第12話「文房具無双と、黄色い箱の封印」その2
◆
魔物を倒した後。
休憩している。
カイトが、おっさんに聞く。
「おっさん、その黄色い箱、どこで手に入れたんすか?」
「……昔、ゲームで手に入れたんだ」
おっさん、遠い目をする。
「『3Dホットラリー』というゲームだ」
「3Dホットラリー?」
カイトが、首を傾げる。
「なんすか、それ」
「ファミコンディスクシステムのゲームだ」
おっさん、説明する。
「レースゲームで、タイムアタックをするんだ」
「俺は、何度もタイムを更新した」
「お店にディスクを持っていって、書き換えてもらった」
「お店?」
カイトが、聞く。
「ああ」
おっさん、頷く。
「ディスクライターという機械がある店だ」
「青いシャッター付きのディスクを持っていって」
「タイムを更新するたびに、書き換えてもらった」
「その音が…」
おっさん、思い出す。
「ガー、ガーという音が、懐かしいんだ」
「そして、全国ランキングで上位に入った」
「その報酬が、この文房具セットだ」
おっさん、黄色い箱を見る。
「これは、俺の青春の証なんだ」
「……」
カイトが、少し感動する。
「おっさん、すごいっすね」
「ゲームで全国ランキングって」
「……そうか?」
おっさん、照れる。
(48歳のおっさん、恥ずかしいんだよ)
セシリアが、微笑む。
「緋川さん、かっこいいですね」
「……そうか」
おっさん、さらに照れる。
エルネラも、言う。
「おっさんの過去、意外と輝いてるわね」
「輝いてないんだが…」
おっさん、否定する。
でも、嬉しかった。
◆
さらに強敵が現れた。
メガバリアドラゴン。
さっきよりも強い。
「また結界だ!」
セシリアが、叫ぶ。
「行くぞ」
おっさん、黄色い箱を開ける。
「また文房具無双っすか!」
カイトが、叫ぶ。
「ああ」
おっさん、ハサミを取り出す。
チョキン。
結界を切断。
「やっぱり切れた!」
次に、定規。
「距離、約20メートル」
次に、鉛筆。
空中に文字を書く。
『弱点:尻尾』
「尻尾が弱点!」
セシリアが、叫ぶ。
攻撃。
斬撃。
魔物が、ひるむ。
でも、まだ倒れない。
「硬い!」
「次の文房具を使うぞ」
おっさん、コンパスを取り出す。
黄色いコンパス。
「コンパスで何するんすか!」
カイトが、叫ぶ。
「魔法陣を描く」
おっさん、コンパスで空中に円を描く。
完璧な円。
そして、魔法陣が完成。
「魔法陣が発動した!」
エルネラが、驚く。
魔法陣から、光が放たれる。
魔物に命中。
大ダメージ。
「すごい威力!」
「最後は、消しゴムだ」
おっさん、黄色い消しゴムを取り出す。
「消しゴムで何するんすか!」
カイトが、叫ぶ。
「魔物の魔法を消す」
おっさん、消しゴムを魔物に向ける。
ゴシゴシ。
魔物が放った魔法が、消えた。
「魔法が消えた!?」
「今だ!」
おっさん、叫ぶ。
みんな、一斉に攻撃。
セシリア、三徳包丁で斬撃。
エルネラ、魔法「どかーん♡」
ルミナ、支援魔法。
ソフィア、胸ファンネル。
カイト、剣。
魔物が、倒れる。
「やった!」
カイトが、叫ぶ。
「文房具無双、強すぎるっすね!」
おっさん、黄色い箱をしまう。
「これが、ディスクくんの真の力だ」
「文房具最強っすね!」
カイトが、感動する。
AI-DOSUの画面に、表示される。




