閑話・ティア視点
遅くなりました!
ですが遅くなった割に大して内容が濃くないです!
すいません!
私は時宮 雫。
高校1年生で麗しき女子高生である。
・・・・ごめん、麗しきは言い過ぎかも。
ま、まあ、そんなことは置いといて。
私は最近までとあるゲームのβテストをやっていたんだよ。
タイトルはInfinite possibility online。
その名のとおり、このゲームは無限の可能性を秘めている。
大袈裟だって?
いやいや、このゲームはとにかく選択肢が多いんだ。
だから組み合わせも自由。
つまり、Infinity。
選択肢は主に種族、スキル、ステータス値の3つ。
少ないと感じるかは人それぞれだけど、多分多いと思う。
でも、内容が他のゲームとは桁違いなんだよ!
種族は…正式版はわからないけど一応β版では最初のキャラクターエディットのときの種族決めで、人種、獣人種、亜人種、魔物種、それとランダムの計5種族から選べるようになってた。
ここから既に選択肢が他のゲームより多くて、他のゲームが、多くても3種類ぐらいなところをこのゲーム…IPOは5種類もの中から選ぶことができるんだ。
一応説明しておくと、
人種は、ステータスが平均的で、なんにでも挑戦できるけど器用貧乏になりやすい微妙な種族。
獣人種は・・・まあ、一言で言うならば脳筋種族。
人に、いろんな動物の耳とか尻尾生えたような外見が特徴。
スキルで、短時間だけ自分のモチーフの動物と人を混ぜ合わせたような外見になれる。比率は大体8:2ぐらい。
獣人はMPを犠牲にしたかのようにSTRが高い。
ほんと何でだろう・・・?
結果、超接近戦向きの種族。あ、でも、狐を除く。
ほら?狐はやっぱ知的じゃなきゃね?
亜人種はエルフとかドワーフとか半巨人とか妖精とか、人族ベースの、獣人と魔物種の人型を除く全部が含まれてるもうほんと、とにかくごちゃごちゃした種族!
なんでかって言うと、獣人の場合は動物から進化したという設定なのに対して、亜人は人が環境に適して進化したという設定になっているからだ。
だからこんなに亜人種は種類が多いのだ。
亜人族は獣人と同等といってもいいほどの、ステータスが必ずどれか特出しているというとてつもなくピーキーな種族だ。
エルフや妖精などは魔法関連に、ドワーフなどは筋力や鍛冶関連に、半巨人などは筋力やタフさ、などなど・・・。
魔物種はそのまんま、ファンタジー小説でよくある魔物のことを指してる。
魔物種は他種族と違い、種族欄にその種族名だけでなく『魔物種・〇〇』と表示され、〇〇の部分には例えば、有名どころでいうとゴブリンやコボルト、ドラゴンなどといった魔物の種類が入る。
この魔物の種類だけでも確認されてるだけで70種類を超えてるから驚いたんだよね。
自分が魔物になれるという面白いシステムだったらしいけど・・・私、種族違ったんだよなあ・・・
まあ、それはさておき。
魔物種になると、他の種族と比べると進化のペースが速い。
ペースが速い原因は簡単で、進化に必要なレベルが、他種族が初めて進化する際に必要なレベルが50レベルなのに対して、魔物種の場合は15レベルと異様に低いからだ。
因みに、その次は30、45、60、75とβの時は15刻みで進化していた。
あ、そうだ、【進化】っていうのは、今の自分の種族よりも上位種になることを指すよ。
掲示板では、元が亀の種族のくせに亀の一番の特徴といってもおかしくない甲羅を脱ぎ捨てて、もはや別の何かになっていたプレイヤーが話題となっていた。
あ。因みにレベルは75を超えてたよ。つまりβでのトップレベルのプレイヤーだね。
・・・こう聞くと魔物種が優遇されていて強そうとか思うかもしれないけど、はっきり言うと魔物種は弱い。
いや、正確に言うと、初めは弱い。
なぜなら、魔物種の最下位種はそこら辺に居るゴブリンレベルだから。
なんなら最初の町のスライムと大差ないか負けるレベルですらある。
だから魔物種は決して強種族などではない。
私の友人の二の舞にならないようにしないと・・・多分泣くよ?あれは。
まあ、友人はβテストの最後の方には、最下位種の蜥蜴から火蜥蜴、火炎蜥蜴、火亜竜、火炎竜、そしてとうとう火龍まで至っていたけどね。
・・・つまりは、魔物種は育つほどに強い種族、ということ。
ランダムは・・・ランダムで種族を決めること。
初期に選べる5種類以外にも、初期種族の上位種族で始まったり、初期種族5種ですらない、所謂レア種族になることもある。
ここまでが主な種族特徴かな。
そんな中、私はランダムを選んで、レア種族の【影人】になった。
影人は、STRとAGIが高く、VITとMAGが低い。
そして、種族スキルには〈影潜り〉〈影転移〉〈隠密〉があって、影潜りは、影に潜れるようになるけど、潜っていられる時間は最大5秒までで一回使うごとに最大MPの5%を使い、たとえ、潜ってすぐに出ても最大MPの5%を使ってしまう。
影転移は、影から影への転移が可能になる、なかなかに優秀なスキルだ。
でも、MP消費量が、たとえ短距離の移動でも無視出来ないほど多く、私の場合は戦いでは主に切り札として使っていた。
隠蔽は、透明になることはできないけど気配を隠すことができる。
気配を隠すと、例えば、隠密のレベル次第だけど、人の背後に立ってても気づかれなくなったり、奇襲がしやすくなったりとなかなかに便利なスキルだった。
このゲームは、スキルに関しても・・・いや、スキルこそ最大の選択肢だった。
スキルは一覧にできないほど無数に存在。
さらに上位スキルや派生スキルも多彩にあった。
しかも、複数のスキルが統合してより強力な上位のスキルに進化することもあって、殆どの人が何らかの自分だけのスキルというものをもっていた。
まさに『無限』ってわけだね。
そんな感じでβテストを終えたんだけど・・・遂に今日!
Infinite possibility online・・・略してIPOの正式版が運営開始するんだよ!
と、いうわけで早速始めます!
キャラネームはβと同じティア。
雫を英語にしただけだね。
種族はβからの引継ぎで、影人。
スキルは一つだけは、βから引き継ぐことができるからβで愛用してた隠蔽・・・の進化後の隠密。
スキルレベルも一緒に引き継げるから便利なんだよね。
ちなみにスキルレベルは、β版でのレベル最大値の、50まで上げきっていた。
自慢じゃないけど私って全プレイヤーの中でも上位陣だったんだ!
・・・すいません自慢ですね、はい。
残り9枠に入れるスキルは、剣術、体術、MP回復速度上昇、夜目、暗器、調合、植物鑑定、採取、鑑定。
名前の通りのスキルが多いね。
一応説明すると、
剣術は剣が使いやすくなって、技術って言うのを覚えることが出来るようになる。
あ、ちなみに技術っていうのは、スキルレベルが上がるごとに覚えた種類が増えていく、いわばスキルのスキルだ。
技術とは、使うことによって、剣を使ったことがない人でも技術次第では高威力の攻撃ができたり、3連撃や4連撃はたまたそれ以上の連続攻撃をすることが出来たりする便利なシステムだ。
カラクリは簡単で、技術名を言うことでシステムが、あらかじめコンピューターに入力された動きを再現するのだ。
ただ、これだと武術経験者にとってはかえって邪魔になるらしく、このシステムは設定でオフにすることも出来る。
あと、
体術は、剣術と同じで、徒手空拳の動きに補正がかかるようになる。
MP回復速度上昇、このスキルはMPの自然回復は1秒に1のところを3倍にしてくれる魔法職やMPをよく使う職業ではありがたいスキルだ。
夜目は、夜でも昼間のように見ることができるようになって、
暗器は明らかに服に入り切らない武器でもスキルレベル次第では収納できるようになるスキルだ。
調合は、そのままで、薬や毒薬を作ることができるようになる。
植物鑑定は植物の、採取するだけじゃわからない名前や効果を、鑑定することによって、わかるようになるスキルだ。
採取は、そのままで、いろんな素材アイテムを採取することができるようになる。
採取は採取スキルがなくても出来ることだけど、このスキルがあればスキルレベル次第で、高品質な素材を手に入れることができるようになったりする。
鑑定は、敵のレベルがわかったり、名前がわかったりするスキルだ。
こう聞くとなんだか地雷スキルのように感じるけど、実はスキルレベルが上がっていくと、相手のスキルがわかったり、スキルの隠れた効果がわかったりする便利スキルになる隠れ便利スキルなのだ。
あ、ちなみに、鑑定のスキルレベルが低いと鑑定に失敗することが多いよ。だから、みんな諦めて使わなくなるんだよね〜
と、まぁ、こんな感じなんだけど、そろそろ運営開始時間だね。
■◇■
「遂にサービス開始だ〜!」
つい叫んでしまった私は、近くにいて私の声を聞いてた数人からの変なものを見るような視線を感じとった…
……あっ。
うわ、どうしよ〜!
めちゃくちゃ恥ずかしい…
……ゴホンッ
…さてと、気持ちを切り替えていこう!
まずは何をしようかな?
とりあえず持ち物確認でもしておこうっと。
えーと、
持ち物はベータ版のときと大して変わらないね。
回復薬に武器に帰還の鈴!あとお金が3万1000G!
増えてるのは…ベータ特典の、ベータ版のときのお金の1割…私は3万Gだったよ。
あとは、モンスターの素材がいくつかって感じ!
武器を装備してっと。
準備は完了〜!
さてとっ。
ほんとに何からしようかな〜?
ベータ版で初めてしたことは…あっ!冒険者登録と訓練所での武器のチュートリアルだ!
じゃあ、早速行こう!
にしても…
なんだかNPCの動きがベータ版よりも良くなってる気がするなぁ…
気のせいかもしれないけど…
まぁ、良くなってて、悪いことはないよね!
…うん。ちゃんと冒険者ギルドに着いたね。
…というかベータ版と必ずしも同じ場所にあるとは限らないのになんにも考えずにここ来ちゃったなぁ…
同じでよかった…
「こんにちわ〜〜・・・ッ!?」
な、なななななんでか知らないけどいきなりおじさん達に睨まれた!?
え、なんで!?
ひぃ〜!
「・・・ふん、大したことねぇなぁ」
「ああこいつは、弱いな」
なんかバカにされた!?
なぜ!?
もう、途轍もなく怖いからさっさと登録して逃げよう!
■◇■
はぁっはぁっはぁっ…
あぁ…怖かった…
出来るだけ冒険者ギルドには行かないようにしよう…
あれじゃ誰も行かなくなるよ!
ほんっとーに、怖かった…
…さてっ!気を取り直して!
前から決めてたことをしようかな!
初心者の導きを!
次は出来るだけ内容を濃くするように心がけます!(早く投稿するとは言ってない)