー気味に舌で唇をなめて見せたよ!




 体中を調べ尽くした後、最後に質問された。


「・・・そこには・・・何も入っていませんよね?」


 ・・・どうやら、私の女性の部分に何か隠していないか聞いているらしい。

 女性の間者などが、ここに重要な品や暗器を隠す事は良くある事らしい。


 でも、さっき、そこも調べようとして、真っ赤になって手で触れるのをやめたところを見ると、こういう事にあまり慣れていないのかもしれない。


 ・・・この娘、ちょっとかわいいかも?




「・・・入ってますけど?」




 赤くなって少し上気していた女性の顔が一気に冷めた!


「なっ!何を入れているんですか!すぐに出しなさい!」


「ご自分で確認してみては?お仕事なんでしょ?」

 

 私は腰を前に突き出した。ちょっと色っぽくしなりながら。


「えっ?そんな!わたしが・・・ですか!」


 再び真っ赤になってすごく動揺している。


 ・・・間違いない!この娘、未経験だ!


「いいから!すぐに自分で出しなさい!」


 更に真っ赤になって目がぐるぐるしている。




「・・・赤ちゃんが入っているんです!だからすぐには出せません!」


「えっ!えっ!えーっ!赤ちゃん!? えーと、こういう時はどうすれば・・・」


 女性は混乱してパニックになった。

 おそらくマニュアル通りにチェックをしていただけなのだろう。

 きっとこういうケースはマニュアルには書かれていないだろうな。


 女性は頭がゆでだこの様になって、フリーズしてしまった。

 ・・・なんかすごいうぶで、かわいいんだけど、この娘。


「・・・嘘ですよ!赤ちゃんはこの前出したばっかりだから、今は何も入っていませんよ!」


 経産婦の余裕の妊娠ジョークだった!


「・・・嘘・・・ですか?・・・もう!びっくりしたじゃないですか!からかわないで下さい!」


 女性は動揺して素が出てしまった様だ。

 脱力してヘナヘナとしゃがみこんだ。


「ふふっ、あなたがかわいくって!ついからかいたくなっちゃった!」


「えっ?わたしが、かわいい!?」


「うん!とってもかわいいよ!」


「そう、ですか?今まで周りからは怖いと言われて距離を置かれていました」


「ふふっ、こんなにかわいいのに!あなたの周りの人は見る目がないのね。ねえ!私が裸なのにあなただけ服を着てるのってずるいんじゃないの? あなたも裸になって、私と素敵なこと・・・してみない?」


 私は女性の耳元でそうささやいて、女性の装備を外し始めた。


「えっ!えっ!・・・そんなっ!・・・だめですっ!勤務中ですから!」


「すぐに終わるから、大丈夫だよ」


 女性の胸部の装備を外しながら、首筋をペロッとなめてみた。


「ひゃうん!・・・そんな・・・困ります・・・」


 言いながら、さほど強く抵抗しないので、次第に服がはだけていく。

 この国の女性の衛兵の装備は露出度が高く、胸と腰はセパレートなので、わりと簡単に外せるのだ。


 ・・・ちょろいな、この娘・・・


 って言うか、冗談のつもりが、ガチでその気になっちゃったみたいなんだけど、どうしよう?

 もう胸の装備がはだけて、かわいい乳首が見えてしまっているよ!


「ああ、いけません!お姉さま!」


 がしゃん、と音がして、下半身の装備が床に落ちていた。


 ・・・あれ?そっちは私、まだ触ってないんだけど?


 気が付くと、女性の衛兵は裸にブーツだけをつけているという、かなりエッチなスタイルになっていた。

 完全な全裸の私よりも、かえってエロい感じだ。

 

「ああん、お姉さまがいけないんです!」


 そう言って女性の衛兵は全裸のまま、私に抱きついて来た。

 女性の柔らかい素肌が、私の素肌に密着する。


 そして目をつぶって顔を近づけてきた。


 これって!キスしようとしてるよね!?



 ちょっと待って!この娘、本気でその気になっちゃたよ!どうしよう!

 

 ・・・あれっ?これって浮気って事になっちゃうのかな?

 

 



 その時、部屋のドアがドンドンと叩かれた。


「時間がかかっている様ですが!なにかトラブルでも?ドアを開けてもよろしいでしょうか?」


 外で待っていた男性の衛兵だ。


 今ドアを開けられると、私もこの女性もかなりやばい状況だ!


「もう少しで終わる!すぐ行くからそのまま待機していろ!」


 女性は今ので我に返った。

 どうやらこの女性の方が上官らしい。


「チェックは終わりです!すぐにそれを着て下さい!」


 女性は私にそう言って慌てて自分の身なりを直し始めた。


 私も言われた服を着る。


 提供された服は、かなり布地が小さめの白い下着と、一枚の白い貫頭衣だけだった。


 すぐに着終わったが、これだけだとかなり心もとない。


「いくら何でも遅すぎます!ドアを開けますよ!いいですね!」


 男の衛兵はドアを開けて入って来た!


 私も女性の衛兵も、間一髪、身なりを整えたところだった。


「・・・何をしていたのですか?」


「ボディチェックは完了した!問題はない!」


 女性の衛兵は必死に冷静を装っていたが、全身が汗ばみ頬が上気して、微妙に呼吸が荒かった。


「そっ、そうですか、では連れていきましょう!」


 男性の衛兵は、微妙に色っぽい女性の衛兵を見て、若干興奮した様だ。


「さあ、来い!」


 私は衛兵に連れられて、鉄格子のある部屋に通された。


「沙汰があるまでここに入っていろ!」


 男性の衛兵はそう言って去って行った。




「あの・・・お姉さま、夜中になったら会いに来ますから!」


 女性の衛兵はかろうじて聞こえる小さな声でそう言い残して、恥ずかしそうに走り去った。




 ・・・私は、変な扉を開いてしまったのかもしれない。


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