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勇者の弟子はお嫁さんになりたい!  作者: るふと
第3章 勇者と海
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6話 勇者様と海辺の別荘

 今回はこの町の付近で『静慮の魔女』の出現を待つ事にした。



 となると、ここに別荘を建てる事になる。


 転移魔法陣を設置して、レンとルナが緊急対応できるようにするためだ。



 町の役人に聞いてみたが、やはり外国人が町の中に家を持つ事は出来ないと言われた。


 仕方がないので町の外に建てる事にした。

 町の外で、ある程度離れた場所だったら問題ないとの事だった。

 ただし、魔物の襲撃の対策は自己責任だと言われた。



 次に候補地だが・・・町の向こう側を少し進むと砂浜は終わりとなり、その先は絶壁になっている。この先はずっと絶壁が続き、人が通行する事は不可能だそうだ。

 絶壁の続いた向こう側は、もう別の国になる。


 あの絶壁の上に別荘を建てたら見晴らしもいいし、この町や周辺の様子も監視できるのではないだろうか?


 そう考えた私は、ジオ様と二人で、絶壁の上に行ってみる事にした。


 切り立った断崖絶壁を跳躍を繰り返し登っていく。

 普通の人には登る事は不可能だが、私たちなら問題ない。

 あっという間に断崖絶壁の上にたどり着いた。



「わあ!ジオ様!見て下さい!すごい眺めですよ!」


(そうだな、これは絶景だ)



 目の前には180度見渡す限り青い海が広がっていた。


 海の向こうにはいくつかの小さい島も見える。


 その向こうはどこまでも海だった。



 ちなみに断崖絶壁の上は、少し開けた場所があったが、その周りは深いジャングルに囲まれていた。


 登って来た断崖を見下ろすと、さっきの町の全容が見渡せた。

 山の方から流れている川の河口に出来た町の様だった。


 断崖の下は岩場なので落ちたら間違いなく死ぬだろう。



「ジオ様!ここに別荘を建てましょう!」


(そうだな、町の様子も監視できるし、人も来ないから都合がいいだろう)




 転移魔法で魔動馬車ごとシィラとルルを崖の上に連れて来てから、別荘の建築を開始した。


 前回のリフォームで家の作り方はしっかりとマスターしたので、今回はもっと効率良く出来るだろう。



 木材は、ジオ様が目の前のジャングルの木を伐り倒してサクサクと作り始めた。

 木材の確保と同時に庭も広がるから一石二鳥だ。


 私は家の土台作りだ。


 崖の地面は岩盤なので、切り出せばそのまま家の土台に利用できるのだ。

 地下室の空間を作りつつ、切り出した石を積み上げていくと、家の土台が完成した。


 同時に地下室も確保できた。



 ジオ様が切り出した材木を土台の上に組み立てていく。


 

 一日目にして家の骨組みが完成した。

 今回は最初から少し大きめの家にしておいた。



 二日目は屋根と壁を作って、三日目以降はドアや窓、内装などを作り込んだ。


 当然、キッチンや、大きめのお風呂も用意する。




 地下室に転移魔法陣を設置したら、早速シィラは王都の屋敷から手伝いのメイドたちを連れて来て、あっという間に、内装を仕上げてしまった。


 さすがシィラとうちのメイドたち、仕事が早い。


 私とジオ様はその間に、周りのジャングルから魔物や野獣が侵入しない様に柵を作っておいた。

 断崖になっている側にも、不用意に人が落ちたら危ないので柵を作っておいた。




 こうして一週間後には立派な別荘が完成していた。




 今日からは快適な別荘生活だ。




 外観は、この地域の一般的な住宅の体裁に合わせてある。

 一般家庭の家に比べると、ちょっと大きくて豪華になってしまったが。


 当然、防御力附加と結界魔法で防御してある。





 とりあえず、一旦レンとルナを招待した。



「どう!ここが私達の新しい別荘だよ!」


 まずは崖の上から見る景色を堪能してもらった。


「へえ!これは素晴らしいね」


「ほんとに、いい眺めですね!」


 二人ともこの景色は気に入ってもらえたようだ。


 


「それにしても、またとんでもない場所に建てたね」


「ここに転移したとして、普通の人では町に降りられませんよね?」


「それなんだけど、実はこっそり崖の中に秘密の隠し階段を作っちゃった!」


 さすがに不便だと思って魔法で岩盤の中を掘り進んで崖の下まで階段を作っておいたのだ。


 階段の出口は、当然、認識阻害魔法と結界で隠蔽してある。


「なんだかんだ言っても魔法を便利に使ってるよね?」


「あはは!まあ、使える時には使わないともったいないしね」


 私のルール的には、楽するためでなく、人間には不可能な事に魔法を使うのはありなのだ。


 誰にも迷惑がかからなければね!


「とにかく!ルナたちもこの別荘を今後バカンスに使って構わないからね!」


「ゆとりが出来たら有難く使わせていただきます」


「とりあえずは当面の仕事をしないとね」


 相変わらず二人とも真面目だなぁ。




 二人は『静慮の魔女』が現れた時の段取りを一通り確認したら帰っていった。


 相変わらず魔法庁は忙しそうだ。




 ルナたちと、お手伝いのメイドさんたちが帰っていったら、別荘は一気に静かになった。



「さて、私たちはまた、『静慮の魔女』が現れるまでスローライフを満喫しますか!」


(ララ、何か考えてるだろ?)


「ふふっ、ジオ様、わかりますか?」




 『静慮の魔女』が現れるまで、長ければ一ケ月以上の期間、ここで待機する事になる。




 せっかく海の近くで暮らすんだし、色々楽しまないとね!


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