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嵌められて異世界  作者: 池沼鯰
第六章:平穏までの距離
71/114

069 幽霊の出る町


参考資料デス


鉄年間生産量 古代ローマ3,000t 1600年前後のユーロ5,000t 西暦元年前後の中国:1万3,000t

 <産業革命後世界総計> 1850年4,200万t 1950年約2億t 2010年15億t

 <比較用日本国> 室町・鎌倉1,000t 1600年前後3,000t 江戸後期1850年:1万4,000t 1950年前後500万t 2010年前後1億t




 先日在庫を吐き出したので、鉄の手持ちがほとんど無い。

 必要かと問われれば、個人的には否なんだが。


「『鉄は国家なり』と言う言葉もあるくらい、鉄は大切です! 在庫確保の意味も含め、100トンくらいは取って来て下さい」


 戒の要求が日に日にグレードアップして行く恐怖。オレに金属を抽出するマシーンになれとでも言うのか?

 加圧器、減圧器などを作るのに、金属は必要だろうから仕方ないけどさ。まあ様子見を含めて、三日ほどは製鉄業(個人)に従事するか。

 ウェントの屋敷から出て、外壁の向こうに広がる大地にて、土魔法の【成分抽出】を行う。

 鉄分は生物には必須の元素だ。きんみたいに根こそぎやると、後々悪影響とかありそうだから、適度に間隔を開けて場所指定。5cm四方の面積で、深さ7,500メートル。これを1メートルほど距離を開けて20ヶ所ほどで並列発動。

 これだけで赤錆数十トンほどゲット。

 続いて、抽出魔法の【元素抽出】で鉄を抽出。これが一番魔力量を喰う。最も理不尽で不思議な、科学にケンカ売ってる処理の部分だ。

 出来た黒みがかった銀粉を、土魔法の【固体操作】でチョチョイと20kgの塊に成形して行く。その数、約1,500個。30トンほどの純鉄が手に入った。


「これって多い?」

「個人的に保有する分としては格別に多いのぉ。しかしまあ、産業革命以降の生産量と比べると、誤差じゃろうな」


 ミドリに相談したら、謎が増えた。

 産業革命の前と後で、鉄の量って違うのか?


「お主……はぁ。少なくとも地球では、その前後で100倍から1万倍近い変化があったぞ」


 知らんて、そんなの。学校の授業で習わんもん。習わないよね?


「誰に言っとる。ワシもそこまでは知らんが、様々なデータから類推すれば、それくらい分かるじゃろ」


 ゴメン、無理。オレにそんなハイスペックな処理能力は備わってない!

 とにかく、もうちょっとだけ魔力量に余裕があるから、キリ良く鉄塊2,000個分を作ることにした。

 それが1日のノルマ。3日掛かって6,000個の鉄塊を確保。

 戒、これで満足か?


「そうですね。とりあえず保持しておく量としては十分でしょう。有り難うございます。お疲れ様でした」


 良い良い。戒には頑張って、色々やって貰わないといけないしな。

 これがあれば、ドワーフ達にあんなものやこんなものを、作って貰えるようになるんだろ?


「ええ。まずは均一なネジの製作、量産化が目標です」


 地味だなぁ。


「何を言いますか。基礎と言うのは元々地味なんですよ」


 そうなんだろうけどね。もっとこう、異世界チートっぽく技術革新バーン! 産業革命バーン! 自動車・飛行機バーン! ってならないの?


「なりません」


 現実は非情である。




 鉄塊は、『アイテムボックス』の1枠に収まる分だけ、つまり1,000個ちょっとほどを自分で持っておき、残りはイエイラの街のドワーフ鍛冶場に置いて来てある。

 これにてお役目終了。旅の続きが出来るようになった。

 いつものように、空間把握用の魔石が埋めてある最前線に【瞬間移動】で跳んでから、飛行魔法で飛ぶ。

 場所はフローティス帝国の首都ゴレオス。問題にならないよう、外壁をまたいで外に出てからの飛行だ。

 帝国内の大きめの街を二つ通り過ぎ、隣国のダ・ルナ王国へと突入。領空侵犯だけど、この世界では航空戦力どころか浮遊物体すら稀有だから問題無し。

 この国は、帝国と比べると貧しいようだ。山岳や森林が多くて可住領域が狭いのか、人口も少ない。

 国境からほど近い(あくまで飛行時主観。歩くと1日近く掛かる)場所にある街は、随分と小規模だった。

 これは王都も微妙かもなと、スルーする心積もりが決まり掛けた頃、視界の一部に黒い霞のようなのが見えて来た。

 上空から離れて見ていると何だか分からなかったが、高度と速度を下げて近づいて行くと、ゴブリンの群れだと判明。数は400近くか。結構いる。

 そしてそのゴブリンたちの向かう先は、街と街を繋ぐ宿場町の一つだった。

 町の規模はそれほど大きくない。人口は3,000人前後が住んでいそうか。5,000は超えなさそう。

 宿場町とゴブリンの距離は、10kmほど。もうすぐオレはゴブリンの上空を通過するので、後1,2分で町に着く。速度は460km/hほどに抑えてあるからな。

 出入りの為の門の少し手前で飛行魔法を解き、歩いて向かう。飛行魔法を解く直前に、ちょっと気になるモノが見えたが……。

 町の壁は、高さ3メートル程度。ちょっと高いへいって感じだ。これだと、一時しのぎ的な効果しか無いだろうなぁ。

 門の傍には、兵士が20人程集まって警戒態勢を取っていた。


「何者だ!」

「どうも。旅のハンターだけど、中に入っても?」


 オレの返答に、兵士の一人が前面に出て来た。


「今この町は、魔物の襲撃を受ける可能性がある! それでも構わんのなら、入って良し! 町の中心の広場で、戦力が集結しているから、それに加わってくれればなお助かる!」


 へぇ。ちゃんと説明してくれるんだな。


「分かった。了解して入る。広場に行けば、手伝えるんだな?」

「ああ」


 その場を通して貰い、町の中心部へと足を向ける。応対をしてくれた兵士の人がオレに目礼してくれたのを、視界の端の方で確認することが出来た。




「敵は高々低級な魔物であるゴブリンだ! 数も多いとは言え、こちらと大差無い! 一人一殺ひとりいっさつを心掛ければ、間違いなく勝てる! 以上! 後は各リーダーに従って行動しろ!」


 周りが皮鎧ばかりの中、金属製の高そうな鎧を着た青年が、話を終えた所だった。

 数十人の傭兵やハンターと思しき奴等と、一応装備が統一されている町の兵士らしき200人ほどの集団が、それを囲んで整列していた。


「では、これより班ごとに別れて、役割を果たして貰う! 傭兵たちは、遊撃部隊として動いて貰う! まず一班から三班、西の門の担当……」


 どうやら、これから作戦行動を行うみたいだ。

 オレはどうすっかなー。傭兵たちの所に紛れ込んでみようか。

 傭兵が集まっている所に近づき、フレンドリーに話し掛けてみる。


「やあ! 大変な事態になってそうだな」


 30歳くらいの禿げ頭の男は、オレにいぶかし気な目を向けて来た。


「誰だぁ? てめぇ……。見掛けない顔だが」

「ついさっき、この町に着いた旅のハンターでね。まあ、ゴブリン400匹程度、本気出せば瞬殺だろうさ。気楽に行こうぜ」

「はっ! 大法螺おおぼら吹きやがる。一人でどうこう出来る数じゃねえだろうが!」


 普通はそうなんだけどな。オレはちょっとばかり規格外に育ったから、嘘じゃ無いんだよなぁ。


「それより、オレはどう手伝えば良い?」

「あん? ……ああ、そうか。来たばかりなら、編成から漏れてるか。ちょっとこっち来い」


 禿げに連れられ、歩いて行く。そこに居たのは、先ほど演説をしていた青年だった。


「何だ? 作戦はもう始まってるぞ。早く持ち場に……」

「いえ、こいつがさっき来たばかりの新顔らしくてね。一応、めんを通しておこうと思いまして。お手数掛けてスミマセン」

「ん? 見ない顔だな。ランクはどれだ?」


 面倒なので、ギルドカードを出して提示する。

 傍の禿げがそれを見て、大声を出した。


「ランクA、だって!?」

「……何ィ?」


 青年が、オレに近寄って来てギルドカードを確認して来る。


「本当だ。……おい、お前。オレの警備をしろ」


 は? 何言ってるのか分からん。


「お断りします」

「断るんじゃ無い! 良いか、これは指揮官としての命令だ! 分かったら返事をして従え!」


 イラついた表情をして、こちらを睨んで来る青年。


「指揮官? 誰なの、こいつ」

「馬鹿! この方は、この町を治めるマルデ・ムーノウ子爵様だ!」


 禿げが情報をくれる。有能だな、この禿げ。


「分かったか! 小規模とは言えこの戦い、俺の命の危険が全く無いとは言えない。指揮官の命を守るのは最優先だ! だから、貴様のような戦闘力の高い奴に警備させるのは当然だ!」


 うーん、何だろ。俺様理論最善主義者?

 守りたくない、この命。

 オレは黙って首を横に振って、その場を後にしようとする。


「おい! 聞いてるのか!? 止まれ! ……コイツ、俺の命令を無視しやがって! 誰か、そいつを止めろ!」


 マルデの近くに居た二個小隊、10人の兵士たちが、小走りにしてオレの行く手を塞いでくる。


「何のつもりだ?」

「領主様の、指揮官の命令だ。従って貰おう」


 やれやれ。


「断る……」

「ッ!?」

「と言ったら?」


 明らかに緊張感を増した10人の兵士たち。その内何人かは、剣の柄に手を掛けていた。


「身柄を拘束させて貰うことになる」

「ハァ……」


 大袈裟に溜め息を吐いて、肩を竦める。


「自分の身を守ることに専念する指揮官に、命令を実行するだけの脳ミソ空っぽ兵士たち、か」

「貴っ様ぁ! 侮辱するか!」


 兵士の一人が、顔を真っ赤にして剣を抜いて来た。


「これからゴブリンたちと戦うってのに、人間同士で争うつもりか? 余裕だな。ランクAの実力、見せようか?」


 ランクAと言う言葉に、ハッとする兵士たち。


「ビフ、剣を納めろ。ここで争って、益は無い。何より、ランクAならば我々10人を倒すほどの力があっても不思議では無い」

「しかし……!」

「同士討ちで死にたいのかッ! それよりかは、せめて魔物に傷でも負わせて討ち死にでもした方が、幾分かマシだろうさ」


 ふむ。クズだけじゃ無いみたいだな。


「それじゃあ、オレは行っても?」

「……正直な所、困るがな。だが、同族で争うのは、魔物を打ち払ってからだ。今は行け」

「『行って下さい、お願いします』だろ?」


 茶化すようなオレの態度に、冷たい視線を向けて来る。


「今は見逃すだけだ。だが、魔物を倒してくれるなら味方だ。……町の人たちを助ける為、力を貸してくれ」


 東の門までの道を開けてくれた彼らに、後ろ向きで手を振って答えとした。




 東の門、すなわちオレがこの町に入って来た所だ。

 今は兵士が100人ほどと、30人弱の傭兵遊撃部隊がスタンバイしている。


「敵は目視で確認出来た! 後1時間ほどで攻めて来る! それまで、疲れないよう、各自その場で休め!」


 兵士の装備は、上半身皮鎧と、長めの槍。

 傭兵は各自違っているので種類だけは豊富だ。


「せめて、兵士にも弓があればなぁ」

「馬鹿! 簡単に弓矢が当たるようになる訳、無いだろ」

「わーってるよ! でもさ、1割くらい居ても良いじゃん、って思っちまうのは仕方ないだろォ?」


 傭兵の弓使いが、仲間に愚痴ってる。分からなくもない。だが、兵士の装備統一し過ぎと言うか……盾も無いのか?

 これじゃ、幾らゴブリン相手でも、死傷者が何人か出るのは避けられないぞ。勿論、オレを戦力から抜いて考えた場合だが。


 小一時間ほど経って、ゴブリンたちが表情まで分かる距離に近づいて来た。

 彼我の距離は100メートルほど、後少し引き付けてから、オレの魔法の出番かな。

 もうすぐ開戦なので、皆緊張しているようだ。

 50メートル、少し身体の大きなゴブリンが2匹居るのが分かる。

 30メートル。傭兵の弓使いが、先手を取って矢を放った。味方の弓使いは5人ほど居るのか? 手足に刺さったようで、その部分だけゴブリンの集団の進軍が、若干遅れる。

 20メートル、ヒャァ! 我慢出来ねぇ!


(『火よ、風よ。燃え盛る嵐と成りて焼き尽くせ。FireStorm【炎の嵐】』)


極大きょくだい獄炎魔法! ヘル・インフェルノ・ファイアー・バースト・ストリーム!!」


 無詠唱で、ゴブリン300匹ほどを包む巨大な【炎の嵐】を発動。適当な文言を言って、それっぽい魔法を放ったように見せ掛けた。

 ただのちょっとした遊び心。


「何ィ!? そんな魔法、聞いたことも見たことも……」

「見て! あれ、ゴブリンたちが……ッ!」

「凄い……まるで松の葉を燃やしたみたい!」

「何ぞコレェ! とんでもねーぞ、オイぃ!」

「ゴブリンが……燃えている……」


 兵士や傭兵たちが、オレの魔法に見惚みとれている。


「数十匹程度だが、巻き込まれなかったゴブリンが残って居るぞ! 気を引き締めろ!」

「お? 応!」

「分かった! ……皆、聞いたな? これから最低限の守りを残し、打って出る! 四班以外は突撃ィー!」

「「うぉぉぉぉおおおおおお!!」」


 ゴブリンの残りはおよそ70ほど。それに対し、100人近い人間が、攻勢に出た。

 ゴブリンの強さは、訓練した人間よりも大分弱い。とは言え、鉈でも持たせた一般人と良い勝負くらいはする。

 300近い燃えカスが転がる戦場に、散らばったゴブリンたち、それに群がる人間。

 どっちが野蛮なのか、今問われたら答えに窮するような光景が、目の前に広がっていた。

 形勢が絶望的だと判断したのか、ゴブリンが逃げ始める。執拗に追い掛け、魔法や弓矢で足を狙って機動力を削ごうとする傭兵ら。

 それでも数匹が逃げおおせ、追い付くことが困難だと諦めた兵士たちは、町へと戻って来た。


「皆、勝利だ! 俺たちは、勝ったぞー!」

「「おー!」」

「町を、守ったぞー!」

「「おー!!」」


 あちらこちらで、抱き締め合ったりして喜び合う姿が見掛けられた。


「お疲れ。……あの開幕の凄い魔法、お前さんだろ?」


 禿げの人が話し掛けて来た。


「まあな」

「そうか。……助かった。礼を言う」

「うむ。地面に額を擦り付けて、存分に礼の言葉を紡ぐが良い」

「……なんでそんな偉そうなんだよ」


 呆れた様子で、オレの髪の毛をグシャグシャに掻き回して来た。オイ馬鹿やめろ!


「まあ、本当にそうして欲しいなら、やっても構わんけどな」

「いや、別に良いや。禿げは特にお断りだ」

「禿げは関係なくねーか!?」


 憤慨しながら、自慢らしい禿げた頭を自分で撫でていた。




 さて。ゴブリンとの戦いはすぐに終わってしまったので、司令官の様子を見に行くことにした。

 相変わらず、10人の護衛に囲まれて居たので分かり易い。


「お。さっきのランクAの傭兵か!」


 向こうから声を掛けて来た。


「大層な活躍だったそうじゃないか! 良くやった! ……と言いたい所だが」


 ん? 何だか雲行きが怪しいぞ。


「先ほどの大魔法、威力は素晴らしかったが、折角のゴブリンの魔石まで、燃やし尽くしてしまったそうじゃないか」

「あん?」


 何が言いたい。


「ついては、本来得る筈だったゴブリンの魔石の分、損失を補填して貰いたい! ……幾らになる?」

「一つ大銅貨2枚として、400匹ですから……大銀貨8枚(16万円相当)になります」

「うむ! だそうだ」


 マルデ・ムーノウ子爵の問いに、傍の兵士の一人が答えた。

 何言ってるんだ、コイツ等。


「ちなみに、オレの働きに対する報酬は?」

「聞けば、貴様は正式な依頼を受けた訳では無いとか。それでは、こちらも正式な報酬は出せんなぁ」


 ニヤニヤしながら、とんでもないことを言って来る。


「報酬は出せない。だが賠償はしろ。ってことか?」

「理解出来たか。頭は悪くないようだな」


 ムカつく。

 けど、小金こがねに執着するコイツの器の小ささに、憐憫れんびんの情も湧いて来た。

 財布から小金貨1枚を取り出し、マルデの奴に投げつけてやる。


「何だ!? ふむ、金貨か。これは貰っても?」

「ああ、賠償として払う分だっけか? それで十分だろ。せめてもの餞別に、やるよ」

「ぐふふ。さすがランクA、この程度は払っても懐が痛くないか。もし良かったら……」

「オレはもうこの町を出る」


 何か言い掛けていたようだが、オレはそれを無視して東の門へときびすを返した。




 町を出ようとするオレに、休憩を取っていた兵士や傭兵たちは色めき立った。


「どう言うことだ!?」

「少しくらい休んで行った方が……」

「おい、今夜は宴会だぞ! 付き合えよ!」


 周りの煩い声を無視し、【拡声】の魔法を使って一方的に話した。内容は、司令官であるここの領主との、先ほどのやり取りについてだ。


「信じられねぇ!」

「マジで?」

「いや、俺はあの人はやると思うよ」

「領主様、マジ外道だからな」

「噂じゃ……」


 続いて、この町に再び脅威が迫っていること、出来る限り早くこの町から出て、東の方へ避難することを皆に勧めると、オレは飛行の魔法を使って、その場から飛び去った。

 後のことは知らない。敵対者にも救いの手を差し伸べるような、人格者じゃ無いからな。




 高度を上げたオレは、そのまま西の方角、ダ・ルナ王国の王都の方へと向かった。

 途中、何らかの集団が見えて来たので、高度と速度を下げて様子を窺ってみる。

 内容は、ゴブリン1,000弱と、オーク300弱、オーガ50強の軍勢だった。

 オークは豚面の亜人型の魔物で、身体の大きさも人のそれに近い。尤も、脂肪や筋肉は人間以上に付いており、戦いに向いている。

 ゴブリンは醜悪な顔をした小人で、人間の子ども程度の身体だ。

 オーガは鬼人と言うべき魔物であり、体格は大きめの人間くらいから3メートルほどの個体まで居て、怪力を誇る。

 ゴブリンなら並の兵士で1vs1で対処出来るが、オークは1vs3で何とか、オーガに至っては1vs10以上で無いとどうにも出来ないと、聞いたことがある。

 その軍勢が向かう先は、先ほどのムーノウ子爵領の町だろう。後3時間ほどで到着しそうだ。

 しかし、あんな所を守ってやる気はしなかった。

 罪の無い一般市民が巻き込まれるとしても、それはオレのせいじゃないし。

 憐れに思うなら、どうか正義の味方よ、あの町の人を助けてやってくれ。

 それに、あの領主は死なないとどうしようもないだろう。この時勢に、民を守ろうとする気概が感じられなかった。

 黄泉への渡り賃は、さっき渡しておいたしな。冥福を祈る。




 その後、王都に辿り着くも凄くショボかった。人口20万人いねーんじゃねーか?

 その中央広場の隅の木の下に、例の座標的魔石を埋め込み、ウェントの屋敷へと戻ることにした。






 ムーノウ子爵領の宿場町は、同日、魔物の襲撃を再度受けて壊滅。領主は死亡、半数近くの市民が死傷する事態になった。

 その襲撃の直前、何者かの情報提供により、市民の1/4程度と、傭兵のほとんど、兵士の幾人かは町を離れていた。

 それを受け、襲撃時にはまだ包囲されて居なかった東門から、逃げ出した市民が多くいたことを特記しておく。

 後日、同地域に宿場町を再建しようとする計画が持ち上がったが、難航したのは無理からぬことだろう。血塗られた地に、進んで住みたいと考えるものは、少ない。






高坂こうさかミツル 年齢:25

精神11 魔力1,421 (最大)魔力量222,116 拠点での就寝時回復魔力量約156,000

重力魔法3(2Up!)、念動魔法3(2Up!)、抽出魔法4(1Up!)、温度魔法3(2Up!)


重力魔法、念動魔法、温度魔法は、練度上昇を記述するのを忘れていたので、ついでに。

抽出魔法は、今回使いまくったので、練度上がりましたで候。


所持現金:8億2,931万円相当+Gold 10,846kg+(28億円+80億円)相当のファフレーン小金貨(予定)



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