表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
中継ぎの勇者は聖女の王女様とは結ばれない  作者: 安藤昌益


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/58

勇者乱立編10

 勇者クロウが、勇者フリードのところにまっ先に向かい、不意打ち、奇襲を期待して襲撃しなかったのかシンデーン達は訝った。

“上手く誘導された、騙されたか?あの王女様達の、彼女らの本国の手の者がクロウのところに入り込んでいたか。”怒りがひしひしと感じる彼に向かって、シンデーンは立ち上がって、

「勇者クロウ殿。お目にかかれて、光栄です。トウドウ・シンデーンと申します。」

 頭を軽く下げた。この態度からか、いきなり斬りかかってくるような勢いを止めた。シンデーンは、クロウを見た。フリードと同い年くらいに見えた。大柄で逞しい若者だった。顔立ちも整った、なかなかの美青年には見えた。しかし、フリードほど筋肉が引き締まっていないし、悪くはないが品性も劣っているように見えた。一番重要な、力がはっきり劣っているように感じられた。彼を前にして、シンデーンがさほどの力の脅威を感じなかったからだ。彼のチームも値踏みしたが、“魔道士、騎士、エルフ、ドワーフ、獣人…、かなりの実力がある者がいるが、あとは…、中には愛人だけという女もいる。…かなり劣っているな、チームも。”

「勇者様の名前を騙り、どういうつもりだ!」

 クロウの脇に、立った大柄の騎士が大音声で怒鳴りつけた。メディア達に落ち着くように手で制して、クロウの方を目を向け、

「私は戦いの先頭に、たったまでのこと。勇者デューク・フリード様の命じられるままに。」

静かに答えたが、

「奴らはまがい物の偽物だ。奴に加担すれば、貴様も同罪だ。」

 凄む彼に、

「私は中継ぎを命じられて、戦ってきました。私を召喚した女神が導いたのが、フリードでしたから、彼に従い、彼に義理をはたしたのです。もし、正々堂々、互いに戦い破れたならばともかく、そうでは無ければ、手を貸さなければならないでしょ」

 答をかえし、すかさず進めた。

「今ここで私を倒すことは可能でしょうが、貴方の、チームの全てを失うこととなりますよ、私の脇にいる4人の女達、戦姫の女達だけで戦っていに紙。更に、貴方も私と戦っていては、彼に勝てる力を完全に失うしかないと思いますよ。」

 彼は挑発するように言った。クロウは、シンデーンを味方にしようとは考えていないことが分かった?“勇者のプライドか?”奴のために、更に時間を与えてやるか。”

「先ほども申し上げたように、正々堂々とした勝負で、あの方に肩入れするつもりはありません。正々堂々とした勝負を、不肖私が取り揃えましょうか?」

“逃げるのが最善だと思うが。”別れた直営のデューク・フリードと比較してもクロウに分がないな。”だからこそ、策を弄して彼の力を奪う策をとったのだ。時間が経てば、実力の差は広がるばかりだ。それはよく分かっているはずなのに、それでもクロウは、シンデーンを味方にしようともせず、彼の提案提案を受け入れた。“勇者の誇りか。それに逃げるに逃げられまいな。こいつを支援した王侯貴族その他…。”

 2人の対決は翌々日だった。彼のチームから逃げ出した者が続出した。しかし、思ったより、その数は少なかった。チーム戦としたので、あくまでも数は同人数とした。フリード側に人数の調整を要請したが、フリードは快く応じた。その選抜に、多少とも時間がかかる、そのことがフリードにとって優位となることが分かっていたからである。

 城から離れた草原で、双方30名が相対した。クロウの側は総力戦だった。ほとんど戦力にならない娘までいた。覚悟を決めたのか、クロウの戦いぶりは立派だった。彼の部下達も、彼のために死を恐れず戦った。単なる愛人でしかない娘も、彼の盾に、自ら飛び出して死んだ。二十数合目に彼の聖剣が折れ、デューク・フリードの聖剣がクロウの胸を貫いた。彼が絶命した時、彼の仲間は全て息絶えていた。

 トウドウは、立会人として一部始終を見た。その後、見せしめに町の中央広場でさらしものにされた死体を、その二日後に回収して、郊外の林に丁重に埋葬したのは彼だった。 

「甘いわね、全く。」

「メディアに、今日は同感です、お兄様。」

 手伝わされて女達は不満だった。

「我が見るところ、何とか勝てるかもしれないというところだ。」

 イシスの言葉に、ディーテが

「我もそう見た。」

 それでも、

「勝てそう、勝てる可能性もあるという程度なんだな。」

“同感だ。”と彼も思った。報奨金を受け取り、今後の身の保証の確約を取り、フリードの元を離れた。この時、メディアの旧家臣達とラセット父の代の家臣達が、彼らの前に現れた。彼らを連れていくこととなった。また、一人、拾い上げて連れてゆくこととなった者もいた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ