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聖女の仕事をサボったな

作者: 井上さん
掲載日:2026/04/17

名前を借りました。


名前の由来が分かった方、お仕事お疲れ様です

「プローブ!聖女の仕事をサボったな!」


 婚約者のリーマーが言った。


「何の事でしょうか?」


 私プローブは首を傾げた。


「とぼけるな!結界が弱くなった!お前のせいだ!」


 またリーマーが叫んだ。


「お前は聖女の仕事をサボり、このコントラに全部押し付けた!お前みたいな女とは婚約破棄だ!」


「そうですか」


「そうですかだと!?コントラに謝れ!」


 私の後ろに騎士エキスカが立った。


「俺が護衛としてついていたが、きちんと結界を張っていたぞ」


「う…嘘だ!そいつがサボったから結界は弱まったんだ!責任取れ!」


「それよりお前は、婚約者を護衛せず何をしていた?

護衛は婚約者の役目だろう?」


 この国では、結界を張る聖女を守る騎士は婚約者がなる。


昔から、長い間ペアを組んでいると、情が湧き恋に落ちる事が多かったらしい。

それなら最初から婚約してしまえ、と、言う事で、聖女の護衛は婚約者がなっている。

それか、聖女と婚約して護衛する。


 それなのに、私の婚約者リーマーは、聖女なりたてで婚約者がいなかった美人の侯爵令嬢コントラを勝手に護衛している。


「うるさい!コントラはまだ婚約者がいないから、ベテランの私が護衛しているのだ」


「規則を破ってまで、する事かな?まるで婚約者に死ねとでも言ってるみたいじゃないか」


 騎士エキスカが言うと


「お前がいるじゃないか」


 リーマーが笑いながら言った。


「婚約者が義務を果たさないから臨時だよ。…義務を果たさないなら、婚約解消したらどうかな?」


 エキスカは、冷たく言った。


「え?」


「それならコントラ様と一緒にいても文句は無いよ」


「そ…そうだな…分かった」


 そこで、婚約解消の書類を作成した。

私プローブとリーマーの婚約は解消された。


「これで、婚約解消された」


 ドヤ顔の元婚約者リーマー。


「俺達の婚約もしよう」


 リーマーとコントラは婚約の書類を作成した。


「これで婚約できたぞ」


「嬉しい!」


 リーマーとコントラは抱き合った。


「じゃあ、結界を張る場所の分担を決めよう」


 エキスカが言った。


「え?」


「今までは順に行っていたけど、分担したら、サボっているかすぐに分かるだろ?」


「そ…そこまでは…」


 リーマーとコントラは焦りだした。


「プローブ様が聖女の仕事をサボっていたとリーマーは断罪したな」


 エキスカは、まっすぐにリーマーとコントラを見た。


「断罪の正当性を証明してやるというのに断るなんておかしいな?」


 リーマーとコントラは目を逸らした。

目を逸らしたら、疚しいことがありますって宣言してるみたいだよ。


「そ…そんな事は無い。ただ、そこまでする事は無いかと…」


「こんな話を聞いたんだ」


 エキスカが言った。


「な…何だ?」


 今度は何を言われるのかと、不安そうな顔をするリーマーとコントラ。


「とある聖女の一行は、何故か沢山騎士を引き連れ、その騎士達は昼から酒を飲み、聖女と騎士の1人は、宿の部屋から一切出てこなかった、と」


「だ…誰の事かしら…?」


「それが、プローブなんじゃないか?」


 エキスカの言葉に、コントラとリーマーは顔を青褪めさせている。


「聖女と騎士が6人…コントラ様も、騎士を6人連れてますね」


「ぐ…偶然じゃない…?」


「そうだ…偶然だ」


「コントラ様が行く予定の場所だったのに?偶然だと?」


 エキスカは容赦無い。


「私はちゃんと結界を張ったわ!」


「そうだ!嘘をつくな!」


「コントラ様が行ったはずの場所が、毎回結界が張れていなくて、プローブ様が改めて張りに行っていたのをご存知無い?」


 エキスカの言葉に、リーマーもコントラも、目を丸くする。


「え?」


「は?」


 つまり、サボっているのは既にバレているって事に、やっと気付いたらしい。


「派遣費を貰いながら、結界を張っていない」 


 派遣費は、結界を張りに行く為の旅費とかだね。


結界を張ってないなら、それは、ただの旅行だね。


「コントラ様を派遣しても結界が張られてなくて、プローブ様を改めて派遣する…無駄だと思わないか?」


「違うわ!私は優秀なのよ!」


「違う!プローブがサボっていたんだ!」


 エキスカの言葉に、リーマーとコントラは慌てて叫ぶ。


「私は、プローブについて行って、結界を張るところを確認した」


 そこへ、隠れて聞いていた司教が現れて言った。

この教会で1番偉い人だ。


「「え!?」」


「では、次はコントラ様について行こう」


 司教の言葉に、挙動不審になるリーマーとコントラ。


「えっと…」


「それは…」


「何か問題でも?」


「…無いです」





 後日、司教がついて行って、コントラが結界を張るところを確認したが、全く結界を張れていなかった。


ずっとサボっていたから、力が衰えていたのだろう、と、司教が言った。


 リーマーもコントラも、コントラについていた騎士も、何度も派遣費を詐取していたので、牢に入れられた。



 私は、エキスカと婚約し、結界を張っている。


「これからは、ずっと貴方を守れるなんて…幸せです」


 エキスカが突然言ったので、私の脳内の某アイドルが「エンダー」と歌い出した。


…恋の始まりかな。


 エキスカは、リーマーと違って、優しくて、気が利いて、私を大切にしてくれる。


こんな人が婚約者だったら良かったな、と思っていた。

婚約破棄された時も助けてくれたし。


「エキスカが婚約者になってくれて嬉しい」


 私が言うとエキスカは


「あぁ…プローブ様…」


 私を抱きしめてきた。


「真摯に結界を張る貴方に惹かれていましたが、婚約者がいたから諦めていました…貴方を一生大切にします」


「ありがとう」


読んでいただきありがとうございます

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― 新着の感想 ―
サボっていた者達がサボりを断罪するには無理があるぞクズ騎士。 しかも堂々と豪遊していては弁解しようもない。
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