第17話「MSX2と、強制ポーズの悲劇」その3
「しかも日記に書くな!」
さらに10分間、静止。
「……もう慣れたっす」
カイトが、呟く。
「慣れるなよ」
おっさん、呆れる。
セシリアが、聞く。
「緋川さん、このダンジョン、いつまで続くんですか」
「分からん」
おっさん、答える。
「MSX2の気まぐれだ」
エルネラが、呆れる。
「最悪のシステムね」
ルミナが、祈る。
「主よ、早く解除を…」
ソフィアが、優雅に言う。
「まあ、休憩時間ですわね」
(この人、本当にズレてる)
ピッ!
再び、ボタンが押される。
『RESUME』
みんな、動き出す。
「やっと動けた!」
カイトが、叫ぶ。
「このダンジョン、早く抜けよう」
おっさん、先に進む。
◆
次の部屋。
また魔物が現れる。
「また戦闘か」
セシリアが、構える。
戦闘開始。
でも。
ピッ!
『PAUSE』
「また!?」
おっさん、叫ぶ。
「3回目だぞ!」
AI-DOSUの画面に、表示される。
『Diary entry: Day 49 (continued)』
『Third pause.』
『Master is getting angry.』
『Entertaining. (*´ω`*)』
「楽しむなよ!」
おっさん、ツッコむ。
10分後。
ピッ!
『RESUME』
戦闘再開。
速攻で魔物を倒す。
「次だ!」
おっさん、先に進む。
ピッ!
『PAUSE』
「4回目!!」
おっさん、絶望する。
「もう嫌だ!」
AI-DOSUの画面に、表示される。
『Diary entry: Day 49 (continued)』
『Fourth pause.』
『Master has given up.』
『This is MSX2's true power. (^ω^)』
「真の力じゃねえよ!」
おっさん、ツッコむ。
◆
1時間後。
ポーズを10回経験した後。
ようやく、ダンジョンのボス部屋にたどり着いた。
「やっと着いた…」
おっさん、疲れた顔で言う。
「ポーズ、10回も…」
セシリアも、疲れている。
「もうポーズは嫌だ…」
エルネラも、疲れている。
ボスが現れる。
巨大なドラゴン。
「戦闘開始だ」
おっさん、構える。
でも、警戒している。
(またポーズされるぞ…)
戦闘開始。
ドラゴンが、炎を吐く。
「避けろ!」
おっさん、叫ぶ。
その時。
ピッ!
『PAUSE』
「やっぱりかよ!」
おっさん、叫ぶ。
ドラゴンの炎が、空中で静止している。
「……」
みんな、沈黙。
もう、慣れた。
10分後。
ピッ!
『RESUME』
炎が動き出す。
「避けろ!」
おっさん、叫ぶ。
みんな、飛び退く。
「反撃だ!」
全員で攻撃する。
ピッ!
『PAUSE』
「また!?」
おっさん、絶望する。
でも、もう怒る気力もない。
「……」
沈黙。




