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9.呼び出し


私が食堂に入った瞬間、時が止まったように静かになる。


またか…。


入学した初日に色々あったせいで

私は学校中では光魔法使いの超人という認識になっている。


そのせいで誰も近寄らず、入学して1週間、友達も出来ずにボッチ生活を送っている。


友達とイチャイチャする、楽しい学校生活を想像してたんだけどなぁ…。



それに…


「おい、こっちのテーブルに来い。

じっくりと話し合おうではないか、

俺達のこれからについて」


後ろから声がかかる。

話しかけてきたのは、メノルガという国の第3王子のカリユゼ陛下だ。


陛下が私に話しかけた瞬間、様々な方向から突き刺すような視線が飛んでくる。

おそらく陛下を狙っている令嬢やお姫様だろう。


「お誘いいただき光栄です。

ですが、謹んで辞退させて頂きます」

 

陛下がしつこく話しかけてくるのも私に友達ができない原因の一つだ。

というかほとんど陛下のせいだ。


私の眼の色は国によって賛否両論あるらしいが、普通に考えて、光魔法の使い手で、

莫大な魔力量を持っている一国の姫とは

お近づきになろうとするはずだ。


なのに陛下がいるせいで、ある者は

恐縮してしまい、ある者は嫉妬の眼差しを向け、私を遠巻きに見ているだけなのだ。


周りから崇めたたえられてちやほやされている陛下も、私からすれば疫病神でしかない。


しかも陛下が婚約を申し込んできたせいで、不貞を疑われて婚約破棄にされかけたのだ。


…カリユゼ陛下、許すまじ。


「ぬ、なぜなのだ?

俺はメノルガの王子だぞ。

何故断るのだ。またあのルシアンとかいうやつのせいか?」


あーもう、しつこいなぁ。

このままじゃ私は卒業までずっと1人だよ。


「そうでございますわ。

私の愛する人はルシアン様ただ1人。

あなたには興味ありません」


「ほぅ、それは良いのぉ。

ルシアンに伝えなければ。レアトルク、

メモはとったな」


「はい、もちろんでございます」


あれ?王様の声?


「学校はどうじゃ?イザベラ。

イザベラが心配だったから、授業を見学させてもらうことにしたのじゃ。

この様子なら、不貞の心配はなさそうじゃの」


王様がいる!授業を見学?

じゃあ、私の愛する人はルシアン様だけっていうセリフ、聞かれてたってこと?


やめて!恥ずかしいからルシアン様には言わないで!


「ご、ご機嫌うるわしゅう、王様。

私のさっきのセリフは、ルシアン様には伝えないでくださいまし」


「それは無理じゃな」


「お願いしますぅ」


「むーりじゃな」


が、ガックリ、恥ずかしいよ。

まだ何回かしか会ってないのに、

変な人だと思われないかな?


私が羞恥で顔を赤くしていると、

陛下が前に出てきた。


「始めまして、王様。

わたくし、メノルガ国の第3王子のカリユゼ・ルビトンと申します。

以後、お見知りおきを」


「うむ、わしがダンホゲ国のルイ・クローダーじゃ。お主がイザベラに婚約を申し込んでいるカリユゼじゃな。

わしの娘は渡さんぞ」


王様が娘って言ってくれた…感動。


「そ、そうですか…。

分かりました。絶対に娘さんを振り向かせます。覚悟しておいてください」


なぜか陛下が燃えてしまった。

王様に宣戦布告しちゃったよ。


私の平穏な学校生活が逃げていく…。


こうして色々あり、陛下と王様が帰った後。


「…」


めっちゃ視線を感じる。主に女子から。


「イザベラさん」


話しかけられた。陛下のことで何か言われるのかな。


振り向くと、そこには目を輝かせた女子の大群がいた。


「さっきのセリフかっこよかったです!

ちょっと怖いと思ってだけど、イザベラさんってすごいんですね。

なんか、すごい胸キュンな展開でした」


「本当はカリユゼ陛下とどっちが好きなんですか」


え、ええっと…。


落ち着け、私。

ここは笑顔で…


「私の愛するお方はルシアン様だけです。陛下に関しては何も思っていません」


すると、女子の中からキャーだという声が聞こえた。


「これぞ学園の醍醐味!」


「これは見まもるしかないわね。

この後の胸キュン展開に期待よ!」


ヤバい…。

女子達が話しかけてくれるのは嬉しいんだけど、なんか変な展開を期待されてる気がする。


私の婚約者はルシアン様なのに。


まだ会ったばかりだが、ルシアン様は

私の眼を見ても何も言わなかったし、

本当は婚約者になるはずだったリベルナじゃないと分かっても婚約破棄しないでくれたし、とってもいい人だと思っている。 


私の婚約者はルシアン様しかいないと思うから、別の人が出てきても困る。


「ちょっとあなた達どきなさい」


女子達の群れの後ろから、厳しい声が聞こえた。


女子達がどよめく。


「もっ、申し訳ございません。

ケネノルダ様」


女子達が左右に分かれた。


その真ん中に立っていたのは、

取り巻きを引き連れ、怖い顔をしたアメラヤ王国の姫、ケネノルダ・アメラヤ様だった。


「ちょっと、来ていただけるかしら」


そう言って、ケネノルダ様は気の強そうな笑みを浮かべた。


「は、はい」


私、イザベラ、人生初の呼び出しです。







読んでいただき、ありがとうございます!

もうすぐ試験なので、投稿ペースが遅くなるかもしれません。

でもできるだけ頑張ります!

応援よろしくお願いします。



少しでもいいと思ってもらえたら、

下の★★★★★お願いします。

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