一時の休息②
「中津、中津は、っと――――――――」
学校に到着し、中津を捜しているわけだが。「見つかんねえなあ……」
うーむ、どうしよう。…………あ、見つけた。
「あっ、お姉ちゃんっ」
「誰がお姉ちゃんですかっ!! って、先輩」
「よう、中津」
ナイス突っ込みだ。
「変なボケの振りしないでくださいっ。まあ、あんなわけわかんないボケを振るのは先輩くらいだと思いますけど」
「あっ、お姉ちゃんっっ」
「誰がお姉ちゃんですかっっ!! って、未央、なんでそんなボケを」
「喜助さんがやってるのを見て、私もやったら驚くかなあって」
「……はいはい驚きましたよ。それで、どうかしたの、未央?」
「えーとね、今日、ちょっと用事があるから
ご飯、一緒に食べれないって、伝えにきたんだよ」
「そう…………」
悄然とする中津。
「落ち込むな、中津よ。俺と一緒に飯を食おうじゃないか、さあ行こうっ、今すぐ行こうっっ」
「ちょっ、ちょっと。う、腕、引っ張らないでくださいっ」
「まあまあそう言うな――――――色々と訊きたいこともあるしな」
前半は大きく、後半は小さく。
「――――――わかりました」
「よし、なら行くぜ」
「――――って、腕を引っ張って良いってことじゃないですからねっ」
購買部へ行った後、屋上で食うとするか。
まずは、購買部へと向かった。
******
屋上のドアを開ける。開けたと同時に涼しい風が俺たちを迎える。
前方、右方、左方、上方……よし、誰もいねえな。
とりあえず――――――
「――――飯でも食うとするか」
「そうしましょう」
もぐ、もぐ、もぐ、と食事を進める。黙々と飯を食べる。
なんとなく、中津のお茶へと手を伸ばす。
「む――――――――」
ぱしっと手を弾かれる。
――む。ちょっとぐらい良いじゃねえか。一杯ぐらいはよ。
もう一度手を伸ばす――再び弾かれる。
もう一度、弾かれる――もう一度、弾かれる――もう一度もう一度――――
「もうっ」
中津が跳躍し、俺から離れる。
「ぬっ」
彼我の距離、三丈――――――約十メートル。俺ならば一瞬で踏み込める。
――――――臨戦は刹那、跳躍は弾指。
間合いを一瞬で詰め、中津のお茶へと手を伸ばす。
「くっ――――」
我不得茶――――中津は俺より迅く動いたのだ。
だが――――それで終わる俺ではない。
今度は茶を取ると見せかけ――――我抱擁汝、抱しめてや――――
「やめてくださいっ!!」
「ごほっっ!!」
は、入った。胸の正鵠に入った。間違いない、間違いない。
点で放たれた中津の蹴りは鳩尾を貫いたのだ。
「がっっ――――――――」
点であった痛みが廓大し、面へ。
「…………ふう。たーく、危ねえなあ」
孔開いたかと思ったじゃねぇか。
「危ないのはあなたですっっ!! お茶が欲しいのなら買ってくれば良いじゃないですか!!
お金も上げますから!!」
……ちがう、ちがう。
「ちがう、ちがうんだ……」
「何が違うんですかっ」
そうじゃない、そうじゃない……
「そうじゃ、そうじゃ、ないんだ……」
「だから、何がっ」
俺は、俺は……
「俺は、おまえの茶を奪って飲みたいんだよ…………!!」
「ただの嫌な人じゃないですかっっ!!」




