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本日2話目です。

前話からお読みください。



スーパーへ行く道すがら、気になる事が有り意を決して聞いてみる事にした。

「木崎くん。私の何処を好きになったの?」

何を言われるのか、ドキドキしながら彼を見上げる。

彼は、驚きながら私の方を見てそれから視線を逸らし、口許を隠した後。

「そうだな…、何処から話そうか……。」

そう口にしてから、考え込み出した。

えっ、そんなに考えないといけない程?

不安に思いつつ、彼が話し出すのを待つ。

そして。

「自分の事を後回しにして、周りに気配りが出来て、一生懸命な所。」

その言葉を聞いて、内心エッて思った。

この人、何言ってるんだろう?

それ、本当に私の事?

疑問に思いながら、彼の次の言葉を待つ。

「正直に言うと、入学前から珠稀の事は知ってた。外見は地味でパットしない子だと思ってた。入学して同じクラスになって委員に推薦したのも傍で知りたかったから。したら、一緒に居ると安心できる人だと思ったんだ。一番のきっかけが、夏休み前のワックスがけ。」

彼がそこで言葉を切ってこっちを見てくる。

何かしたっけ?

不思議に思いながら続きを待つ。

「部活が終わって、帰ろうとしたら教室の電気が点いてたから、消し忘れかと思って戻ってみたら、珠稀が一人でワックスかけてたから、手伝おうと声をかけようと思ったんだが、一生懸命…イヤ一心不乱で作業をしてるのを見いってしまったんだ。黙々とやる姿に俺は声をかけれなかった。翌日、クラスにその事を愚痴るのかと思って見てたけど、そんな素振りはなくて、普通なら文句一つでても可笑しくないし、同じ委員の俺にも言ってこない、'何故'だと思った。」

彼の言葉に思い当たる節があった。

あの日の事、見られてたんだ。

ちょっと、恥ずかしくなる。

「それからかな、どこかで無理をしてるんじゃないかって、気になって俺が傍に居れば珠稀の負担が軽くなるのならって思ってる内に気がつけば目が放せなくなってて、自分の知らない所で何かさせられてたらって思うと不安になったりして…。だけどただのクラスメートってだけで近付くのはと考えてる内に珠稀の事が頭から離れなくなってたんだよな。どうしたら近くで守れるのか、そればかり考えてる内に、彼氏になってしまえば四六時中居れるんじゃないかって思ったのが珠稀に告白した前日。」

赤裸々に語られる彼の言葉に段々と顔が熱を持ち始める。

えっ、えっ、えっ。

内心で狼狽え続ける自分が居る。

「自分から聞いといてなんですが、もういいです。」

小声だったけどその言葉が届いたのか。

「えっ、もういいの?ここからだったのに……。」

って言う声に顔を上げれば、ニンマリと笑みを浮かべて居る彼が居て。

「愛しい珠稀が言うのなら、続きは次回に。」

悪戯っぽく言う彼が、色っぽく見えてオロオロしだす私。

「俺、最初は地味なヤツとしか思ってなかった。さっきの女と同じ外見しか観てなかったんだ。内側を知ってからは、目が離せなくなってた。珠稀は、嫌な事は外に言わずに溜め込むタイプだろうから、何時か爆発するんじゃないかって、ヒヤヒヤしてる。それが俺に対しての物も他に対しての物も、全部俺が受け止めてやろうと思ったんだよなぁ。だから、傍に居て見守る事が出来るポジションが欲しかった。」

優しい眼差しで私を見下ろしてくる彼。

あ~、もう、どうしたらいいの。

こんな事、家族以外に言われたこと無いのに……。

「ありのままの珠稀で居てくれればいいんだ。俺が全力でカバーするから。」

何て言われたら、どうしようもなくなる。

外面なんて、彼には無用なのだ。

「そっか……。快翔くんには無用なんだね。」

と口にしたら、彼が狼狽えた。

何処にそんな要素が混じってたんだろう?

首を傾げてると。

「い…、今、快翔って……。」

あっ、下の名前で呼んだからか……。

「じゃあ、学校では何時も通りに木崎さん呼びするね。」

彼の動揺する姿を他の人に見せたくないって思ってる自分に驚いてる。

「えっ…じゃあもう名前、呼んでくれないのか…。」

残念がる彼に。

「二人の時だけね。」

と笑みを浮かべれば、パァーと明るい笑みを浮かべる。

わかりやすい。

クスクス笑みを浮かべながら、スーパーへ歩みを進めたのだった。




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