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話をしていると、あっという間に 駅の改札口についてしまった。


あ~ぁ、ここでお別れか……。

ちょっと寂しいなぁ。


何て思いながら、繋がれている手に目を向ける。

放したくないな。

少しだけ手に力が入ってしまった。

それに気付いたのか、彼の手にも力が込められたみたいだ。


「あ~、ここまでか……。もっと一緒に居たいよ、珠稀。」

って、彼の口から溢れる言葉が何処と無く哀愁があって離れがたくさせる。

自分も同じ気持ちだと言えず、只俯くだけの私。

そんな私たちに。

「はいはい。約束はここまでだよ。手を放す、木崎くん。」

冷たい声で瑞歩が言う。

「山崎~。もう少しだけ待って……。」

彼がそう言うのをお構い無しに瑞歩は容赦なく私の腕を引っ張る。

「あ~~。なんで無理矢理外すんだよ!」

彼が非難の声を揚げる。

「そんな事してたら、一行に帰れないでしょ。それに暗い中、珠稀ちゃんを帰らすつもりなの?」

瑞歩が呆れた顔をして言う。

暗い中帰るのは別に構わないけど……。

「そん時は、家まで送って行くに決まってるだろ。」

当たり前のように言う彼。

「あっそ。それでも今日は、ここまでの約束だよね。と言うことで、珠稀ちゃんは私と行くよ。」

と瑞歩ちゃんに手を取られて、改札口に向かう。

あっ……。

「珠稀、また明日な。」

彼の声が聞こえて振り返ると手を振っていて、私は空いてる手で軽く手を振り返しながら。

「さようなら。」

て声を出して答えていた。



もうちょっとだけ一緒に居たかったけど、仕方ないよね。

まだ、自分の気持ちも伝えていないのだから……。






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