表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者の弟子はお嫁さんになりたい!  作者: るふと
第二部 魔女の軌跡 第1章 勇者の子育て
125/317

6話 勇者の子と入浴

 赤ちゃん相手の禁断の妄想には一旦封印をして、私はジオ様に赤ちゃんの入浴の説明を続けた。


「では、ジオ様、赤ちゃんの入浴のさせ方を説明しますね」


(ああ、頼む)


 やった!赤ちゃんの洗い方を教えるという名目でジオ様の体を洗う機会が出来た!

 これで公式にジオ様の全身をなで回す事ができる!


「まず、こうやって頭の下に手を入れて赤ちゃんの頭を支えます」


(なるほど、そうしてもらえると安心するな)


「反対の手で少しずつ体にお湯をかけて行きます」


 私は手桶に汲んだお湯を手のひらですくってジオ様にかけた。


(俺の手は小さくてお湯をすくえないから、魔法で手からお湯を出してもいいか?)


「はい!大丈夫です。たくさんかけると赤ちゃんがびっくりしますから少しずつでお願いします。温度はぬるめです」


(わかった、こんなものか?)


 ジオ様が手のひらからちょろちょろとお湯を出した。


「はい、そのくらいです。温度も丁度いいです!」


 ジオ様は小さくても魔法は一通り使えるのだ。


「石鹸は少しでいいのでよく泡立ててから、目や口に入らない様に頭や首筋を洗って下さいね。顔は濡らした布で拭けば良いです。鼻の穴や口からお湯が入らない様にして下さいね」


(ああ、気をつけよう。お湯が入りそうになったら魔法で止める)


「体も同じように手や柔らかい布で洗っていきます」


 私は手のひらでジオ様の胸やおなかを撫で回した。


(これは気持ちいいな)


「はい、赤ちゃんが気持ちいいと感じるように洗ってあげればいいです。手や足の指の間は埃が溜まりやすいので丁寧に洗って下さい」


(くすぐったいぞ、ララ)


「それから男の子の場合は、ここは垢やごみが溜まりやすいので裏側まで丁寧に洗って下さい」


 私は、それを、丁寧ににもみほぐしながら洗っていった。


(!?ララ!そこは!?)


 ジオ様が真っ赤になって足をキュッと閉じた!


 そうだった!赤ちゃんのつもりで普通に洗っちゃったけど、ジオ様だった!!!


「ああっ!すみません!ジオ様!つい、流れで・・・」


(・・・ララ・・・)


 私、今、ジオ様のあれを・・・つまんだり、揉んだり、なで回したり、こすったりしたよね?


 

 ・・・これって、ジオ様が大人の体だったら・・・



 ・・・余計な事を想像してしまった!



「ごめんなさい!ジオ様!わたしってばうっかりなんて事を・・・」


(いや、赤子の世話には必要な事だ。すまない、俺も取り乱して)


「いえ・・・あんな事されたら取り乱すのが普通です」


(だが、洗い方はわかった。今度は俺がルルを洗ってみる)




 ジオ様はもう冷静に戻っていた。


 さすが、本物の勇者だ。



 ジオ様は、魔法も使いつつ、ルルを器用に脱がしていく。


 さすがにジオ様の膝の上にルルは乗せられないので、私の膝の上にのせて、ルルを洗う事にした。


 私がいない時は、柔らかい布の上でも良いかもしれない。



 ルルの頭と私の太腿の間にジオ様が手を差し込むと、ちょっとくすぐったかった。


 ジオ様は、手のひらからお湯を出しながらその手のひらでルルを丁寧に洗っていた。


 なるほど、これは効率がいいかも?


 ジオ様の小さな体だとお湯を組みに行って、かけるだけでも大変だけど、これなら何度も汲みに行かないで済む。


 ジオ様は石鹸を泡立ててはルルを洗い、そのあとお湯を出して洗い流し、ルルの体をまめまめしくきれいにしていった。


 ルルは、半分うとうとしながらも、気持ちよさそうにしていた。


 ・・・私の膝の上で小さいジオ様が小さいルルを一生懸命洗っている様子が、かわいくてかわいくて・・・もう、どうにかなってしまいそうなかわいらしさだ!



(できたぞ!こんなもんか?)


「はい!十分です!あまり洗いすぎても良くありませんので」


(これなら次からは一人でも大丈夫そうだ)


 赤ちゃんが赤ちゃんを一人でお風呂に入れるのはどうかと思うが、私がいな時はシィラが手伝ってくれるだろう。


「ふふっ、出来るだけ私も一緒に入りますよ。こんなおいしいイベント見逃すなんてもったいないですから!」


(だから何を言ってるんだ)




「では三人で湯船に入りましょう!」


 私はルルを抱いて湯船に入った。


 ジオ様も私の後を歩いてきて湯船に入った、


 ジオ様にとってはまるで大きなプールだが、ジオ様は器用にぷかぷか浮いていた。


「赤ちゃんはこうやって仰向けにして首を後ろから支えてお湯に入れるんですよ」


 私はジオ様にルルの入浴の仕方を説明した。


「こうやって後頭部を支えていれば胴体はなんとなくぷかぷか浮きます」


 頭だけを支えながらルルをお湯に浮かべてみた。


(俺もやってみていいか?)


「はい!どうぞ!」


 ジオ様は腕をルルの首の後ろと腰の後ろに入れて支えた。

 

 私が手を放すとジオ様はいい感じにルルを浮かべていた。



 ・・・赤ちゃんが赤ちゃんをお姫様抱っこしてお湯に浮かんでいる。


 なんか面白い光景だ。



(ほとんど自分で浮くんだな?)


「頭を支えておかないと顔が水没してしまいます」


(わかった、気をつけよう。少し沖の方へ行ってくる)


 ジオ様はルルを連れて湯船の真ん中の方へ泳いでいった。


 ジオ様とルルにとってはこのお風呂は海みたいなものだ。


 ジオ様がルルを船の様にすぃーすぃーとお湯の上を滑らせて行った。


 ルルも水流が頭に当たるのが面白いらしい。

 ちょっとにこにこして「きゃっきゃ」と声が出た。


 ジオ様もちょっと楽しくなっている様だ。




 やっぱり三人でお風呂って、楽しいかも!




 私はお風呂は必ず三人で一緒に入ろうと決めた!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ