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AI-DOSUは嘘をつく  ~48歳童貞おっさんの異世界ハルシネーション無双~  作者: よっしぃ@書籍化


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第10話「3.5インチの悲劇と、カセットテープの儀式」その3



 気を取り直して。


 ディスクの読み込みに戻る。



『Loading data... 5%』



「遅い…」


 カイトが、呟く。


「フロッピーディスクだからな」


 おっさん、答える。


「昔はこれが普通だったんだ」


 そして、30分後。



『Loading data... 98%』



「やっと98%か」


 おっさん、画面を見る。


 でも、その時。


 カイトが、少し動いた。


「あ」


 石版が、ズレた。



『Read error.』

『Disk position changed.』



「ああああああ!」


 おっさん、叫ぶ。


「98%だったのに!」


「すみません!」


 カイトが、謝る。


「また最初からっすか!?」



『Haiku expression:』


『九十八

 されど百には

 遠き道』



「遠いけど近いだろ!」


 おっさん、ツッコむ。


「あと2%だったんだぞ!」



『Poetic expression:』


『完成の一歩手前

 それは最も遠い場所

 永遠に届かぬ夢』



「届いてたんだよ!」


 おっさん、叫ぶ。


「2%だったんだよ!」


 セシリアが、カイトに言う。


「カイト、動かないで」


「はい…」


 カイトが、固まる。


 再び読み込み。


 今度は、誰も動かない。


 息も止める。


 30分間。


 じっと待つ。


 そして。



『Loading data... 99%』



「あと1%!」


 おっさん、緊張する。


「誰も動くな!」


 みんな、固まる。


 ウィーン、ウィーン。


 読み込み音。


 そして。



『Loading complete.』



「やった!」


 おっさん、叫ぶ。


 扉が開く。


「成功したっす!」


 カイトが、喜ぶ。


 でも、AI-DOSUが出力する。



『Haiku expression:』


『待つ時間

 それが最高の

 スパイスなり』



「スパイスじゃねえよ!」


 おっさん、ツッコむ。


「ただの苦行だよ!」



『Poetic expression:』


『便利になりすぎた世界では

 分からないだろう

『待つ時間』こそが

 最高のご褒美なのだと』



「ご褒美じゃねえよ!」


 おっさん、叫ぶ。


 カイトが、おっさんを見る。


「おっさん、昔は本当にこんな感じだったんすか?」


「……ああ」


 おっさん、頷く。


「フロッピーディスクは、こんな感じだった」


「大変っすね…」


「ああ」


 おっさん、遠い目をする。


(48歳のおっさん、懐かしいんだよ)


(でも、もう二度とやりたくないんだよ)



 扉の先に進む。


 さらに奥の部屋。


 そこには、巨大な機械があった。


「なんだあれ」


 セシリアが、機械を見る。


 近づくと。


 巨大なカセットテープが置いてある。


「カセットテープ…!」


 おっさん、驚く。


 機械に、文字が刻まれている。


『最終防壁を解除するには、伝説の修正パッチをロードせよ』


「修正パッチ…?」


 おっさん、カセットテープを見る。


(これをロードするのか)


「どうするんすか?」


 カイトが、聞く。


「……これを、機械にセットする」


 おっさん、カセットテープを手に取る。


 重い。


 すごく重い。


 そして、機械にセットする。


 ガチャリ。


 カセットテープが、機械に収まる。


 AI-DOSUの画面に、表示される。



『Ancient Data Recorder detected.』

『Load cassette tape?』



「ああ」


 おっさん、頷く。


「ロードしてくれ」



『Loading...』



 その瞬間。


 戦場全体に、音が響き渡った。



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