25.家族会議パート2
「私の作った魔石は、全てBランク以上になっている、ですか」
ここは、アコリコ聖生の研究室、ではなく
王城の応接間だ。
私が誘拐された原因でもある、魔石を作れる魔法についての話し合いが行われている。
もっとも、誘拐ではなく、リベルナが
私と遊びたかったから連れ去ったっていうことになっているけどね。
「はい。彼女が魔石に変えた雑草は、
最低でもBランクとなっていました。
また、彼女が私に贈った魔石は、Sランクでした」
「Sランクじゃと!?」
いつもは大声をあげることなんて滅多にない王様から驚きの声があがる。
まぁ、びっくりするよね。
私も知らなかったし。
「Bランクの魔石といえば、大貴族でもないと一生買えないくらい珍しいのです。
それが、Sランクなんて……。
高く売れそうですわね」
皇后からも驚きの声があがる。
最後にお金が絡んでくるのが皇后らしい。
「そ、それは、誘拐される可能性があるという話にも納得じゃな。じゃが、そうなったときに、どうやってイザベラの身を守れば良いのじゃ?」
それが問題なんだよね。
ただの衛兵ならすぐに倒せるんだけど、
王族クラスの魔力量になると、一発じゃ無理だし。
詠唱にも時間がかかるし。
「私がイザベラに護身用の魔法を教えようか?」
それまで無言だったルシアン様が口を開いた。
「良いのですか?」
ルシアン様と一緒にいられるのは嬉しいけれども、忙しくないのだろうか。
「あぁ、大丈夫だ。
それに、婚約者同士のコミュニケーションも大切だと思うんだ」
なら、ルシアン様に教えてもらおうかな。
「頼んだぞ、ルシアン」
「任せてください」
「ところで」
皇后の声が響いた。
そして私に視線が送られる。
皇后様は、かつてないほど真剣な顔で言った。
「イザベラ、魔石事業に興味はない?」
皇后様って、結構お金にがめついかもしれない……。
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