表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/56

32




自室に戻り部屋着に着替えて寛いでいたら、コンコンとドアがノックされた。

「どうぞ。」

声を掛ければ、妹の琳華が中に入って来て。

「大変だったね、お姉ちゃん。」

苦笑気味に言ってきた。

「まぁ、今回は私が連絡しなかったのが悪いんだし、仕方ないよ。」

私は反省しつつそう口にした。

「それでもさぁ、高校生の娘が少し帰りが遅くなっただけで、あそこまで狼狽える親は家だけだと思うんだよね。」

妹が嫌そうな顔をして言う。

妹が言いたい事も分かるけど、ママが心配する訳も知ってる私としては、何て言えば良いのか分からなかった。

「それにしてもさぁ、お姉ちゃん傘持って行ってなかったわりには濡れてないよね。学校の方は降ってなかったの?」

妹が不思議そうな顔をしながなら聞いてきた。

「降ってたよ。偶々、友達(彼ではないから友達で良いよね)が居たから駅まで入れて貰ったの。」

焦りながらそう口にした(その後も折り畳み傘を貸してくれたんだよね)。

そんな私に。

「それって男?」

追求するように聞いてきた。

「琳、言い方。」

「ごめん。でも気になるもん。」

茶目っ気一杯でそう口にするからつい許してしまう。

「それは、そのうちにね。それより、星香の事覚えてる?」

話を逸らす様に訪ねると。

「星香……さん?」

首を傾げて、誰それって顔で聞いてきた。

「ほら、夏休みに映画館で会ったの覚えてない?」

私が補足すると。

「あ~ぁ、あの強面の彼氏が居る。」

星香より理央さんの方が印象が強く残ってるみたい。

「そう、今度一緒に出掛けないかって、誘われてるんだ、琳の予定に合わせてくれるって言ってるの。」

「えっ、本当! ちょっとスケジュール確認してくる。」

そう言うと部屋を出て行き、数分で戻ってくると。

「…明後日が開いてるけど、急過ぎるから……、二週間後の日曜日ならそれ以降はまだ予定が出てないから、わからない。」

妹の嬉しそうな声に私もニコニコしながらも、明後日と言う言葉にドキリと心臓が跳ねた。

「わかった。二週間後の日曜日だね。星香にメールしておくね。」

「うん、楽しみにしているって伝えておいて。」

「わかった、伝えておくね。」

そんな話をしていたら。

「珠稀ちゃ~ん、琳華ちゃ~ん。ご飯ですよ~。」

下から元気なママの声。

二人顔を見合わせて。

「行こう。」

って、どちらともなく言い部屋を出た。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ