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月と太陽  作者: くらコン
6/8

1-⑥

コンにちは。くらコンです。これからは、忙しくなるので週1くらいの投稿ペースになります。ご容赦くださいませ。それでは、どうぞ。

 私の頬を水だか汗だか分からない液体が伝っていく。4名の水より冷たい視線を浴びて、私の顔は色を失っていく。

「おい、ロア。どういうことか、説明してもらおうか。」

リサはいつもより低い声で問いかけた。

「え、えっと、その、水を汲もうとして、バランスをくずしちゃって、その・・・」

「お前は赤子か!?何でバケツから水汲もうとして倒れる!?」

しどろもどろになりながら答えると、リサの怒鳴り声が返ってきた。言い返せず、視線を床に落とす。ここまで自分が惨めに思えるのは久しぶりだなぁと考えていると、視界の端に古びたスニーカーが見えた。見上げると、それはセティだった。長髪を一つ結びにした彼は、必死に笑いをこらえていた。今にも大声で笑いだしそうなその姿に、顔に熱が戻っていく。しかし温度の上昇は止まることを知らず、顔が真っ赤になっていくのが自分でもよく分かった。ここまで恥ずかしい思いをしたのは初めてだ。今なら、私の顔で野菜が焼けるのではないか。

 私の態度が一変したからか、リサも仏頂面のままセティに目を向ける。すると次の瞬間、リサの視線を感じ取ったセティは一瞬で笑みを消し、真剣な表情で私を見下ろした。「なにをやってるんだこいつは」とでも言いたげな表情だが、それはこちらのセリフだ。これじゃまるで、私がこの人を見て頬を赤らめているみたいじゃないか。

「・・・とりあえず、お前は水を汲みに行ってこい。ったく、これだから日向民は。」

諦めたような溜息のあとで、リサは吐き捨てるように言った。いつの間にか、他の3人はいなくなっていた。

「だって。ロアちゃん、頑張ってn」

「お前も一緒についていくんだぞ?当たり前だろ?」

「・・・ですよね~」

 そういうことで、私はセティと水を汲みに行くことになった。

「んじゃ、行くか。ゆっくりいくから、頑張ってついてきてね。」

梯子を登って屋上に出ると、セティはそう言って建物から建物へ飛び移り始めた。軽い足取りで、サクサクと進んでいく。私が唖然としていると、彼は振り返って

「ほら、はやく。置いてっちゃうよ?」

と叫んだ。それではっとなった私は、下を見下ろした。隣の建物との間は思ったより広く、高さは身長の2倍ぐらい。死ぬことはないだろうが、怪我は覚悟しなければいけない。

息を一つ吐いて覚悟を決め、思い切って跳ぶ。両手に持った大きなバケツが、揺れて音を立てる。足が石造りの天井を踏みしめ、安堵する。同じように建物を移動し、セティの隣へたどり着いた時にはすっかり汗だくになっていた。

「あはっ!さっき着替えたばっかなのに、もう汗だくじゃん!」

確かに、先ほどリサから借りた服は汗まみれになっていたが、そんなに笑われると、少々気分が悪い。一人腹を抱えている彼を冷たく睨むも、全く気にしている様子はない。やはり、この人は少し苦手だ。

 やがて、彼は一つのマンホールの上に降りた。周囲に人気はなく、本当に廃墟という感じがする。彼に続いて暗いマンホールの穴の中へ入る。最初は真っ暗で何も見えなかったが、徐々に目が慣れ、周りが見えてきた。下水道に水は流れておらず、現在は使われていないらしい。あたりには何かが腐った臭いが充満し、思わず顔を顰める。そしてふと、隣を歩く彼を見て気づく。彼は、私より若干背が低い。年上だと勝手に思い込んでいたが、案外同い年なのかもしれない。

 そんなことを考えていると、二人の足音に混じり、水の流れる音が聞こえるようになってきた。やがて、飛沫をあげながら流れていく水が姿を現した。下水道ではあるが、ここの水は飲めそうなくらい綺麗だ。

「落ちるなよー。流されても助けないからなー。」

かなり恐いことを呑気に言うセティに呆れながら、両手に持っていたバケツに水を汲む。ずっしりと重くなったバケツを持って、帰路につく。

「・・・お前ら、何しに行ったんだ?」

 水の半分以上入っていないバケツを眺めて、リサは呆れて言った。帰る途中で、建物を跳んでいったときにこぼれてしまったのだ。

・・・このあと、もう一度行くことになった。リサという人は、下水道の水よりも冷たい人だった。

いかがでしたでしょうか。この前書き・後書きでも書くことがなくなってきました。皆さんは最近いかがお過ごしですか?自分は最近芋けんぴにハマりました。

ご意見・ご感想は年中無休、じゃない年中夢中でお待ちしております。ここまでお読みいただきありがとうございました。ではまた来週。

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