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勇者の弟子はお嫁さんになりたい!  作者: るふと
第3章 勇者と海
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7話 勇者の弟子と水着

 海辺での生活が始まった!



 今度の魔物の大量発生は、この町の近隣で起こる可能性が高いと推測しているが、肝心の『静慮の魔女』が町の中に現れる事は無いだろう。


 この町の周辺には小さな漁師の集落がいくつもあり、おそらくそのどこかに現れるはずだが、どれか一つにあたりを付けても外す確率が高いのだ。


 しかし、この断崖絶壁の上に建てた家からであれば、町とその周辺の集落がいっぺんに見渡せるのだ。


 もし、どこかの集落に『静慮の魔女』が現れて、魔物の発生を報告したら、その集落は魔物の情報を迅速に町に伝えるため、町に早馬を跳ばすなどの動きがあるはずだ。


 そのような動きのあった集落に最速で移動すれば、再び『静慮の魔女』に接触できる可能性が高くなる。




 とは言っても、一日中町の様子を監視し続けるのは現実的ではない。


 ・・・というか、それではせっかくのスローライフが満喫できない。



 そこで私は『魔動馬』を利用する事にした。


 断崖の上から魔動馬に町の周辺を監視させて、何か動きがあったら、私にその視界を共有できる様にしたのだ。


 これで私は、自分が町にいたとしても、崖の上から町を見下ろす事が出来るのだ。


 町を歩く自分の姿を魔動馬の目を通して上から眺めるのはちょっと面白かった。




「『静慮の魔女』対策も整った事だし、思いっきり海辺ライフを満喫するぞ!」


(ララ、完全に遊び倒す気だな?)


「じっと待ってるだけなんて時間がもったいないですよ!」


「それで、ララ様、何をなさるんですか?」


「もちろん!海といえば海水浴だよ!」



 私たちは早速、水着を買いに町に来た。


 ところが、どうやらこの町では、『水着』というものはなく、普段来ている布地の小さい服でそのまま海に入るのだそうだ。


 女性の服装は、ほぼ下着と同じ面積の上下セパレートの上から胸と腰の部分に布を巻いているのだが、泳ぐときはこの布の部分を外して泳ぐのだとか?


 なので、泳ぎやすそうな服を買う事にした。



「わあ、かわいい服ががたくさんあるよ!」


 店内には色とりどりの衣装が飾られていた。


 私は、気に入ったデザインの服を次々と試着してみた。


「どうですか?ジオ様!好みの服があったら教え下さい!」


(どれも肌の露出が多すぎないか?)


「この町ではこれが普通なんですから仕方ないです」


(確かにどれも似合ってるんだが・・・)




「何してるの?シィラも試着して見なよ!」


 私の試着を眺めているだけだったシィラにも試着を勧めた。


「わたしはこのままで構いません」


 シィラのメイド服は普段の王都のお屋敷の時よりもかなり肌の露出が多くなってはいるのだが、この町の人たちと比べたら、全然暑そうだ。


「こういう時は一緒に試着してくれる人がいた方が楽しいんだよ!はい!シィラ!とりあえずこれを着てみて!」


 私はシィラが普段着ない様な、派手気味の服を手に取って試着室に連れ込んだ。


「わたしは本当に大丈夫ですから!」


「いいからいいから!着替えてみよう!」


 私はパパっと素早くシィラの服を脱がして全裸にした。

 この町の服は、水着も兼ねてるので基本下着を着けないらしいのだ。


 私が本気を出せばシィラがどんなに抵抗しても無駄なあがきだからね!


「ひどいです・・・ララ様・・・」


 いきなり全裸にされて恥らってるシィラが何かかわいい。


「シィラだっていつも私の事、裸にしてるじゃない?」


「それはお仕事ですから・・・」 


 うーん、さすが、シィラの裸は大人のお色気があふれていて色っぽい。

 女の私が見ても思わず欲情してしまいそうだよ!




「はい!これを着て!」


 元々着ていた服は私が取り上げてしまったので、シィラはしぶしぶ試着を始めた。



「・・・着ました。これでよろしいでしょうか?」


「うん!やっぱりシィラは派手な色も似合うよ!」


「そうでしょうか?落ち着きませんが・・・」


 カーテンを開けてジオ様にも見てもらう。


「どうですか?ジオ様」


 ジオ様の前でシィラと二人でポーズを決めてみた。


 ・・・シィラは嫌がったのだが、私が無理やりポーズをとらせた。


(うん、華やかでいいんじゃか?)


「ううっ、申し訳ありません。ジオ様にこの様なお見苦しい姿をお見せするなんて・・・」


「シィラ、この町の普段着なんだから気にし過ぎだって!それにとっても素敵だよ!ジオ様もそう思いますよね?」


(ああ、二人ともよく似合ってる)


「ジオ様、いくらシィラが魅力的だからって浮気はだめですからね!」


「ララ様!滅相もないです!」


「あはははは!冗談だよ!」


(・・・したくてもこの体ではどうしようも無いな)


「・・・って、ジオ様、体が大人だったら浮気するつもりだったんですか!」


(冗談だ。まあ、それだけシィラが魅力的だって事だ)


 ・・・ジオ様が冗談に冗談で返すようになってきて・・・って本当に冗談ですよね?




 私とシィラは、それぞれ服を選んで購入し、店を出た。


 結局シィラは黒系に白いフリルの付いたメイド服っぽい色合いの服を購入した。

 どうしてもこだわりがあるらしい。


 本人には言わなかったけど黒い服はむしろ他の服よりも更に布の面積が小さくって、かなりエロイのだ。

 シィラがどうしても色味にこだわったのでまあ、良しとしておこう。




「じゃあ!さっそく泳ぎに行こう!」




 私たちは砂浜へ向かった!


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