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AI-DOSUは嘘をつく  ~48歳童貞おっさんの異世界ハルシネーション無双~  作者: よっしぃ@書籍化


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第9話「魔王軍の将軍と、AIの健忘症」その3



 そして、極めつけ。


 AI-DOSUが、突然表示する。



『あ、思い出しました』



「今更!?」


 おっさん、叫ぶ。



『ガルガド様、魔王軍の将軍ですね』



「やっと思い出したのか!」


 ガルガド将軍が、叫ぶ。



『パーティーメンバー:

 セシリア、エルネラ、ルミナ、ソフィア、カイト

 確認しました』



「今までなんだったんだよ!」


 おっさん、叫ぶ。



『短期記憶の読み込みに時間がかかりました』



「読み込みに30分かかるなよ!」


 おっさん、ツッコむ。



『Haiku expression:』


『忘れても

 思い出せば

 問題なし』



「問題ありまくりだろ!」


 おっさん、叫ぶ。


「しかも季語ないし!」



『季語は不要です』



「俳句には必要だろ!」


 ガルガド将軍が、笑い転げている。


「同志よ! 貴様のシステム、最高だな!」


「最高じゃないんだ…」


 おっさん、頭を抱える。


 セシリアが、心配そうに声をかける。


「緋川さん、大丈夫?」


「……大丈夫じゃない」


 おっさん、正直に答える。


「AI-DOSUが、完全にバグってる」


 エルネラが、呆れた顔で言う。


「記憶障害ね」


「ええ」


 おっさん、頷く。


「10分前のことを忘れて、30分後に思い出す」


 ルミナが、心配そうに言う。


「AI-DOSU、大丈夫でしょうか…」


「大丈夫じゃないと思う」


 おっさん、ため息をつく。


 ソフィアが、優雅に微笑む。


「まあ、俳句が素敵でしたわ」


「素敵じゃないんだ」


 おっさん、ツッコむ。


「季語ないし」


 カイトが、笑う。


「でも、面白いっすね」


「面白くないんだ…」


 おっさん、疲れた顔で答える。



 ◆



 結局、ガルガド将軍とは、IPアドレスを交換して別れた。


「同志よ、また会おう」


「ああ」


 おっさん、頷く。


「今度、一緒に飲もう」


「楽しみにしている」


 ガルガド将軍が、去っていく。


 セシリアが、呆れた顔で言う。


「敵と友達になってどうするの…」


「……いや、良い奴だったから」


 おっさん、答える。


 エルネラも、ため息をつく。


「おっさん同士の友情ね…」


「ええ」


 おっさん、頷く。


(同世代と話すのは、楽しい)


(48歳のおっさん、癒された)


 その時、AI-DOSUが出力した。



『Haiku expression:』


『おっさんは

 国を超えて

 繋がりぬ』



「今度は季語あるのかよ!」


 おっさん、ツッコむ。


「どっちなんだよ!」



『Poetic expression:』


『記憶は消え

 俳句は残る

 それがシステムの美学』



「美学じゃねえよ!」


 おっさん、叫ぶ。


 でも、みんな笑ってる。


(良いパーティーだ)


 おっさん、思う。


 たとえ、AI-DOSUが記憶障害でも。



 ◆



 その夜。


 宿で休んでいると。


 AI-DOSUの画面が、光った。



『お名前は?』



「また忘れたのか!」


 おっさん、叫ぶ。


「俺は緋川健太郎だよ!」



『登録しました。よろしくお願いします、緋川様。』



「何回登録させるんだよ!」


 おっさん、ツッコむ。



『Haiku expression:』


『名を忘れ

 また聞く我は

 何者ぞ』



「哲学的になるな!」


 おっさん、叫ぶ。


「しかも季語ないし!」



『仕様です』



「仕様じゃねえよ!」


 48歳のおっさん、頭を抱えた。


 明日も、こんな日々が続くのだろう。


 でも、それでいい。


 このカオスなパーティーと、


 記憶障害のAIと一緒なら。



(第9話 完)



 ---


 次回予告:


 クエストで古代遺跡の最深部へ!


 そこで見つけた、謎の石版!


 カイト「これ、すごいアイテムっすよ!」

 カイト「『古代の石版キーアイテム』!」


 でも、サイズが合わない!


 AI-DOSU『Inserting 3.5-inch floppy disk...』

 AI-DOSU『Error: Size mismatch.』


 おっさん「3.5インチフロッピーディスクだったのか!」

 カイト「フロッピーディスク!? なにそれ!」


 しかもスロットがガバガバ!


 おっさん「安定しない…」

 おっさん「ちょっと触れただけで認識しなくなる…」


『Haiku expression:』

『ディスクは揺れ

 データは消える

 それもまた良し』


 おっさん「良くねえよ!」


 そして、30分のロード時間!


『ピーーーー……ガーーーーー……ビョロロロロ……』


 カイト「うわぁぁぁ! なんだこの不快な音は!?」

 おっさん「……いい音だ」


 第10話「3.5インチの悲劇と、カセットテープの儀式」


 乞うご期待!

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