31.ハプニング
「せいっ!はぁっ!」
聖生の1人、「怒りの雷」が連続で攻撃を叩き込む。
さらに後ろから雷属性の先生たちが援護射撃を送る。
「ていやぁぁぁぁ!」
「炎の心臓」の女性もそれに続いて水蛇を
炎で包む。
火属性の先生たちもサポートする。
「ウガァァァァァァ」
それでもなお水蛇は倒れない。
他の属性の人たちは全員他の魔法を発動中で手伝うことができない。
今湖に水を戻すと、水蛇の力がさらに増してしまう。
洞窟も崩れたら危険だし、遺跡も飛んでいかないように保護しないといけないのだ。
火属性と雷属性の人たち、私、それと監督だったルシアン様でどうにかしないといけない。
「全員伏せろー!」
ルシアン様はさっきから魔力の流れをよんで攻撃を予知してくれている。
雷と火の人たちも攻撃で手が離せない。
しかも致命傷は与えられそうにない。
何故か攻撃が効かないのだ。
ーー私がやるしかない。
できるのは私だけ。
遺跡に入ったことで何故か本当の儀式も成功している。
かつてないほど力がみなぎっている。
もしかしたら光属性なら効くかもしれない。
「……お願いします!!」
他の人たちが詠唱の時間を確保してくれていた。
唱え終えると白い光が水蛇に飛んでいった。
そして尾の先を魔石に変える。
「ウガァァァァァァ」
さすがに全部は変えることができなかったが、効果はてきめんのようだ。
水蛇の動きが鈍る。
その隙に詠唱を唱え終えて光の矢を叩き込んだ。
新しく使えるようになった魔法だ。
無数の矢が水蛇に降り注ぎ、その硬い体を
貫く。
さらに傷口からどんどん魔石に変わっていき、ついには水蛇の動きを完全に止める。
「セイレーン」
そして私の呟きによって使い魔が召喚される。
「ピチピチッ!」
「グェコッ!」
やる気に満ち溢れるカエル、それと魚
総勢200匹。
さらに……
「グアォォォォォォォォォォ!!!!」
なんだかよくわからないけど出てきた龍、
1体。下手したら水蛇よりも強そう。
と、いうわけで、最強の水部隊が完成した。
「よし、カエルたち!!」
カエルたちが全身からネバネバした液体を出して、水蛇に絡めつける。
よく見るとその液体によって水蛇の体が溶けてきている。
さらに魚たちが体当たりで硬い鱗を砕いてくれている。
これだけでも大丈夫そうだが、なにせ時間がない。
ということで、
「お願いします!」
水龍らしき子にお願いして倒してもらう。
水龍は私の声に応えるように咆哮をあげた。
「がァァァァァァァァ!!!」
咆哮が水の波となって水蛇を飲み込む。
そして残ったあとには、
水の雨を浴びて輝く大きな魔石があった。
予想外のパプニングだったけど、
水蛇クヂャーワザーの討伐、完了。
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