第8話「砂漠の悲劇と、AIの幻覚」その1
おっさんのパーティーは、新たな依頼を受けた。
『砂漠の魔物討伐』
『報酬:金貨30枚』
砂漠。
灼熱。
気温40度超え。
(嫌な予感しかしない)
おっさん、思う。
でも、行くしかない。
◆
砂漠に到着。
暑い。
すごく暑い。
「暑いわね…」
セシリアが、白い肌着姿で言う。
(肌着だから、余計暑そうだ)
「暑いわ…」
エルネラが、ピンクの魔法少女コスで言う。
(フリフリが熱を吸収してそうだ)
「暑いです…」
ルミナが、白ビキニ風の聖女コスで言う。
(露出度高いから、日焼けしそうだ)
「まあ、暑いですわね」
ソフィアが、優雅に言う。
浮遊している胸も、暑そう。
(胸も暑いのか?)
おっさん、疑問に思う。
カイトが、端末を見る。
「くそっ! 暑さで端末が熱暴走しそうだ!」
カイトが、焦る。
「冷却魔法のアプリを起動しないと…」
タップ、タップ。
「あ、容量がいっぱいだ!」
「くっ、戦闘中だが換装するしかない!」
カイトが、ポケットから取り出す。
小指の爪より小さいカード。
マイクロSDカード。
「予備の『1TBマイクロSD』に…!」
カイトが、震える手でつまむ。
黒い。
小さい。
そして。
「あ」
カイトの指から、カードが滑り落ちた。
砂の上に。
「ぎゃあああああ!!」
カイトが、叫ぶ。
「俺の『絶対零度』ぉぉぉ!!」
「どこだ!? 砂粒と見分けがつかねぇぇぇ!!」
カイトが、必死に砂を探す。
でも、見つからない。
黒い砂粒。
黒いマイクロSD。
見分けがつかない。
「おっさん! 助けてくれ!」
カイトが、おっさんを見る。
おっさん、少し考える。
「……仕方ないな」
おっさん、ポケットから取り出す。
銀色の四角いシール。
「この『書き込み禁止シール』を貼って目印にするか?」
おっさん、提案する。
カイトが、マイクロSDを見る。
小指の爪より小さい。
「そんなアナログなシール、貼る場所がねぇよ!!」
カイトが、叫ぶ。
(確かに)
おっさん、思う。
「くそぉぉぉ!」
カイトが、絶望する。
その時、AI-DOSUの画面が光った。
『Scanning for lost item...』
「AI-DOSU!」
おっさん、画面を見る。
「探してくれるのか!」
『MicroSD card detected.』
『Location: 3 meters ahead, 15cm depth.』
「本当か!?」
カイトが、指定された場所を掘る。
砂を掘る。
掘る。
「あった!」
カイトが、マイクロSDを見つけた。
「おっさん! AI-DOSU最高っす!」
「……良かったな」
おっさん、ホッとする。
(たまには役に立つ)
でも、その安心は長く続かなかった。




