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エッセイシリーズ

人生のピーク

作者: 夢野亜樹

YouTubeで『文化祭で〇〇を歌ってみた』という動画をみる。歌い出した瞬間に周りの生徒が「うまっ」「似てる」などと騒めきだし、だんだんと彼女の歌にのめり込むのが分かる。最後は拍手と大歓声だ。

これは5年前の動画で再生回数は500万回を超えている。

そのアカウントをタップして、この1年くらいの動画を見てみると他の曲のカバーを自宅で歌っていた。

ギターやマイクなどの機材も高校生の時よりも本格的になっている。文化祭での動画では、顔は暗くて見えなかったが、この動画では良く見える。顔は整っていて、赤い口紅も白い肌によく映えていて綺麗だし、人気が出そうだ。もちろん歌は上手い。説明欄や過去の動画をみるに、ストリートライブなどで活動していてプロを目指しているようだった。

でも、僕は思う。高校生のあの瞬間を超えることはもうないんじゃないかと。きっと、高校生の文化祭でのあの5分間が彼女のピークではないのか。あとはゆっくりと落ちていくだけ。

これは僕がそうだったから思うだけかも知れない。僕は高校三年生のあの瞬間がピークだったから。ただの皮肉だ。


一週間前の動画で彼女は文化祭で歌った曲をまたカバーしていた。再生回数は6000回。それでも彼女のチャンネルを登録している人は5万人もいるし、彼女は凄い人だと思う。彼女は僕と違う側にいて欲しいとも思うし、僕と同じ道にいて欲しいとも思う。

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