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第十六話・追い人隠れ、魔王討伐を志す者、相棒の白刃に斃る


【第十六話・人隠びとかくれ、魔王討伐まおうとうばつこころざもの相棒あいぼう白刃はくじんたおる】



メロスは昼夜を駆けました。


自分が戻らなければドラムスのセリヌンティウスが死んでまう…。

なにが勇気が足りないだ。

バカにするのもいい加減にしろ。

自分の死に向かうことがなにが勇気がないだ!


…たしかに…

こんな世界だ。絶望している。

死に急いでいるといわれれば…。


メロスは足を止めました。


「そうかもしれない…。」


メロスは故郷の方を振り向きました。


「ん?」


振り向いたメロスに驚いたサロメはそっと物陰に隠れ…。


「にゃーー。」


「…なんだネコか…。」


んなわけあるか。

と読者の方々はそう思われるでしょう。

しかし、これは文字です。サロメの声態模写がどれほど優れているかが伝えられないのが残念です!(怒)

(なんで怒ったんだよ)


メロスは水筒に口をつけました。


「レダ…幸せになってくれ…。」


メロスはまた城のほうを見て、もう一度故郷の方を見ました。

フェイントでした。


ガサ。


っと、もう一度サロメは物陰に隠れなおしました。


「フルッフー。フルッフー。」


「…なんだキジか…。」


メロスは城を差して走り出しました。


「…ハトなんだけど…。」


サロメはその後を追って走り出しました。



その頃、キール一行は神託を信じて、魔王の城を目指しておりました。


キールとジンは幼なじみ。同村出身。

ウォッカは少し年上の近衛軍の騎士でした。

紅一点のラムは魔術師の村からキールに引っ付いて来たのでした。


キールもラムを憎からず思っていたものです。

しかし、仲間ですから恋愛は誰言うとなく禁止だったのです。


四人は仲良く道を横に並んで、楽しく談笑しながら進行しておりました。


「ん?」


にわかに空が暗転し、しだいに暗闇が広がりだしました。


「まだ夜には早いけど…。」


ウォッカは火打石を叩き、たいまつに火をつけました。

しかし、すぐにフッと消えてしまいました。


「これは…。」


暗闇につつまれ、仲間がどこにいるか分かりません。


「ふふふふふふ…。」


「誰?」


「ようこそ。闇の世界へ。」


「誰だ!」


ジンとウォッカは剣を抜きました。


「闇は私の世界。私は、魔王さま一の部下フォラス!」


「フォラスだと?最後の砦の将か??」


「…の部下のディサイドだ。」


キールはズッコケました。


「相手にとって不足!フォラスを連れてくるんだな!」


「そうかな?君たちはこの闇の中から抜けれまい…。」


ジンは声のする方に剣を振るいました!


「ぐぁ…!」


「今のは…ウォッカの声だ!」


「ふふふ…同士討ちとは見苦しい…。」


「すまん!ウォッカ!」


キールはウォッカの声の方に駆け寄りました。手探りで抱え起こし、回復呪文を唱えます。


「私に回復呪文をかけてどうするのかい?」


抱えた者から、またディサイドの声。

キールは剣を抜いて、抱えていた者に切りつけました!


「ぐわぁーーー!」


「う、ウォッカか!…なんてことを…。」


「おやおや。そっちじゃない。後ろだよ。」


そのまま、振り向きざまに大剣を振ります。重い手ごたえがあったので、力を入れて切り抜けました。


「キャー――!」


ラムの声でした。


「…キール。…キール…。…どうして…?」


ドサリとラムの崩れ落ちる二つの音。


「な、なんだ。どうした?キール…。ラムは…彼女は…??」


絶句して答えられないキール。


「……声が…ディサイドの声がしたんだ…。」


「だからって滅多矢鱈めったやたらに剣を振り回すな!ラム!大丈夫か!?」


ラムからの返事は…ありません…。


「キール!オマエ…ラムを殺したのか!?」


「そーだ。ジン…お前の想い人…ラムを殺したのはキールだ…。」


「くそぅ…!キール!」


ジンは涙を流しながら剣を握ります。



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