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単発まとめ

軍馬の勉強 ――騎士のランス突撃は可能だったのか?

作者: curuss

 というわけで馬の勉強、初級編!(苦笑)


 まず、『戦国時代は騎乗して戦わなかった』から詰めていきましょう!


 超簡単な分類で、馬というのは4種類に分類できるんだそうです。

 軽種、中間種、重種の三つとポニー!


 そして日本在来の馬は世界標準だとポニー扱いだとか。

 ポニーの定義は『成長しても体高147センチ以下な馬全般』らしく、それを超えた在来種がいないんだから納得する他ありません。


 でも、西洋人とか驚いたでしょう!

「なぜロード・信長はポニーに乗っているんだろう?」

 みたいに(苦笑)


 そして戦国時代に使われたのが木曽馬だそうで、これの平均体高が133(雌)と136センチ(雄)

 現代の我々が騎乗の横に立つと……下手したら当時の騎乗者より背が高い?


 乗り手が身長150センチで座高81センチと仮定(12歳男児を参照)。

 軍馬の雄雌には諸説ありますが、ここでは雄として136+81で217センチ!

(よく考えてみると……当時の人にしてみれば、67センチの台へ乗ったインパクトに相当)


 ……想像の数倍低い! 計算すると凄く酷かった!

 ただ、時折に2chで見かけるような――


「下手したら足がついた」


 は嘘でしょう。少し足の長さで見栄を張り過ぎ!


 さらに、どこかのテレビ番組が40kgの鎧を着て木曽馬に乗ってみたところ、その速度は20km/hだったとか。

 ……これを秒速へ直すと5.55m/s!

 50メートルに9秒かかる計算に!

 ちなみに各年代の50メートル走を調べますと9秒ぎりは――


 男の子は11歳、女の子でも12歳になると可能な数字!


 念を押しときますと、平均です。トップ記録じゃありません。

 つまり、戦国騎馬武者は――


 逃げ回る小学生6年生ですら捕まえられない


 となってしまいます。

 中学高校は、もっと速いですし!

(当時は発育が悪かったのを加味する必要はある)


 さらに参照した20km/hが全力だったら、かなり拙いです。

 なぜなら正真正銘に本当の全力疾走をさせてしまった場合、競走馬でも1~2分ほどで力尽きてしまうそうなんです。

 これは人間でいうところの短距離走の競技者が、ゴールしたら倒れ込むのにも似て……馬も一時的に止まるしかなくなります。

 仮に1分で(騎馬武者は重いため)力尽きたとして、秒速5.55m/sですから……移動可能な距離は333メートル!

 当時の布陣は100メートルほど空けていましたから、最前線から突撃かけて100メートル。

 敵陣についてから使える移動距離は233メートルしかありません。時間に直すと41秒!

 自陣へ戻るつもりなら、さらに100メートル減って……約24秒だけ!


 突撃かけて、24秒以内に戦果を挙げて、その後は自陣へ戻る


 ……これ無理じゃない?

 下手に41秒以上かかったら馬は力尽き、敵陣でスタックしてしまいます。


 活動時間を伸ばす用兵方法はいくらでもあるけれど……ひどく不自由なのは変わらないでしょう。

 そして、これなら――


「日本の武士は馬から降りて戦ったのだ」


 は事実だったとしか言いようがありません。

 その方が安全だろうし、捗るだろうし、強みも発揮できそうです。


 でも、正直なところ……あまり知りたくはなかった!

 それに有名な武田の騎馬軍団とか、意味不明なんですけど!?


 たしかに移動手段としては使えます。

 一度に移動できる時間は一分程度でしかなくとも、300メートル先へ急襲!

 ……走った方がマシかもしれなかろうと、疲労はしません!

 到着したら下馬し、疲れていない元・騎馬武者が暴れまわる!


 ……うん。無しじゃない。

 正直、微妙に感じたけど……当時の人がそうしてたんなら、少しは意味もあるはず。

 でも――


 代名詞となるほど驚異的かなぁ?

 本当に武田の騎馬軍団は凄かったの?

 いや、事実として武田は強かったんだろうけど……それ騎馬軍団以外が理由じゃない?

 もしかして――


 また時代小説の誇張?


 が、まあ……事実なら受け入れるしかありません。

 そして――


 ずっと騎兵は強いと信じていたけど……それも本当なのかなぁ?

 こりゃ何かの折に再勉強だな。知識の全てが当てにならない可能性すらある。


 なんて感想も。



 ここで、ちょっとだけ横へ。


「地球上でマラソンが一番速い動物は人間」


 という定説がありまして、作者もぼんやりと信じていたのですが――

 これ、ガセです。

 今回程度の浅い調査で、すぐに反証をつかめました。



人 短距離走 36km/h 長距離 16km/h (100kmを6:13)


馬 短距離走 75km/h 長距離 26km/h (100kmを3:49)


 人の短距離はオリンピック記録。馬の方は1ハロン(200メートル)を切り取った世界記録。

 馬の長距離は『エンデュランス馬術競技』という「馬を殺すことなく指定距離を走るレース」から。

 世界記録は不明ですが、トップレベルの騎手による優勝レコードです。

 人の方は100kmマラソンの世界記録。ただし、世界的にはマイナーなようで、競技者人口は少ない模様。



 以上のように、短距離でも長距離でも人類は勝ててません。

 長距離走で人が優位にあったのは――


 野生動物はそんなことしない


 からでしょう。

 実際のところは「長距離は上手く走るよう訓練しないと駄目だけど、本気になられたら人類に勝ち目はない」だったようです。

 ……他の動物と勝負するのなら、2メートル走の方が良いかも。

 あれなら霊長目の独壇場でしょう。チーターが相手でも勝てるそうですし、ライバルは他のサルだけ?(苦笑)



 話を馬へ戻しますと――


 まず軽種ですが、日本人にイメージしやすい部類でアラブ馬やサラブレットとなります。

 テレビでやっている競馬は、全部がこれです。作者のような一般人でも、実物を見ることができますね。

 が、これは即座に軍事利用は無理と判明。


 軽種全般の特徴なのか、とにかく足が細い!


 専門的な理由は不明ですが……ポニー扱いされる日本在来種ですら、もっと太い足をしてます。

 サラブレットは100kgの人間を乗せられなくもないけど、それで走るのは論外。

 ましてや整地でなく不整地――野外でなんて、飼育員さんが馬から引きずり下ろしにくるレベルだとか(苦笑)

 現実的な用途としては――


 斤量(馬に乗せる全部の重さを指す言葉だそうです)は75kg未満。

 なるべく不整地は避ける。


 となるそうです。

 つまり、軍事利用をするのなら「厳選された軽い体重の巧みな騎手が、伝令などの早馬で使う」でしょうか?

 とにかく速く走るという一点において、他の追随を許さないスペシャリストなのも事実ですから。

 ……まあ、ここは前々からの知識と変わりません。作者の常識も正しかったことに。



 次に中間種ですが、日本で実物を見るのならハーノバー種でしょうか?

 なんでも馬術の世界では80パーセントが、この種類だとか。

 つまり動画で馬術大会とか漁れば、映っているのはハーノバー種ということです。


 しかし、意外にもサラブレットの体高は160~170センチ(血統的な問題でブレ幅は小さい?)でハーノバー種は153~170センチと、背の高さは変わらないか小さいぐらい!


 ただ、一目瞭然で違いは判ります。

 ぶっといは言い過ぎでも……確実に強そうな脚!

 これが特徴でしょう!


 他に実物を見られる中間種だと、スタンダードブレッド種でしょうか?

 これは繋駕速歩競走というレースが現代にもあり、動画もけっこうありました! そして参考になります! 

 なぜなら――


 一人乗りの戦車みたいなのを轢いて競うから! まるでベンハーの世界!


 もう説得力の塊で――

「なるほど。『中間種で二頭立てにして、戦士と騎手の二人乗り』は有り得たし、十分に効果的でもあったのだろう」

 と思わせてくれます。

 専門的には『速歩』と呼ばれる、全力疾走の一段階下なそうですが……それでも速い!


 また近世のドラグーン――竜騎兵にも愛用されたそうです。

 これはレイピアやサーベル、ドラグーン・マスケット(火縄銃の一種)で武装し、騎乗したまま敵陣へ突撃する兵科で、ナポレオンやアメリカ独立戦争の時代に活躍しています。


 そして、ちょっとネタ元の精度は微妙なんですが……斤量120kgでもラフに走らせることが可能で、その速度も50km/hだったとか。


 しかし、斤量60kg前後なサラブレットのワールドレコードでも75km/hですから……50km/hは全力疾走である『襲歩』と思われます。

 『襲歩』は馬によっては1~2分。タフな個体でも長くて5分といいますから……突撃戦術は失敗すると大惨事だった可能性も!?


 当時の戦闘レンジは300メートルで、50km/sで300メートル走破にかかる時間は21秒!

 もちろん遠距離攻撃で狙われるでしょうけど、攻撃されるのは【(相手の人数÷自分達)/3-外れた攻撃】回……かな?(3で割ったのは、射撃レートが一分に一射として)

 死ぬこともあり得るし、無傷もあり得る? 選択肢としてあり?

 ……まあ、銃器の性能が上がれば、攻撃回数も掛け算へ変更されちゃいますけど。


 また、斤量120kgも絶妙です(苦笑)


 鞍は最新式の数百グラムから乗馬用で5kg、馬上生活者だったカウボーイ用なら10kgと結構な幅があります。

 当時は技術力も足りませんでしたし、馬上生活も視野に入れていたでしょうから、鞍だけで10kg。

 剣が一振り1~2kg。火縄銃系統は軽くても3kg。

 これにヘルメットや服、銃弾、最小限に切り詰めた非常用アイテムなどを考えて10kg(胸部装甲は時代が下ったら廃止されるので割愛)

 合計すると20kgで、100kgの大男が騎乗しようと戦闘可能です。


 ついでに座高算をすると平均体高161+81で242センチ!

 242-150で92センチだから……「地の利を得たぞ」もできてる?

 馬上からサーベル振り下ろすだけで脅威?


 また『襲歩』でなく『速歩』中心としても、繋駕速歩競走を見る限り結構な速度が出ていました。

 『速歩』なら連続一時間程度が可能なそうなので、斤量一杯でも30分は持つと思われます。この活動時間なら、戦闘にも耐えうるでしょう。

 それに人間の最高速度な36km/h以上でてれば、用は足りるはずです(これは我ながら、良い基準かも?)

 世界記録を目安とせずとも100メートル12秒きれれば、それでも?(30km/h)


 中国や中東では、この中間種が尊ばれたとも(これは話半分で。やや調査不足)

 また強くて速かった赤兎馬は、「中間種でも並外れて優れた個体だった」という説も目にしました。


 ………………うん?


 いや、そりゃドラグーンなら使いこなせたし、それ用の改良馬とすらいえるけど……中世騎士には無理じゃね?


 また、二人乗りは絶望的です。

 帯剣した軽鎧の騎手(体重68+10+2kg)と鞍(10kg)、武士の情けで体重40kgの姫君として――


「姫君! お手を!」


 なんてテンプレやろうとしたら、下手をしなくても馬がやばい!

 ヒロインの発育具合によっては、ほんの小さな障害を飛び越えただけで馬が廃棄処分コースに!?

 また斤量一杯以上では、絶対に追手も振りほどけません!


 そしてネット上に転がっているランス試合の画像や動画は、ほとんど全てが中間種のようですが……あり得ません!

 人間+試合用の鎧だけで120kgオーバーです。

 もうランスや盾すらNG!



 ……というより、だからこそ中間種を使った撮影では、本物の使用がNGだった可能性あります。

 ダミーでも結構な重さの鎧を着た人間を乗せ、さらにはランスでどつき合って、落馬すらあり得る?

 できることなら馬用の鎧も付けたい? これもダミーだから、そこまで重くないって?

「馬を殺す気か!」

 と持ち主から怒鳴られたと思います。


 

 しかし、中間種の機動性や航続距離(『エンデュランス馬術競技』は中間種の独壇場)、ギリギリ戦闘に耐えれる斤量……ナシとするには惜しいでしょう。

 軽装騎馬兵や伝令、弓騎馬兵など活用はあったと思われます。それぞれ史実にも存在してますし。

 ただ、重装兵は駄目。

 中間種に重装歩兵を乗せると、すぐに疲れてしまうか脚を折るかでしょう。



 つまり、中世の騎士は重種に乗っていたとなります!

 また、あちこちの情報から裏付けも! どうやら事実!



 そして軽く調べた結果、ペルシュロン種なら我々日本人に馴染みがあると判明!

 なぜなら北海道の『ばんえい競馬』で使われているから! あの重いソリを轢かせるあれです!

 というわけで『ばんえい競馬』の調査を! ついでに色々な重種も!


 ……なんだ、これ?

 世界最大級とか……ほぼほぼ『黒王号』か『松風』じゃないか!

 知識で知っているのと、映像もきちんと調べるのとでは大違いだなぁ……。


 そして『ばんえい競馬』も調べた結果、250~1000kgのソリを轢いて争われていたと判明。

 しかし、このソリがまた粗悪な感じで、足元もわざとレベルに濡れた砂。さすがのモンスター馬たちでも、歩くより遅く。

 ……パワーは申し分なさそうですが、やはり遅いのは致命的です。


 人より遅い場合、突っ込んできたら散開して逃げるが通じてしまいます

 さらに反転して追いつくことも可能に。

 つまり――


 突っ込んできたら、まず散開して逃げる。

 その後、騎馬の死角である左後方から追いかけて攻撃でもよいですし、何かフック的なもので騎手を引き摺り下ろすでもよいとなります。

 ……ようするに人より遅い騎馬なんて、後ろからハメ殺せば済む話でしょう。

 結局のところ――


『重種がどれだけ速く走れたか』


 に焦点があるように思えます。

 しかし、色々と調べるも空荷での速度情報や動画をサルベージできず!

 個人的には『騎士のランス突撃は実際に可能だった』が嬉しいものの、なかなか確証を発見できません。


 そんな中、凄いのを!


 『ばんえい競馬』へ出る前に、2歳の段階で能力検査というのをやるのですが……その映像で一頭だけ倍速!

 あまりに大差をつけられて、他の馬はやる気なくす始末!

 その馬は2歳チャンピオンのホクショウムゲンなようですが……約500kgのソリを轢きながら、200メートルを1分12秒で走破!(10km/h)

 これは可能性を感じさせます!

 特に上がり100メートルは、相当に好タイムだったような!?


 ………………いや、違うって!


 きちんとした数字で知りたいの!

 この重種の馬も『速歩』で30km/h以上だせる。

 もしくは『襲歩』でなら可能!

 それで中世の騎士は成立するんだから!

(もし騎士を乗せて『襲歩』が20km/h程度なら、ランス突撃も後世の創作だった疑いが!)

 

 しかし、この辺でギブアップ。

 探し方が悪いのか、重種の基本スペックは手に入りませんでした。

 でも――


 おそらく中間種の『襲歩』で50km/hは、超えられなかったでしょう。

(そもそもの特徴として重種は、馬の中だと足が遅い)

 しかし、それでも人間よりは速かったはずです。でなければ『逃げる』を武器に選択した草食動物として不完全すぎます。

 予想をすると最低でも36km/h、最高でも50km/h未満でしょうか?


 うーん……『襲歩』でこれだと……『速歩』で30km/hは厳しい……かな?


 基本的には走った人間(要選抜)の方が速い。

 でも、馬側が全力疾走すると逆転する。

 しかし、それは5分も持たない。


 これが作者なりの最終予想です!



 しかし、『ばんえい競馬』を観た限り、斤量で神経質にならないで良い気もします。

 重種は馬としては遅いようだけど、それは種としての性能に思えます。


 人間でいうと「筋肉もりもりマッチョマンだけど、そんなに足は速くない」な感じでしょうか?

 でも、このマッチョマン(体重100kg)は、砂場に置かれた100~150kgぐらいの岩を引っ張っていけます!

 しかも、200メートルの距離を1~2分で!

 このマッチョマンにとって鎧を着た騎士は、生後4ヵ月の乳幼児が3kgの服を着ている程度!

 肩車したところでマッチョマンの速度は、ほとんど変わらないでしょう。

 そして鈍足なパワー型の常として、手ぶらと軽い斤量とで、ほぼタイムが変わらないという(苦笑)

 ……でも、さすがに鉄の前掛け(馬用鎧)は重い?


 また、個体差もあったようです。

 重種ならどれでも実用に耐えれたかというと、そんなことはなかったそうで……グレードはあったらしいです。

 つまり――


 重装の騎士を乗せて戦闘機動ができ、突撃時には必要なだけの速さもだせ、重めの馬用鎧も苦にしない


 な軍馬は珍しかったとか。

 逆に考えると馬用鎧については、妥協も多かったのかもしれません。さすがに速度への悪影響も無視できなかったでしょうし。



 またペルシェロンの原種はフランス原産。

 8世紀ごろにアラブ系と交配して成立だそうですから、中世中期から存在したことになります。

(……なぜかアラブ系とかけています。似たような大きさだけど遅かった?)

 他にもヨーロッパを固め打ちするかのように原種の嵐!



 しかし、ここで全般的な馬下げの情報を。

 全種類で大きくなったのは、近代に入ってからなんだそうです。どの馬種も、おおよそ一回りから二回りは小さかったとか。


 ペルシェロン種だと――


 体高160~170センチ。大きな個体で2メートル超、一トン越えも珍しくない。


 ですが、これを90%で考えると――


 体高144~153センチ。大きな個体で180センチ超も。


 となります。

 ……144センチとかポニー扱いとなるけど、そうだったのかな?

 まあ、軍馬には大きな個体だけを厳選したんだと思われます。

 つまりは体高150~180センチぐらいで、現代の平均と同じぐらい?


 騎士なんて人口比0.6%程度しかいませんから、ギリギリ供給できる?

 優良個体だけ選別だから、厳しいは厳しい?

 まあ、高級スポーツカー並みとなるのも無理はありません。

 ただ増やすだけでなく、地道な品種改良の努力と運が必要みたいですし。



 ここで作者見直し。


「うーん……騎士がやっていたとされることは、ほぼ実現可能ぽい。ただし、映画などで観たものは、全て脳裏から叩き出す必要がある。あんな感じの馬じゃなくて……サイとか牛の方が近いし(苦笑) そして思っていた以上に遅い」


「速度差のミスマッチにつけ込む戦術取られたら、全然ダメかも。たとえば高機動騎馬弓兵とか。 ……うん? そういうの史実にいたような?」


「仮に重種が『速歩』で30km/hの場合、ランス突撃より前線で暴れまわってもらった方が助かるのだけれど……そうしなかったところをみれば、『速歩』維持では囲まれちゃって厳しかった? ……騎馬兵として、それはどうなんだろう?」


「これが正しい場合、騎士が突撃かけたら必ずフォローを入れないと駄目……かも? でないと特攻隊として、使い捨てることになりそうな? 独力では帰還も難しいみたいだし?」


 なんて感想を。



 でも、これからも安心して騎士に突撃をお願いできそうです。

 しかし、すぐに回収してあげる必要もあるようですし、同じ個体で連続突撃などは難しいと知っておくべきでしょう。

 なぜなら、おそらく仕切り直しはレアケース。投入してしまったら、その成否で勝つか負けるか決まるレベルだったはず。

 それぐらい重種で突撃は、融通が利かなそうに思えます。


 突撃大失敗。敵陣の打通すらできず。

 騎士達は最前線で囲まれて立ち往生。

 仕方なく退路&時間確保に予備兵力を救援として投入。

 結果、戦場はグダグダに。

 立て直しは至難で、もはや必死の情勢。


 ……なんて想定です。異論は山ほどあると思われます(苦笑)



 さらにヨーロッパ独特で専売特許とも予想できそうです。

 仮に全身甲冑を用意したところで、重種の軍馬もいなければ運用できません。

 しかし、重装騎兵の前提でなければ、重種の登用はナンセンスとなります。

 もしかしたら他の文化圏では、検討すらされてないかも?


 これは『ヨーロッパ以外で全身甲冑が作られなかった』という疑問の回答にも?



 とにかく――


・騎士は突撃できた!


・乗り手が全身甲冑を着てても平気な馬はいる!


・それどころかランス試合用の総重量50kg超でも可能!


・一応、馬用の鎧も着せられる。ただ、遅くなりすぎる懸念も


・どの場合でも一般的なイメージより遅い


 でしょうか?

 宿題的に重種が、最低でも『襲歩』で30km/h以上だせたことを確認です。

 『速歩』で30km/hなら、なおよし!(そして「もう少し積極的に戦えた」に変更)


 これをもって今回の結論とします。

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