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図書館でお勉強会〜その1〜

今日はちひろと初デートをした。


いっぱい、いっぱい話をして本当に楽しかった。


ちひろを見送り終わった僕は自室で物思いに耽っていた。




ピピッ



ん?メール着信かな?



着信 神野 美鈴



ピピッ



着信 櫻井 ちひろ



んんっ?



ピピッ



着信 峯岸 里沙



んんんんんっ?



ほうほう。一度にメールが三通も………………



えーと……とりあえず、順に開いてみる。



From 神野 美鈴


『明日〜〜〜、市民図書館で勉強会しよ〜っ!!!!!!9時しゅーごうね。あと昼めし持ってこーい。』


図書館で……勉強会…かぁ。


………ちひろ(達)と…


ちょっと良いかも。なんて思った。



次は……ちぃからだ。



From 櫻井 ちひろ


『うわ〜〜ぁあぁ………美鈴がメール勝手にぃ………ごめん(。-人-。)予定、空いてないよね?』


確か明日は予定無かったような……………


次は峯岸からだ。


From 峯岸 里沙


『予定空いてたら来なよ〜〜〜!!!!!あ、ちひろめっちゃ楽しみにしてるよ(笑)隣でなんか妄想してるよ………………』


妄想って………


ちひろがそうしているのを想像出来なくて、苦笑する。


三人は学校でも塾でもずっと一緒で……少しだけ、羨ましいと思った。


えーと……この場合、三人に返信したらいいのかな?


〜〜〜〜♪


着信音が不意に鳴り出す。


うわっ……と、電話?



着信 櫻井 ちひろ



ちひろから…………


『はい』


即座に応答する。


『あ〜〜春香?えと……明日空いてる?』


『うわ〜なんかちひろにやけてるよ〜〜引くわ〜』


『声が聞けてめちゃ嬉しそうだね』



あーー。うん。ゴメン。


全部、聞こえてる。


『空いてる……けど?』


『本当!?じゃぁ、明日来られるかな?………あ………急に電話なんかして…迷惑だったよね?つい……有頂天になってて…ゴメン。』


彼女の声色が一気に下がってく。


『僕なら大丈夫だからさ、気にしないで?それに、声が聞けて嬉しかったし。また明日ね?』


『ぁ……私も…春香の声聞けて……うん。また明日。』


『春香ちん来れるってーーよかったねーー』


『よかったねーー』


『う……るさいなぁ……そりゃ…嬉しいけどさぁ……あ、春香…ごめんね?それじゃ、切るね。』


プツリ………


ちひろの少し恥じらった声色が僕を自然と笑顔にしていた。


優しく笑った僕は今までに見たことがない程。


《さぁ、勉強しないとね》


明日に備えて、受験に備えて。


僕にはまだやり残した事が沢山あるから。もう後悔したくないから。


恋も……勉強も……。


本当は、もっと前に彼女と仲良くなれてたらって思うんだ。


そうしたら……学校も少しは鮮やかに映っていたのかも知れない。


同じ学校に行けたらって思うけど、そうもいかないよね。



だからーーせめて、卒業までに彼女と過ごせる残された時間を僕は精一杯に生きるんだ。



ーもう、後悔はしない。



さぁーーやるぞ!!!



そして翌日。




ピピピピピピ


ん……るっさい……


ガバッ……。


僕は即座に起き上がる。


忘れてた……今日はちひろ達と…


嫌な汗が全身から滲み出る。


寝過ごしてないよね?


時刻はーー8:45ーー


えと……つまり……


8時45分?



うわわわ!!!ちっ、遅刻するっ


落ち着け、落ち着け自分。


幸いにも自宅から自転車で5分の所に図書館は立地している。


ギリギリ間に合う。


服を着替えて2分が経過


服?どうやって選んだか?


ちひろに会うからって予め準備しておいたんだよ!!!!!!


それから荷物を持って洗面所まで駆け込んで30秒


寝癖の酷い髪型に驚いて5秒


寝癖直して5分が経過する。


ご飯、どうしよ!?


ウィ〇ーがあった!!!


朝食に5秒


僕はそそくさと家を飛びだした。


何時もは必ず言う


「行ってきます」


を忘れるほどに。


自転車に跨がりひたすらに駆ける。


嗚呼、どうか神様遅刻だけはしませんようにーー


僕はただ天に祈った。

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