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10.友達


「で?あなた、どういうつもりなの?」


目の前には、ケネノルダ様を筆頭とする女子軍団が立ちはだかっている。


「で?とは?」


正直なぜこんなことになっているのか分からないのだが、1つだけ心当たりがあるとすれば…。


「そんなの決まっているじゃないの。

私の愛しのカリユゼ陛下に近づくのはやめてちょうだい!」


あー、やっぱり陛下が原因かー。 


「お言葉ですが、私、陛下とはなんの関係もございません。

それで私を責め立てるのは見当違いです」


カリユゼ陛下は別にケネノルダ様のことなんとも思っていないっぽいけど、

きっとケネノルダ様は陛下のことが好きなんだろうなぁ。


愛しのって言うくらいだし。


でもそれで私が何か言われても困るんだけど。実際、何もないし。


「嘘ですわ!

わたくしが4年間もアプローチし続けて

振り向かなかったあの陛下が、

あなたみたいな女に絆されるなど、

ありえないですわ!」


4年間っていうことは、12歳から片想いだったのか。

それはそれで可哀想だな…。


「あなた、どんな姑息な手を使ったのですの!許しませんわ!」


姑息な手っていうか…。


「何もしておりませんわ。

私は陛下に興味ありませんので、

ケネノルダ様は存分にアプローチされたら良いかと。

その目の覚めるような凛々しい銀髪は

素晴らしいと思います。

きっと陛下とのお子様はとても美しいでしょうね」


「まあっ…」


ケネノルダ様の銀髪はとっても綺麗なので、私も羨ましいくらいだ。

顔もかなり整っているので、きっと陛下とお似合いだろう。

陛下とケネノルダ様がくっついてくれたら、私も平穏な生活を手に入れられる。


「いつか陛下がケネノルダ様という素晴らしい存在にお気づきになる日がくるはずです。応援しておりますわっ!」


「まっ、まぁっ!」


気がついたらケネノルダ様は真っ赤になっていた。


本当に陛下のこと大好きなんだなぁ。


「まっまあ、あなたは別に陛下のことをなんとも思ったさていないようですし。

今日は勘弁してやらないこともないですわ」 


「行きましょう、皆さん」


そう言うとケネノルダ様は取り巻きを引き連れて帰って行ってしまった。


仕方なく許したような感じを出しているが、明らかに機嫌が良くなっている。


頬も真っ赤に染まっていて可愛いらしい。


「ケネノルダ様は可愛らしいですわね」


ケネノルダ様とは仲良くなれそうだ。





「これはどういうことだ?」


ここは食堂。

今までなら陛下から逃げながら1人で食べていたところだが、今日はたくさんの女子達と一緒だ。


「イザベラさん、このサラダ、とっても美味しいですわよ」


「イザベラ様、こちらもどうぞ」


ここにいるのは主にこの間話しかけてきてくれた庶民層の子たちと、

ケネノルダ様たちだ。


どうやらこの学年の女子派閥はこの2つだったらしく、女子の友達が一気に増えてしまった。


「陛下もケネノルダ様の隣にどうぞ」


おかげ様で陛下もあまり近づいてこない。


「う、うぅ。で、では失礼しよう」


テーブルの女子達が喜びの声を上げる。

私も便乗して陛下と離れられたことに喜びの声を上げる。


ちなみに陛下の隣に座るケネノルダ様は

真っ赤になって固まっている。

可愛い。


「おっ、ケネノルダではないか、

どうした、体調が優れないのか?」


陛下はそう言ってケネノルダ様のおでこに手を当てる。


「大切な幼馴染だからな。何かあったら困るぞ」


こういうこと普通にやるからケネノルダ様も陛下のことが好きになっちゃうんだろうなぁ。


っていうか、陛下の顔が過去見た中で1番嬉しそうだ。


陛下って、自分で気がついてないだけで、

絶対にケネノルダ様のこと好きだよね。


ケネノルダ様は嬉しそうな顔をするが、

幼馴染という言葉を聞いて、

元気がなくなってしまう。


陛下のバカっ。ケネノルダ様は陛下のこと大好きなんだよ。

鈍すぎるでしょ。


でも、美少女と陛下が一緒にいる様子はとても絵になるなぁ。


陛下も一応顔が整っているし、

目の保養になる。


ふと頭がもやっと陰る。


ルシアン様と全然お話しできていないけど、大丈夫かなぁ。


ルシアン様はカッコいいし、きっとモテモテなんだろうな。


私より可愛い人と婚約した方が幸せかもしれないな。


「大丈夫か、イザベラ」


声が聞こえて顔を上げると、陛下やケネノルダ様が私を心配そうな目で見ていた。


「イザベラ様?」


庶民層の子達も話しかけてくる。


心配かけちゃいけないよね。


あわてて笑顔を作って微笑む。


「大丈夫ですわ。心配をかけてごめんなさい」


心配してもらえるって、いいなぁ。


とっても幸せな気持ちになって、

笑みが込上げてくる。


「心配してくださり、ありがとうございます」


みんなにお礼を告げる。


すると、みんなが衝撃を受けたように固まっている。


なんだろう?


その瞬間、チャイムが鳴った。


「急がなければ、授業が始まってしまいますわ」


私は急いで食堂から飛び出した。


ー残された人たちー


イザベラの花の咲くような笑顔を見た瞬間、感動した。


「天使だ…」


まるでイザベラの後ろから後光が差したようだ。


「すごい…」


ケネノルダも驚いて表情をしている。


2年くらい前から、ケネノルダを見ると変に動悸がするようになってしまい、

あまり話せていなかったのだが、

イザベラのおかげで話すことができて嬉しい。


「さすがイザベラだ…」


イザベラはもしかしたら天からやってきた神の化身なのかもしれない。


カリユゼは胸が高鳴るのを感じた。


それは突如現れた天使が原因か、

それとも隣に立つ銀髪の少女が原因なのか…。


カリユゼは知るよしもなかった。




読んでいただき、ありがとうございます!

これからも頑張ります!


少しでもいいと思ってもらえたら、

下の★★★★★お願いします。

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