第7話「古代遺跡と、10分間の希望」その5
その時。
『Temporary mode expired.』
『Reverting to optimized equipment...』
「時間切れ!?」
おっさん、叫ぶ。
シュインッ。
セシリアが、光に包まれる。
光が収まると。
白い肌着+三徳包丁。
「あああああ!」
セシリアが、叫ぶ。
「戻った!」
エルネラも。
ピンクの魔法少女コス。
「やっぱり…」
ルミナも。
白ビキニ風聖女コス+18禁聖典。
「10分、短すぎました…」
ソフィアも。
胸が、ふわり、と浮く。
「まあ、また戻りましたわね」
カイトが、みんなを見る。
「え?」
「なんすか、その格好」
「聞かないでください…」
セシリアが、顔を真っ赤にする。
おっさん、ため息をつく。
「カイトさん」
「はい?」
「これが、俺たちの日常です」
「……」
カイトが、固まる。
「マジすか」
「マジです」
おっさん、疲れた顔で答える。
『Poetic expression:』
『希望は一瞬にして消え
絶望は永遠に続く
されど その中で咲く花こそが
真なる美しさを持つ』
「クソポエム出すな!」
おっさん、叫ぶ。
「しかも内容が絶望的だよ!」
カイトが、おっさんを見る。
「おっさん」
「……はい?」
おっさん、丁寧に答える。
「俺も、このパーティーに入れてもらえませんか」
「……え?」
おっさん、驚く。
(まさか、入りたいって?)
(このカオスなパーティーに?)
「……なんでですか?」
おっさん、聞く。
「だって」
カイトが、笑う。
「面白そうじゃないっすか」
「……面白くないです」
おっさん、即答する。
(胃が痛いだけです)
「でも、おっさんのシステム、勉強したいんです」
カイトが、真面目な顔で言う。
「俺のシステム、最新型だけど、固まる」
「おっさんのシステム、古いけど、固まらない」
「教えてください」
おっさん、カイトを見る。
真剣な目。
(良い奴だな)
おっさん、思う。
(教えて、と素直に言える)
(この年で、まだ学ぼうとする姿勢)
(素晴らしい)
48歳のおっさん、少し感動した。
「……分かりました」
おっさん、頷く。
「よろしくお願いします!」
カイトが、笑顔で言う。
セシリアが、カイトを見る。
「よろしくね、カイト」
「よろしくお願いします!」
エルネラも、ルミナも、ソフィアも、笑顔で迎える。
こうして、パーティーに男性メンバーが加わった。
セシリア:白い肌着+三徳包丁
エルネラ:ピンクの魔法少女コス+「どかーん♡」
ルミナ:白ビキニ風聖女コス+18禁聖典
ソフィア:胸ファンネル化
カイト:広告まみれ+アップデート地獄
カオス。
完全にカオス。
でも、楽しい。
おっさん、そう思った。
◆
ギルドに戻る。
レベッカが、受付にいた。
「お帰りなさいませ(棒読み)」
「ただいま戻りました」
おっさん、報告する。
レベッカが、カイトを見る。
「新しいメンバーですか」
「はい」
「お疲れ様です(棒読み)」
「あ、ありがとうございます」
カイトが、戸惑う。
レベッカが、無表情で言う。
「ご立派なパーティーですね(皮肉)」
「ありがとうございます!」
カイトが、素直に答える。
(皮肉が通じてない)
おっさん、思う。
レベッカが、ため息をつく。
「次回のご来店、お待ちしております(嘘)」
「楽しみにしてます!」
カイトが、笑顔で答える。
(完全に天然だ)
おっさん、冷や汗を流す。
でも、カイトが言った。
「でも、おっさん」
「はい?」
「このパーティー、最高っす」
カイトが、笑顔で言う。
「みんな、良い人ばっかりっす」
おっさん、嬉しかった。
(良いパーティーだ)
本当に、良いパーティーだ。
たとえ、装備が終わってても。
(第7話 完)
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次回予告:
新たな依頼が舞い込む!
灼熱の砂漠での戦闘!
しかし、カイトに悲劇が…
カイト「くそっ! 暑さで端末が熱暴走しそうだ!」
カイト「予備の1TBマイクロSDに換装するしかない!」
小指の爪より小さいカード。
カイト「あ」
カイト「ぎゃあああああ!! 俺の『絶対零度』ぉぉぉ!!」
カイト「どこだ!? 砂粒と見分けがつかねぇぇぇ!!」
おっさん「仕方ありませんね」
おっさん「この『書き込み禁止シール』を目印に…」
カイト「そんなアナログなシール、貼る場所がねぇよ!!」
AI-DOSU『Poetic expression:』
『小さきものほど
失いやすく
大きな絶望を生む
それが技術の皮肉』
カイト「クソポエム出すな!」
第8話「砂漠の悲劇と、マイクロSDの行方」
乞うご期待!




