出来損ないのメリーさんは俺に探し物を頼んだんだが
どうもm(*_ _)m
最後まで見てくれると嬉しいです。
「探し物...?」
「はい!探し物です!」
メリーさんは可愛いく、健気に返事を返す。
こういうのを見るといじめたくなるな、小学生のツンデレ男子みたいな、そんな感じ。
俺はポケットから携帯を取り出し、電話履歴を確認する、幸いメリーさんとの電話履歴は残っていた。
試しに電話をかけてみよう
「.........」
テレレレレレレレレレッ!!
テレレレレレレレレレッ!!
期待通りメリーさんの付近から着信音がする。
メリーはあたふたしながら手を耳にかざした、
いやいやいやてっきりスマホかガラケーとか思ってたけど!
まさかの手かよ!
ハイテク過ぎんだろ!
『へい!メリーです!』
やけにノリノリ!?「へい!」って何よ!?
『あ...あぁ...俺だ結希だ』
『結希さんですか...もう、遊ばないでくださいよーおこおこっ』
おこおこって...全然怒り感じられねぇよ...可愛いけど!
...しばらくして
「まぁ、話を戻そう、探し物だろ?何を探すんだ?」
「えっとですね、くまのぬいぐるみです、」
「ぬいぐるみ...か、」
「そうです、お気に入りのぬいぐるみで、お父さんに買ってもらったんです、そのぬいぐるみをここら辺の地帯で無くしてしまって...」
「そうだったのか」
「はい...死んだ身である私では警察に行っても親事やら何やらで心配されて大事になるんですよ...」
「それで、一番平穏である、一般市民を探して、偶然俺が当たったってことか...」
「そうなんです...」
「......まぁ、いいよ困ってるのを見過ごすなんてできないし、」
むしろこの子笑顔を守りたいくらいだ、
まさかメリーさんが可愛いとは思わなかったぜ
「いいんですか!?ありがとうございます!」
「おう、気にすんな...それでそのくまのぬいぐるみはどんな特徴だ?」
メリーさんはんー...と呟きながら頭を傾げながら考えていた。
「確か...片目眼帯...右腕に包帯巻いててメンヘラっぽいイメージです!」
「うん、ずいぶん過激なくまさんなこと!?」
むしろ特徴しかねぇな!?
「...そうだな...とりあえず見つけしたい連絡する、今日はもう、帰りな送っていくから」
「あと...そのことなんですが...」
すると唐突にメリーさんがもじもじと照れくさそうな表情をする、
「トイレか?」
「違いますよ!...もうー...今日泊めてくれませんか?」
「...............いいよ?」
「やっぱそうですよね...簡単に泊めて...って...え?」
「え?」
「え?」
俺とメリーさんは同時にきょとんとした。
「「............」」
しばしの沈黙が走る、
「いいんですか!?」
「いいよ?」
「襲ったりしませんか!?」
「いや、しねぇよ!?誰だと思ってんだよ!?」
「結希さん?」
「そうだけども!いやボケろよ!そこは!」
「言われても困りますよ〜」
「文脈的に困ってねぇだろ」
「きゃるるーん(≧▽≦)」
「きゃるるーんちゃうわ!何顔文字使ってんだよ!」
「注文多いです!メリーさんおこですよ!」
怒られた、実に怒ってるように見えないメリーさんでした。
「もうわかったからそのまま俺のベットで寝ろ」
呆れたように言うとメリーさんは俺から数距離感離れると体を震わせた
「え...私何されるの...?」
「襲われたいの?それとも俺を変態と思ってる?」
「この世に変態じゃない男子なんているんですか?」
「正論吐いたようなドヤ顔しないで!いやそうだけども!当たってるかもしれないけど!」
なんか認めたくなかったが半分当たってるよ...この子...
「俺は下で寝るから、お前はベッドで寝ろ」
「わかりました、決してベッドを覗かないでくださいね?」
「お前は鶴かよ」
そして今日、俺は久しぶりに寝袋を使って寝た。
いつ以来かな、小学校5年以来だっけ、
そんな事を考えながらも、メリーさんの静かな寝息を聞きながら眠気に襲われ、俺は目を閉じた。
翌朝、俺はまだ眠ったままのメリーさんをに朝ごはんを残してやり学校へ行った。
色々と不安だがあいつこの先泊まる宛がないのなら居候し続けるだろうな。
「おはよう、結希」
隣でノートと教科書を広げ書き続けていた少女が挨拶してきた。
セミロングの髪型に青のヘアピンがトレードマークの少女、
名前は時星 雨凛
最近親しくなった人、まぁ、理由は席が隣だからだけど、
「あぁ、おはよ」
いつもと変わらず、自分の席に座り、教科書類を机の中に入れる。
後は何もすることなく、SHRまで寝ていよう...
と、思っていた矢先、ポケットの中にいれていた携帯が振動していた。
「......はぁ......」
電話番号が文字化けしている、間違いなくメリーさんからだった。
「結希くん?電話...取らないの?」
隣の雨凛まで心配そうに問いかける。
俺は仕方なく電話をとった。
『......なんだ、用件がないなら切るぞ』
『私メリーさんです!朝ごはん食べましたよ!』
耳元で元気な声が響く
『あぁ、そうか』
『あの黄色い目玉みたいな奴おいしかったです!』
『目玉焼きな、うん、』
『それとスープも美味しかったです!なんか緑色の紙みたいなのと輪っかの辛くない緑色の唐辛子でしょうか?』
『緑色の紙っていうなワカメだ、それと輪っかはネギだ』
『あっ!あのスープはきっと雑草とか使った薬草スープですね!健康的な一品ですね...どうして苦い薬草達をあそこまで美味しく出来たのでしょうか...』
『おい、味噌汁を雑草やら薬草扱いすんな、』
『めだまやき...みそしる...わかめですか...ねぎですか...おおぉっわかりました!ありがとうございます!』
ブツッ
あ、切りやがった、こいつ結局用件なんだったんだよ、
「結城くん?な、なんの話してたの?」
「あ、いや、特に何でもない。最近従姉が家に来ててな」
「そうなんだ、大変そうね...」
「そうなんだよ、大変だ、人に急に電話して、家に押し掛けて、しかも深夜帯だぞ、挙句の果てにはぬいぐるみ探してくださいって俺は万事屋かよ、」
「ぬいぐるみ?」
「そ、ぬいぐるみ、大切な物らしいな」
「大切な物か......なら...私も放課後手伝おっか?」
天使だ、天使がいる、いや、女神か、
「崇めていい?」
あまりの感動に思ったことを口に出した。
「えっ...え!?いや、そんな、困ってる人がいたら助けるのが人でしょ?」
「いや、その心が十分嬉しすぎる」
雨凛は教科書類を机の中に入れ、早めに次の授業の準備をしていた。
「そ、そう...じゃあ放課後約束ね?」
「わかった、お願いする」
こうして俺は雨凛と一緒に探し物を探す約束をした。
────────
放課後
「ちなみに聞くけど.....結希君そのぬいぐるみの特徴は?」
特徴...確かあいつはくまさんに眼帯が付いてて、歩くの!しかも強いんだよ!とか言ってたな...
頭小学生かよ、
「ま、まぁ、眼帯してて、歩行するらしいぞ?」
「眼帯....歩く..変わったぬいぐるみね、おそらく歩くっても電池類が動力源なんでしょ」
......ですよね。
ちなみに今は、雨凛と俺の家の近くで色々と聞き込みをしている。
「ちょこっと回ってみたけどやっぱそう簡単に見つからないな」
「だったらその子も苦労してないんじゃない?」
「やっぱ聞き込みしかないかなぁ...」
「そうだよね...ってあれ?」
唐突に雨凛が歩くのを辞め、危うくぶつかりそうになった、
「っと、どうした?」
「あ、あれ...」
珍しく雨凛が声を震わせながら指を指した
「あれって......は?」
指を指した方向を見ると、30センチくらいのくまのぬいぐるみが...
眼帯をしているくまのぬいぐるみさんがこちらへ向かってゆっくり来るではないか、
「ね、ねぇ結希君...探し物ってきっとあれのことかな...?」
「ど、どうだろうな...」
ポムポムと空気の抜ける音をしながら歩行している、
「......」
「......」
「.........?やっ、若者よ、青春しとるかい?」
「「喋った!?」」
いやいやいやちょっと待って?しゃべる?聞いてないよ?メリーさん?
最後まで読んで頂きありがとうございます!
次も呼んでくれたら嬉しいです。