薔薇とバラ
薔薇とバラ
言葉と知能は 役に立って
けれど 知らなかったことを失う
バラと言えば赤で
バラと言えば香で
けれど あなたのものじゃない
誰かに 与えられたもの
薔薇と言えば絨毯
薔薇と言えば墓
薔薇と言えば妖精
薔薇は夢を食べるのです
人の夢を食べて 恥じらい
だから 赤い色をして
その夢を取られたくないから
棘をもっているのです
薔薇は夢を見る
紅い綺麗な夢を見る
甘い香りの夢を見る
誰かへの贈り物でもなく
薔薇はバラのまま
そこで静かに待っている