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9・校正、校閲

 一通り文章を書き終えたと思ったら、校正、校閲、推敲をします。

 ごくごく簡単にそれぞれの違いを説明すると、


  1・校正:文字の正しさ(誤字、脱字、衍字(えんじ))を確認、修正する行為

  2・校閲:文章の意味の通り具合や事実関係が正しいか確認、修正する行為

  3・推敲:作品の意図や表現の効果が狙い通りか確認、修正する行為


 となります。


 ある大手出版社は校正と校閲の二部門が設けてありますから仕事を分ける意味がありますが、感想文などはもちろん全部自分ひとりで行いますから、区別そのものに意味はありません。きっちり仕事が終われば何でもよいです。

 私の場合はものすごく移り気なので、校正と校閲と推敲を同時にやりたいようにやっています。


 いずれにしてもすべて行う必要があり、抜かしていい要素はありません。


【校正】


 校正:文字が正しいか(誤字、脱字、衍字(余分な文字))確認、修正する行為


 読者は誤字・脱字があると気になってしまい、読むのをやめてしまうことさえあります。

 しかし、書いている作者様にとっては案外目につかず、結局第三者が見たほうがはるかに発見率は高いです。

 それは、誤字、脱字、衍字等の文章校正が、「文章の意味に踏み込まないで行う」という特徴から来ています。


 作者様は自分の文章をどう書いたかわかっています。すると、文章の文字を追って直そうとしているように見えて、実際は書いた記憶のほうをさきに読み出してしまいます。

 こうして「文章は正しい」と頭の中で決定されてしまうため、字面の間違いを見つけにくくなってしまうと思われます。


「文字の誤り」を「目で」見つけだす作業は作者様にとっては「記憶が邪魔をして」難しく、出版社でわざわざ専任者を置くのもうなずけます。

 ちなみに、文字を後ろから追う校正方法もあるらしいです。なるほどとは思いましたが、慣れるには時間がかかりそうです。


【校閲】


 校閲:文章の意味の通り具合や事実関係が正しいか確認、修正する行為


「てにをは」、「用語の意味」、「単、複、重文」の意味の通り具合と読みやすい処理、数量、場所などの事実に関する確認の作業が校閲です。


 推敲の仕方を解説した文書においても、このあたりはかなりの厚みをもって語られる部分です。

 校正と違って、校閲は文章の意味に踏み込んでチェックする、文章の作りかたにかかわる作業です。


 ビジネス文書においては、この部分を徹底して整え、ななめ読みで意味が通るようにしたり、読む時間をかけず内容を伝えられるようにしたりします。

 感想文においてもこれは大事です。一つの文章だけでなく、段落の構造にもかかわることなので、よくよく読み返してわかりやすさに磨きをかける必要があります。


 校閲のときに厄介なのは、文字数、行数が増えたり減ったりする可能性があることです。もし字数制限があると、条件から外れる危険があります。

 また、文章のわかりやすさ、伝わりやすさをあまり意識しすぎて、情報を減らして一文を単純化してしまう過ちが懸念されます。情報の過不足が生じないよう意識してわかりやすくしなくてはなりません。

 十分に意味を保たせつつわかりやすさを磨くのが大事ですので、ここは非常に苦労すると思います。


 ビジネス文書であれば技術を駆使して整形できるので、はっきり言って簡単です。

 ですが、感想文や小説など情緒に訴える文章は、簡潔に事実を伝えるだけでは不十分です。「主観と客観」のところでも述べましたが、「伝えたい内容」は理路整然としていても、「伝えたい思い」は理路整然としているだけでは温度が伝わりにくく、技術面では補いきれない難しさが潜んでいます。

 校閲では温度の伝え方といった文章表現の演出までは踏み込めません。それは推敲の役割となります。


 校閲は、文章の意味と事実を淡々とチェックする、非常に地道な作業と思います。


 校正と校閲の二つは、快適な読書を約束する重要な改修作業といえるでしょう。

 読者に対するまごころとも、最低限の責任ともいえそうです。

 出版社が校正と校閲の部門を置くということは、出版物の製造責任、品質保持をこの部分に求めているといっていいかもしれませんね。


「小説家になろう」においても同じです。できうる限り校正と校閲をしっかり行い、読者が少しでも快適に読める作品を届けられたら、とおもいます。

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