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勇者の弟子はお嫁さんになりたい!  作者: るふと
第1章 勇者の弟子
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11話 勇者の弟子と学院生活

 翌日は髪はストレートに戻し、ノーメイクで登校した。


「剣精様、おはようございます」

「同じクラスになれて光栄です」

「毎日間近で剣精様を見られるなんて!この学院に入ってよかった!」

「昨日の神々しお姿も素敵でしたけど今日の清楚なお姿もかわいらしいわ」

「俺的には今日の剣精様の方が好みのタイプ」


 教室に入るなりクラスメートに囲まれてしまったが、控えめな微笑みで当たり障りなく受け流した。

 クラスメートに敬語はやめて欲しい。


 学院では私が勇者様の弟子である事は秘密にしている。知られてしまうと大変な騒ぎになるし、命を狙われる危険も考慮してという事だ。

 知られなくても大変な騒ぎになっているような気もするが・・・


 この学院はこの国の最高位の学習機関であると同時に、卒業後それぞれの役職や仕事で即戦力になるようにする職業訓練学校の側面も持っている。

 基本となる学科は進路に関係なくクラス単位で行われるが、その他に進路に合わせた選択授業を自分で決めることができる。

 国政にかかわる仕事や、騎士、魔法士、薬師、職人、技師、商人など、ほとんどの職業の講座を用意してある。

 年齢の制限はないが、ほとんどの生徒が各地の学校を卒業した12歳ぐらいで入学し、成人する16歳ぐらいで卒業する。


 卒業資格は学科の基本科目を終了し自分の目指す職業の講座の認定試験に合格すれば卒業可能となる。

 認定試験に合格しても卒業せずに別の講座を受講する事も可能だ。

 認定試験の合格基準は単なる筆記試験ではなく、その職業で実務をこなすことができるか試される実技試験的な要素が強い。

 授業の出席時間数などは問われず実力のみが評価されるので、得意分野は短期間で合格する事も可能だ。


 私は、剣士の講座をメインに弓術、薬学などを受講する事にした。それと調理士の講座があったのでこれは絶対外せない!

 先生から受講しすぎと指摘があったが構わず決めた。


 なぜか魔法士の先生から執拗に講座に勧誘された。

 魔法が使えないから意味ないと断ったら、どうやら魔法陣の研究の講座があるらしい。

 私ほど短時間で正確な魔法陣を描ける人は先生の中にもいないとの事で、むしろ講師にならないかとまで言われてしまった。

 すでに他の講座を規定ギリギリまで(実は少しオーバー)とってしまったのでもう無理ですと丁重にお断りしたら、先生は床に泣き崩れてしまった。

(ちょっと悪いことしたかな?)


 それはさておき、早く調理士の講座を受講してジオ様に新しい料理を作ってあげたいな!




 学院から帰るとジオ様は魔物の討伐で不在だったので、バトラーさんと午後の訓練を行った。


「今日は受け流しの練習をしたいのでバトラーさんの方から攻撃してもらって良いですか?」


 バトラーさんは高齢だけど強くって、技だけならジオ様以上かもしれない。

 いつもは私の方から切りかかってジオ様やバトラーさんがそれを捌くスタイルで練習していたが今日は逆になってもらった。


「かしこまりました。ではまいります」


 一瞬、バトラーさんの姿が消え、次の瞬間には目の前に剣先が付きたてられていた。

 私は剣でそれを横に捌き体をずらして紙一重で回避する。


 回避した先にはすでに次の剣撃が迫っていた。

 かろうじてそれをかわすが、そこにも次が来て、かわすだけで精いっぱいで反撃する隙が無い。


 お父さんやジオ様はこのタイミングですでにカウンター攻撃を繰り出していてたが、今の自分では全然間に合わない。


 しばらくそれを続けて休憩となった。


「まだまだ私ではかわすだけでいっぱいです」

「いえいえ、ララ様、私の連撃をあれだけかわせるだけでも大したものです」

「しばらくはこのスタイルで練習させてもらっても良いですか?」

「かしこまりました」



「そうだバトラーさん、お願いがあるんですけど」

「なんでしょうか?」

「お屋敷の裏庭に畑を作ってお野菜を育てたいんですけど場所をお借りしてもいいですか?」

「それは構いませんが、野菜でしたら市場で大抵のものは購入できますが?」

「自分で育てたお野菜で作った料理をジオ様に食べてもらいたいんです」

「かしこまりました、それでは場所を用意いたします」

「ありがとうございます!」



 私の日課に『畑作業』が加わった。


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