11・投稿
作品選択から感想執筆、校正、校閲、推敲を経てひとまず文章が完成しました。
あとは投稿です。
文字数制限や規約を確認し、フォームにコピーペーストして送信します。
やや、緊張します。
作者様が一体どういう温度で感想を受け止めてくださるのかがわかりませんので、反応が怖いという緊張です。
歯に衣着せぬ勢いであったり、手放しの大絶賛であったり。
いろんな感想があり、いろんな受け止め方があります。
読者が絶賛していても、作者様にあまり好意的に受け止めてもらえなかったり、作品を否定するようなどぎつい感想であっても、作者様が活力にすることさえあります。
こればかりはどうしようもないです。
作品を読んで感じたことは、読者の感情そのものですから、それを曲げて感想を書くのはなんの意味もありません。
ただ、この「小説家になろう」というサイトは、商品として著作物が置かれているわけではありません。
作者様が純粋な趣味で作品を投稿し、その趣味に合う人たちだけで楽しんでいる場合もあります。
大勢に受けるような普遍的な面白さを持つ作品を投稿する、玄人はだしの作者様もいます。
作品を自分の子供のように大切にしている作者様もいれば、作品は作品として切り離している方も当然います。
作品が商店経由で購入される場合と違い、サイトでは、作者様ごとに立場を異にしてフロントに立っており、また作者様と作品との距離の遠近も様々です。なので、購入した本の感想を送る行為よりも、より繊細な判断が必要であることは、否めません。
こうした考慮は作品鑑賞や読書感想には本来必要ないものですが、ここが作品投稿と読書を通したコミュニケーションサイトであることを考えると、気持ちの配慮は必要になるのではないでしょうか。
感想についてのエッセイや、感想欄でのやり取りを眺めてみますと、作品のとらえ方や感想の書き方について、作者様と読者双方の立場からいろいろな意見が出ています。融和も、対立もしています。
どうするのが正解ということはありません。前述のとおり、作者様も読者もどういう立場で作品をとらえているかわかりませんから、そこを考慮するとひとまず友好的に接するのが無難であろう、というだけです。
人種が入り混じって国も文化も全く違う人たちがともに住んでいるところでは、ひとまず握手し友好的にあいさつするほうがスムーズに生活できるのと一緒です。
こうした地域では、規約の違反があった場合には断固として訴えますが、それ以外では融和の態度で接します。文化がそもそもかち合わないので、表立って相手の趣味をくさすこともありません。
また、同じ趣味や国、文化の人たちどうしで集まるパーティもよくおこなわれるでしょう。共通点を見出して仲間を増やすのは、生活が安全に豊かにおくれる原動力にもなるのではないでしょうか。
そのくらいの責任感さえ備えていれば、「小説家になろう」のコミュニティで、過度なストレスを与えたり受けたりすることなく、静かに作品と向き合える。そんな気がします。