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星香の言葉にクラスの女子も共感したのか、あっちこっちで頷く姿が見られた。中には、分かっていない子も居たけど。

まぁ、私はその分かってない方の分類に入ってしまうのだが……。

クラスの雰囲気が少しばかり不快な空気になった所に。

「お前ら、席に着け。」

担任の声で気散した。



好きな人が出来たら一緒に居たいと思うのは、男女共通の思い?


じゃあ、私は彼と一緒に居たいと思ってるのかなぁ?


自分に問い質してみたものの、そこまで一緒に居たいとは思えなかった。

彼の声は好きだけど、本人を好きなのかと問えば、好きとは言いがたいのだ。

同じ委員をやっては居るが、彼の事を知ろうとは思わなかったし……。

それに、彼と面と向き合って話す事も今まで無かった(必要最低限しか接してない)。

面倒事に巻き込まれたくないと無意識の内に避けていたのもある。

だからかな。

彼と私に温度差があると感じるのは。



「珠稀、これどうする?」

突然星香が聞いてきた。

私は、星香が指す書き終えた画用紙(これ)を見てから。

「バラバラになら無いようにテープで貼ってくれる?」

私は、自分の鞄からセロテープを取り出して星香に渡す。

「オーケー。」

星香は上下を合わせてから、表を裏にしてテープで繋ぎ合わせる。

「これで完了っと。で、次はどこを……。」

と言いかけて止まり、携帯を見た星香の顔が見る見る内に嬉しそうな顔になった。

ん?

何かあったのかな?

滅茶嬉しそうなんだけど。

「星香?」

私が声をかけると慌てて。

「あっ、ごめん。で、次の場所は?」

資料を出して取り繕うように言うから。

「あ、うん。今度はね……。」

私は、先程瑞穂にしたように終わったページの付箋にチェックを入れて星香に指示を出す。

「うん、分かった。用紙頂戴。」

星香に言われて残り一枚を渡す。

「あれ、一枚しかないの?」

星香が書き写す量に対して一枚では無理だよって顔をして聞いてきた。

「うん。今日、学校が終わってから買いに行く予定なんだ。」

私がそう言うと。

「あっ、じゃあ彼氏に買ってきて貰おうか? 今日、迎えに来てくれるって言ってきたから。」

星香が先程嬉しそうにしていた理由が判明して、私も笑顔で。

「本当? じゃあ、お願いしても良い。お金はその時に渡すね。後、領収書も書いて貰ってきて。宛名は、学校名とクラス入れて貰って。」

領収書は、学校に提出しなければならないので、そう星香に伝える。

「了解。画用紙のサイズは八ツ切りでいい? 枚数は?」

と聞き返してくる星香に。

「サイズはそれで良いよ。枚数は、取り敢えず20枚在れば良いかな。よろしくお願いします。」

足りなければ、買いに行けばいい事だしね。

「わかった。お願いされました。」

星香はそう言って、ニコニコしながらメールを打ち出す。

「わー、星香ちゃんの彼氏見えるの? 楽しみー!」

瑞歩が横から口を挟んできた。

私と星香は顔を見合わせた。

「あれ、瑞歩は会った事無かったっけ?」

星香の言葉に頷く瑞歩だった。








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