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AI-DOSUは嘘をつく  ~48歳童貞おっさんの異世界ハルシネーション無双~  作者: よっしぃ@書籍化


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第9話「魔王軍の将軍と、AIの健忘症」その2



 しばらく話していると。


 AI-DOSUの画面に、表示される。



『お名前は?』



「え?」


 おっさん、画面を見る。


「今、ガルガド将軍と話してるんだが」



『初めまして。お名前をお聞かせください。』



「さっきから一緒にいるだろ!」


 おっさん、ツッコむ。


 ガルガド将軍が、画面を見る。


「俺はガルガド。魔王軍の将軍だ」



『登録しました。よろしくお願いします、ガルガド様。』



「よし」


 ガルガド将軍が、頷く。


 そして、5分後。



『お名前は?』



「さっき言ったぞ!」


 ガルガド将軍が、叫ぶ。


「5分前だぞ!」



『申し訳ございません。記録が見つかりません。』



「忘れるの早すぎるだろ!」


 おっさん、ツッコむ。


 ガルガド将軍が、もう一度言う。


「ガルガドだ」



『登録しました。よろしくお願いします、ガルガド様。』



「またかよ!」


 おっさん、叫ぶ。


 そして、さらに5分後。



『お名前は?』



「もういい!」


 ガルガド将軍が、諦める。


 おっさんも、頭を抱える。


「AI-DOSU、なんで忘れるんだよ」



『短期記憶の保存に失敗しました』



「失敗するなよ!」


 おっさん、叫ぶ。



『Haiku expression:』


『記憶とは

 砂のごとくに

 こぼれゆく』



「俳句で誤魔化すな!」


 おっさん、ツッコむ。


「しかも季語ないし!」



 ◆



 さらに、AIの記憶バグは悪化した。


「ところで」


 おっさん、AI-DOSUに聞く。


「俺のパーティー情報は?」



『データが保管されていません』



「毎日一緒に戦ってるだろ!」


 おっさん、絶句する。


「セシリア、エルネラ、ルミナ、ソフィア、カイト!」


「5人いるだろ!」



『新規パーティーとして登録しますか?』



「新規じゃねえよ!」


 おっさん、叫ぶ。


「何ヶ月も一緒にいるんだよ!」



『申し訳ございません。会話履歴が見つかりません。』



「会話履歴!?」


 おっさん、画面を見る。


「10分前に将軍と話してただろ!」



『10分前のデータは保存されていません』



「10分前だぞ!」


 おっさん、叫ぶ。


「さっきまで話してたんだぞ!」



『Haiku expression:』


『十分は

 永遠よりも

 遠きかな』



「遠くねえよ!」


 おっさん、ツッコむ。


「10分前だよ!」


 ガルガド将軍が、笑う。


「同志よ、貴様のシステム、本当に面白いな」


「面白くないんだ…」


 おっさん、疲れた顔で言う。


(48歳のおっさん、もう限界なんだよ)


 そして、AI-DOSUが、さらに出力する。



『Analyzing conversation...』

『Topic: MS-DOS』

『Participants: 不明』



「参加者不明!?」


 おっさん、絶句する。


「俺と将軍だろ!」


「さっき登録しただろ!」



『登録記録が見つかりません』



「3分前だぞ!」


 おっさん、叫ぶ。


 ガルガド将軍が、ため息をつく。


「同志よ、このシステム…大丈夫か?」


「……大丈夫じゃない」


 おっさん、正直に答える。


「毎日こんな感じなんだ」


「大変だな…」


 ガルガド将軍が、おっさんの肩を叩く。


「同志よ、貴様は強い」


「強くないんだ…」


 おっさん、泣きそうになる。


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