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その後は、短い放課でも彼は心配気に私の傍に来ては、何処かを擦っていた。


 放課後。

 星香の彼が学校の近くに車を止めて待っているとの事で、私と彼とも瑞歩は頼んだ物を取りに向かった。


「理央!」

 星香が嬉しそうに彼に近付いて行く。

 それを見た彼が。

「美女と野獣だ。」

 ポツリ呟いた声に同意するように瑞歩が頷いている。

「星香。」

 彼も星香を見た途端、顔が崩れて嬉しそうに笑みを浮かべて居る。

 私はそんな二人に近付き。

「理央さん。お久し振りです。今日は買い物を頼んでしまって、申し訳ないです。」

 と声をかけた。

「あっ、珠稀ちゃん。久し振り。元気だった。これぐらいどうって事無いよ。それより星香が何時も珠稀ちゃんの事気にしてたからさ俺も気になっちゃって……。」

 って話してると星香が理央さんの胸を思いっきり叩く。

「星香、痛い。あっ、これ領収書ね。」

 理央さんが。財布から領収書を取り出す。

 その金額を確認してから、私はお金を渡した。

「……で、星香の後ろに居る女の子が瑞歩ちゃんだよね。その後ろに居る彼は、瑞歩ちゃんの彼氏?」 

 理央さんが、彼に鋭い視線を向けながら星香に訪ねるように聞くから、星香は振り返って確認してから。

「うん、この子が瑞歩で、後ろに居るのが珠稀と同じクラス委員の木崎。」

 と紹介する。

「今日は。私は山崎瑞歩です。星香ちゃんには何時もお世話になっりぱなしで……。」

 瑞歩が自己紹介する。

「どうも、木崎と言います。それから、山崎では無く珠稀の彼氏候補です。」

 と彼が堂々と答える。

「珠稀ちゃんの?あり得ないな。こんな良い娘の彼氏候補が、君みたいな男がなるとは到底思えない。」

 理央さんが苦言を呈する。

「そうなんだよね、木崎が一方的に言い寄ってるんだよ。」

 星香が説明する。

「それはわかる。珠稀ちゃん可愛いもんな。それでも、俺は星香一筋だがな。」

 理央さん何気に惚気てませんか?

「えっ、分かりますか? 珠稀って、影で人知れず努力をする娘だから、手を貸したくなるんですよね。」

 彼の意味深の言葉にドギマギする。

 エット…エーット……。

 何かを言わないとと焦る程何も浮かばない

「珠稀ちゃん、動揺しすぎ。」

 瑞歩が呆れた顔をして見ていた。

「珠稀ちゃん、こいつに何かされたら、星香経由で俺に連絡くれ。凝らしめてやるから。」

 って、理央さんが偽の笑顔を浮かべて承諾する事を待っているので、小さく頷いておいた。

「何で、頷くかなぁ~。」

 彼の批難めいた声を聞いたが、聞こえない振りをした。

「理央。荷物って、車の中?」

 星香が口にすると。

「えっ、あぁ。トランクに入ってる。ちょっと待ってろ。」

 理央さんがトランクを開けると中には買って来て貰った物が入っていた。

 そこで中身を確認して。

「重い物は俺が持つから、珠稀と山崎は軽いのを持って。」

 彼はそう言って率先して荷物を取り出す。

「私は?」

 星香が自分に指示が無い事に不満気に言う。

「そのまま帰って良いぞ。これ以上彼氏さんを待たせる訳にはいかないだろ。」

 彼が、そう口にしたら星香の顔がみるみる赤くなっていった。

 荷物を取り出し終えて。

「じゃあ、星香また明日ね。理央さん、ありがとうございました。」

 そう声をかけると。

「うん、また明日ね。」

 って嬉しそうな顔で返され。

「いえいえ。何かあれば星香を通してくれれば良いからな。」

 理央さんも男前の台詞を笑顔で言う。

「じゃあ。」

 そう言って、理央さんが車を出したのを見送ってから、私たちは教室に足を向けた。





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