徘徊者ワンダーランド

現代。
この世界の夜は、ぞろぞろと歩き回る無数の『徘徊者』に支配されていた。
もし人間が夜中に外に出れば、たちまち彼らに殺されてしまう。

人間は日中の間だけ、学校に行ったり、会社に行ったり、遊びに出かけたりすることができた。
しかし日没が来る前に、人間は建物の中に居なければならない生活を余儀なくされていた。

屋内で窓ガラスから徘徊者を眺めることしかできず、決して外には出ることができない。
徘徊者が現れた原因も理由もわからないまま、人類は十数年、そうやって共存をしてきた。

しかしある日、ある事件によりその共存関係が崩れ始める。

生まれたときから、こんな世界を生きてきたある青年たち。
その青年たちの友人一人が失踪してしまう。
友人を探す彼らは未曾有の騒動に巻き込まれていく。