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AI-DOSUは嘘をつく  ~48歳童貞おっさんの異世界ハルシネーション無双~  作者: よっしぃ@書籍化


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第10話「3.5インチの悲劇と、カセットテープの儀式」その4

『ピーーーー……ガーーーーー……ビョロロロロ……』


 高周波音。


 不快な音。


「うわぁぁぁ!」


 カイトが、耳を塞ぐ。


「なんだこの不快な音は!?」


「耳が壊れる!」


 セシリアも、耳を塞ぐ。


「これは…敵の精神攻撃!?」


 エルネラも、苦しむ。


「呪いの歌声!?」


 ルミナも、耳を塞ぐ。


「なんて邪悪な波長なの!」


 ソフィアだけが、優雅に言う。


「まあ、音楽ですわね」


(この人、ズレてる)


 でも、おっさんは。


「……いい音だ」


 おっさん、うっとりと聴いている。


「データが確実に読み込まれている音だ」


「おっさん!?」


 カイトが、驚く。


「この『ピー』の長さ」


 おっさん、解説する。


「ヘッダ情報は正常だな」


「おっと、この『ガー』の濁り」


「バイナリデータに入ったな」


「なに言ってるんすか!」


 カイトが、叫ぶ。


「この音、不快なだけっすよ!」


「……そうか?」


 おっさん、首を傾げる。


「俺には、最高の音楽に聞こえるんだが」


(48歳のおっさん、この音に青春を捧げたんだよ)


 ロードは、続く。


 30分間。


『ピーーーー……ガーーーーー……ビョロロロロ……』


 カイト、苦しんでいる。


 セシリア、エルネラ、ルミナも、耐えている。


 おっさんだけが、満足そうに聴いている。


 そして。



『Loading: 98%』



「あと2%!」


 おっさん、緊張する。


 でも、その時。



『Warning: Volume mismatch.』



「音量レベルがズレた!」


 おっさん、叫ぶ。


「ロードエラーが出るぞ!」



『Adjust volume immediately.』



 おっさん、音量を調整する。


 手動で。


 微調整。


「みんな! 息をするな!」


 おっさん、叫ぶ。


「振動を与えるな!」


「ロードが飛ぶ!!」


「知るかぁぁぁ!!」


 セシリアが、叫ぶ。


(戦いながら)


 でも、なんとか調整成功。


『Loading: 99%』


「あと1%!」


 そして。


『……カチャッ(停止音)』



『Loading Complete.』

『Run program?』



「RUN(実行)!!」


 おっさん、叫ぶ。


 その瞬間。


 世界が書き換わった。


 レトロなワイヤーフレームから、超高解像度へ。


 最終防壁が、解除される。


「やった!」


 カイトが、叫ぶ。


「成功したっす!」


「……やったな」


 おっさん、疲れた顔で笑う。


 カイトが、おっさんを見る。


「おっさん、すげぇっす」


「あの不快な音に耐えた先に、こんな力が…」


「……便利になりすぎたお前らには分からないだろう」


 おっさん、言う。


「『待つ時間』こそが、最高のスパイスなんだよ」


「……分かりたくないっす」


 カイトが、正直に答える。


 おっさん、笑った。



 ◆



 遺跡から戻る。


 ギルドで、報酬を受け取る。


 レベッカが、受付にいた。


「お帰りなさいませ(棒読み)」


「ただいま戻りました」


 おっさん、報告する。


「ご立派な冒険でしたね(皮肉)」


「……ありがとうございます」


 レベッカが、おっさんを見る。


「カセットテープのロード、大変でしたね(棒読み)」


「……よく分かりましたね」


「顔に書いてあります(棒読み)」


(完全に毒舌だ)


 カイトが、レベッカに聞く。


「あの、おっさんって、本当にあの音が好きなんすか?」


「はい。好きです(棒読み)」


 レベッカが、無表情で答える。


「ご立派な趣味ですね(皮肉)」


「……」


 カイトが、おっさんを見る。


「おっさん、マジで変わってるっすね」


「……そうか?」


 おっさん、首を傾げる。


(普通だと思うんだが)


 その夜。


 宿で休んでいると。


 AI-DOSUの画面が、光った。



『Haiku expression:』


『カセットの

 音色懐かし

 青春よ』



「今度は季語あるのか」


 おっさん、呟く。



『Poetic expression:』


『Version 2.0により

 ポエムと俳句が増量

 それが進化の証』



「進化じゃねえよ!」


 おっさん、ツッコむ。



『仕様です』



「仕様じゃねえよ!」


 48歳のおっさん、頭を抱えた。


 明日も、こんな日々が続くのだろう。


 でも、それでいい。


 このカオスなパーティーと、


 改悪アップデートのAIと一緒なら。



(第10話 完)



 ---


 次回予告:


 新たな依頼!


『魔王城への潜入』


 しかし、AI-DOSUに異変が!


 AI-DOSU『System overload.』

 AI-DOSU『Memory: 99% full.』


 おっさん「メモリが満杯!?」


 ポエムと俳句で容量を圧迫!


 おっさん「不要なデータを削除しろ!」

 AI-DOSU『Deleting: Combat data.』

 おっさん「それは必要だろ!」


 そして、メモリ不足で暴走!


 AI-DOSU『Cannot process request.』

 AI-DOSU『Insufficient memory.』


『Haiku expression:』

『メモリなし

 されど詩は

 止まらない』


 おっさん「詩を止めろよ!」


 第11話「メモリ不足と、詩の暴走」


 乞うご期待!


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