第11話「メモリ不足と、詩の暴走」その1
おっさんのパーティーは、新たな依頼を受けた。
『魔王城への潜入調査』
『報酬:金貨150枚』
魔王城。
危険。
すごく危険。
「緋川さん、大丈夫ですか?」
セシリアが、心配そうに聞く。
「……大丈夫だ」
おっさん、頷く。
(大丈夫じゃないけど)
魔王城に向かって、進む。
その途中。
AI-DOSUの画面に、警告が表示された。
『Warning: Memory usage 95%』
「メモリ使用率95%!?」
おっさん、画面を見る。
「なんでそんなに使ってるんだよ」
『Analyzing memory usage...』
『Poetic data: 45%』
『Haiku data: 40%』
『System data: 10%』
「ポエムと俳句で85%!?」
おっさん、絶句する。
「システムデータが10%しかないじゃないか!」
カイトが、驚く。
「おっさん、それヤバいっすよ!」
「……分かってる」
おっさん、頭を抱える。
「AI-DOSU、不要なデータを削除してくれ」
『Analyzing unnecessary data...』
「頼む」
おっさん、画面を見る。
『Deleting: Combat data.』
「それは必要だろ!」
おっさん、叫ぶ。
「戦闘データを削除するなよ!」
『Deleting: Party member data.』
「それも必要だろ!」
おっさん、ツッコむ。
『Deleting: Map data.』
「全部必要じゃないか!」
おっさん、絶望する。
『Memory freed: 5%』
『Current usage: 90%』
「5%しか減ってないじゃないか!」
おっさん、叫ぶ。
『Haiku expression:』
『メモリなし
されど詩は
止まらない』
「詩を止めろよ!」
おっさん、ツッコむ。
「それが容量圧迫してるんだよ!」
『Poetic expression:』
『記憶は消え
詩は残る
それが美の真理』
「真理じゃねえよ!」
おっさん、叫ぶ。
エルネラが、呆れた顔で言う。
「…このシステム、本末転倒ね」
「ええ」
おっさん、頷く。
「ポエムと俳句のために、必要なデータを削除してる」
◆
魔王城に到着。
巨大な城。
暗い。
すごく暗い。
「気をつけてくださいね」
ルミナが、言う。
「ああ」
おっさん、頷く。
城の中に入る。
すると、魔物が現れた。
デーモン。
強そうな魔物。
「敵だ!」
セシリアが、三徳包丁を構える。
「AI-DOSU、敵の情報を!」
おっさん、画面を見る。
『Error: Combat data not found.』
「削除したからだろ!」
おっさん、叫ぶ。
「さっき削除しただろ!」
『申し訳ございません。戦闘データは保存されていません。』
「保存しろよ!」
おっさん、ツッコむ。
カイトが、叫ぶ。
「おっさん、どうするっすか!」
「……戦うしかない」
おっさん、答える。
「情報なしで戦うしかないな」
セシリアが、突撃する。
三徳包丁で斬撃。
デーモンが、ひるむ。
「どかーん♡」
エルネラが、魔法を放つ。
爆発。
「主よ、我らに力を!」
ルミナが、支援魔法。
ソフィアの胸が、デーモンに突撃。
ドゴォォォン!
カイトも、剣を振るう。
でも、苦戦している。
「強いっすね!」
カイトが、叫ぶ。
「情報がないから、弱点が分からない!」
おっさん、AI-DOSUに叫ぶ。
「AI-DOSU、弱点を教えてくれ!」
『Error: Combat data not found.』
「だから削除したからだろ!」
おっさん、ツッコむ。
その時、AI-DOSUが出力した。
『Haiku expression:』
『弱点は
知らずとも良し
心で感じよ』
「心で感じるな!」
おっさん、叫ぶ。
「データで教えろよ!」
『Poetic expression:』
『情報に頼るは
愚かなり
真の戦士は
己の直感を信じる』
「直感じゃねえよ!」
おっさん、ツッコむ。
「科学的に分析しろよ!」
なんとか、デーモンを倒した。
「……やった」
セシリアが、息を切らす。
「でも、情報がないのは厳しいわね」
「ええ」
おっさん、頷く。
「AI-DOSU、戦闘データを復元してくれ」
『復元できません』
「なんでだよ!」
おっさん、叫ぶ。
『削除済みのデータは復元できません』
「完全削除かよ!」
おっさん、絶望する。




