17.ピンチ
「疲れたーー」
今は、補修授業が終わって少しの間学園内を散歩しているところだ。
アコリコ聖生の研究室にも呼ばれているので、少し急ぎめで歩いている。
「こんなところあったんだ」
意外と知らない場所も多くて、
思いがけず良い場所が見つかったりしててとても面白い。
「そろそろ戻らないといけないかな」
中庭に引き返そうとした瞬間……
「動くな。前を向け」
首にひんやりとしたものが当てられた感覚があった。
さらに後ろから声があげられないように、手を、押さえつけられている。
「動いたら、殺す」
どすの効いた恐ろしい声で脅される。
「そうだ。大人しくていな」
……もしかして、この状況は、まずい?
そう思うも後の祭りで、私はあっという間に目隠しをされ、学園内と思われしどこかの部屋に閉じ込められてしまった。
「ガサゴソ」
目隠しをされているため、手探りで状況を把握しようとしてみる。
でも、両手も後ろ手に縛られているため、
上手くいかない。
足は自由だが、制服の裾が邪魔で、上手く立ち上がれない。
口も塞がれているため、助けも呼べない。
……もしかして、私、助からない?
その時、ドアがいきなり開いた。
「見るも無様な格好ね。それでも王族なのかしら」
甲高い女の声が響く。
え?なんで?
なんであなたがここにいるの?
「ふぃふぇうぅあ?」
そう、忘れることもないこの声の主は、
ーーリベルナだった。
「調子に乗っているんじゃないわよ。
呪われた忌子が」
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