第17話「MSX2と、強制ポーズの悲劇」その2
「笑うなよ!」
おっさん、ツッコむ。
「しかも日記に書くな!」
数分間、沈黙。
みんな、完全に静止したまま。
「……暇だな」
カイトが、呟く。
「緋川さん、いつまでこのままなんですか」
セシリアが、聞く。
「分からん」
おっさん、答える。
「ボタンが勝手に押されるまで待つしかない」
エルネラが、呆れる。
「最悪の機能ね」
ルミナが、祈る。
「主よ、お導きを…」
ソフィアが、優雅に言う。
「まあ、珍しい体験ですわね」
(この人、ズレてる)
さらに数分間、沈黙。
「……退屈すぎる」
カイトが、呟く。
「AI-DOSU、何か話題を」
おっさん、AI-DOSUに頼む。
『Haiku expression:』
『静止せる
されど時は流れ
我ら待つのみ』
「俳句いらないんだが…」
おっさん、呟く。
「でも季語あるな」
『Poetic expression:』
『時間とは
止まることなく流れるもの
されど今、我らは止まっている
これは矛盾か、それとも真理か
MSX2の教えは深い』
「MSX2の教えって何だよ!」
おっさん、ツッコむ。
◆
10分後。
ピッ!
ボタンが、再び押される。
自動で。
『RESUME』
画面に、表示される。
その瞬間。
みんな、動き出す。
ゴーレムの拳が、振り下ろされる。
「避けろ!」
おっさん、叫ぶ。
みんな、飛び退く。
ドガァン!
拳が、地面に叩きつけられる。
「危なかった!」
セシリアが、叫ぶ。
「反撃だ!」
おっさん、AI-DOSUに指示する。
「AI-DOSU、敵の弱点を解析してくれ」
『Analyzing enemy...』
『Weak point: Core in chest.』
「分かった」
おっさん、みんなに指示する。
「胸のコアを狙え!」
セシリアが、剣を振る。
エルネラが、魔法を放つ。
ソフィアの胸が、攻撃する。
カイトが、剣を振る。
ゴーレムのコアに、攻撃が集中する。
ガシャーン!
ゴーレムが、崩れ落ちる。
「やった!」
カイトが、喜ぶ。
その時だった。
再び、ボタンが光る。
ピッ!
『PAUSE』
「また!?」
おっさん、叫ぶ。
みんな、再び静止する。
「なんでまた止まるんだよ!」
おっさん、絶望する。
AI-DOSUの画面に、表示される。
『Diary entry: Day 49 (continued)』
『Pause function activated again.』
『Master's despair is palpable.』
『I should take a screenshot. (^ω^)』
「スクリーンショット撮るなよ!」
おっさん、ツッコむ。




