第17話「MSX2と、強制ポーズの悲劇」その1
★♡ロシステムズは、新たなダンジョンに来ていた。
『MSX2の迷宮』
「MSX2…」
おっさん、震える。
「懐かしい名前だな」
「MSX2って何っすか?」
カイトが、聞く。
「昔のパソコンだ」
おっさん、答える。
「ゲームに特化していた」
「へー」
カイトが、感心する。
迷宮の入口に、看板がある。
『MSX2システムが稼働中』
『注意:強制ポーズ機能あり』
「強制ポーズ?」
セシリアが、聞く。
「MSX2には、STOPボタンがあった」
おっさん、説明する。
「ゲーム中でも、いつでもポーズできる機能だ」
「便利ですね」
ルミナが、言う。
「便利だが…」
おっさん、少し不安そうに言う。
「このダンジョンで発動したら、厄介だな」
AI-DOSUの画面に、表示される。
『Diary entry: Day 49』
『Entered MSX2 dungeon.』
『Master looks nervous.』
『This will be interesting. (^ω^)』
「面白がるなよ!」
おっさん、ツッコむ。
◆
迷宮の奥に進む。
すると、大きな部屋にたどり着いた。
「魔物だ!」
カイトが、叫ぶ。
巨大なゴーレムが現れる。
「戦闘開始だ!」
おっさん、構える。
セシリアが、剣を抜く。
エルネラが、魔法を詠唱する。
ルミナが、回復魔法の準備をする。
ソフィアの胸が、浮遊する。
カイトが、剣を構える。
戦闘が始まる。
ゴーレムが、拳を振り上げる。
「避けろ!」
おっさん、叫ぶ。
その時だった。
壁のボタンが、光る。
「STOP」と書かれたボタン。
ピッ!
ボタンが押される。
誰も触れていないのに。
その瞬間。
『PAUSE』
画面に、表示される。
「!?」
みんな、動きを止める。
ゴーレムの拳が、空中で停止している。
セシリアの剣が、空中で停止している。
エルネラの魔法が、空中で停止している。
全員、完全に静止。
「……動けない」
おっさん、呟く。
でも、意識はある。
喋ることもできる。
「なんで今ポーズするんだよ!」
おっさん、叫ぶ。
「敵の攻撃中だぞ!」
AI-DOSUの画面だけが、動いている。
『Forced pause function activated.』
『This is MSX2 specification.』
「仕様なのかよ!」
おっさん、ツッコむ。
「AI-DOSU、解除してくれ!」
『Negative.』
『Pause button must be pressed again to resume.』
「ボタンを押せばいいのか!」
おっさん、ボタンを見る。
でも、遠い。
約10メートル先。
「……動けないから押せない」
おっさん、絶望する。
AI-DOSUの画面に、表示される。
『Diary entry: Day 49 (continued)』
『Master is frozen in mid-battle.』
『Enemy's fist is frozen in mid-air.』
『This is very funny. (^ω^)』




