第15話「ROMカセットと、フーフーの儀式」その1
★♡ロシステムズは、新たな依頼を受けた。
『古代遺跡の探索』
『報酬:金貨200枚』
古代遺跡。
暗い。
すごく暗い。
「気をつけてくださいね」
ルミナが、言う。
「ああ」
おっさん、頷く。
遺跡の奥に進む。
すると、大きな部屋にたどり着いた。
「なんだこれ」
カイトが、壁を見る。
壁に、四角い穴が2つ並んでいる。
約13cm × 13cm。
横並び。
「これは…」
おっさん、震える。
「震えが止まらん」
「どうしたんすか?」
カイトが、聞く。
「これは『ダブルスロット』だ」
おっさん、答える。
「ダブルスロット?」
「ああ」
おっさん、説明する。
「MSX2の機能だ」
「2つのスロットに、ROMカセットを挿入できる」
「なんだかわからないっすけど、すごそうっすね」
カイトが、首を傾げる。
その時、AI-DOSUの画面に表示される。
『Diary entry: Day 47』
『Discovered dual slot system.』
『Master is excited. His hands are shaking.』
『This is the first time I've seen Master this happy.』
「日記つけるなよ!」
おっさん、ツッコむ。
「しかも読めるようになってるじゃないか!」
セシリアが、聞く。
「緋川さん、日記?」
「AI-DOSUが勝手につけてるんだ」
おっさん、答える。
エルネラも、興味を持つ。
「どんな日記?」
「……見ないでくれ」
おっさん、恥ずかしそうに言う。
(48歳のおっさん、恥ずかしいんだよ)
◆
部屋を探索すると。
床に、四角いカセットが落ちていた。
「これは…」
おっさん、カセットを拾う。
黒いプラスチック。
端子が見える。
「ROMカセット!」
おっさん、感動する。
「伝説の聖遺物(ROMカセット)だ!」
「カセット?」
カイトが、見る。
「ROM? CD-ROMのことっすか?」
「違う」
おっさん、説明する。
「『ROMカセット』だ」
「ロード時間ゼロのオーパーツだ」
「すごいんすね」
カイトが、感心する。
おっさん、カセットをスロット1に挿入する。
ガチャリ。
入った。
でも。
反応がない。
「あれ?」
おっさん、画面を見る。
『No response.』
「反応しない…」
おっさん、困惑する。
カイトが、言う。
「動かないっすよ」
「おかしいな」
おっさん、カセットを抜く。
そして、見る。
端子部分を。
「……汚れてるな」
おっさん、呟く。
「汚れてるんすか?」
カイトが、聞く。
「ああ」
おっさん、カセットの端子を見せる。
「ここが汚れてると、接触不良を起こす」
「どうするんすか?」
「……素人が」
おっさん、真剣な顔で言う。
「これだから『光学メディア世代』は困る」
「え?」
カイトが、困惑する。




