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AI-DOSUは嘘をつく  ~48歳童貞おっさんの異世界ハルシネーション無双~  作者: よっしぃ@書籍化


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第1話「出会いは全裸(モザイク)から」その3

 ◆



 シュインッ。


 セシリアの体が光に包まれる。


 光が収まると、そこにあったのは。



「……これ、どう見ても『白い肌着』よね?」



 セシリアが、顔を赤くしながら言う。


 確かに、白い肌着だった。


 薄い。

 透けそう。

 でも、なぜか高級感がある。


 素材が良いのか、シルクみたいに滑らかそうだ。


(あかん)


「ふざけないで!」


 セシリアが、顔を真っ赤にして怒鳴る。


「こんな恥ずかしい格好で戦えるわけないでしょ!」


「すみません!」


(怒らせた)

(完全に怒らせた)


 おっさん、慌ててAI-DOSUの画面を確認する。



『Developer_Skin_v1.0』

『防御力:99999』

『重量:50g』

『全属性無効・自動回復付き』



「……」


 おっさん、ため息をつく。


「AI-DOSU」


『Yes?』


「なんで防御力99999なんだよ」


『最適化しました』


「肌着に防御力99999は最適化じゃないだろ」


『軽量で高防御は最適です』


「そういう問題じゃねえよ!」



『仕様です』



「仕様じゃねえよ!」


 おっさん、叫ぶ。


(やれやれ)


 でも、セシリアに見せないわけにはいかない。


「……セシリアさん」


「何よ」


 セシリアの声が、ツンとしてる。


(そりゃそうだよね)


 おっさん、画面を見せる。


 セシリアの目が見開かれた。


「防御力…99999?」


「はい」


「私のミスリル鎧は、250だったわ」


「それの400倍ですね」


「……」


「……」


 セシリア、複雑な表情になる。


「つまり、この…『Developer_Skin』とやらは、私の鎧より遥かに強いと?」


「そういうことになりますね」


「…名前からして開発者用のデバッグアイテムっぽいけど」


「おっしゃる通りです」


(この人、理解が早い)


 セシリアが、自分の体を見下ろす。


 白い肌着。

 薄い生地。

 透けそうな質感。


 でも、防御力99999。


「…着るしかないのね、これ」


「申し訳ありません」


 おっさん、土下座する勢いで謝る。


 分かるよね?


 これ、完全におっさんの責任なんだよ。



「着てください、セシリアさん。それを着ないと死にます。数値を見てください、防御力99999です」



 セシリア、苦悩の表情。


「くっ……」


「別に…」


 セシリアが、小さく呟く。


「別に、貴方のために着るわけじゃないわよ」


「え?」


「これは…私自身の生存のため。それだけよ」


 セシリアが、ツンとした顔で言う。


「だから、勘違いしないで」


「はい」


(ツンデレ?)


 おっさん、思う。


「ただし」


 セシリアが、おっさんの目を見る。


「責任は取ってもらうわよ」


「責任?」


「こんな恥ずかしい格好にしたのは貴方のシステムでしょう。貴方が責任を取るのは当然よ」


「いや、俺も被害者なんですけど…」


「知らないわ」


 セシリア、きっぱり言い切った。


(強い)


「私を元に戻す方法を見つけるまで、貴方が私の面倒を見なさい」


「…はい」


 おっさん、観念した。


(やれやれ)


 こうして、おっさんは白い肌着姿の女騎士を引き連れることになった。


 まさか、これが伝説のパーティーの始まりになるとは。


 この時は思ってもいなかったんだよ。



 ◆



 その日の夜。


 宿の部屋で、おっさんは一人で反省会をしていた。


「やばいな」


 本当にやばい。


 AI-DOSUが暴走する。

 ヒロインの装備を勝手に改造する。

 しかも、結果的には最強になってしまう。


「これ、今後もこんな感じなのか?」


 不安になる。



『ご心配なく。最適化は順調です』



「全然心配だよ!」


 おっさん、画面に向かって叫ぶ。


「っていうか、お前の最適化、おかしいだろ!」



『効率的です』



「効率的じゃねえよ! セシリアさん、肌着姿だぞ!」



『防御力99999です』



「性能の問題じゃねえよ! 見た目の問題だよ!」



『仕様です』



「仕様で片付けるな!」


 おっさん、頭を抱える。


(このAI、本当にうざい)


 でも、これしか頼れるものがない。


 おっさん、深いため息をついた。


 隣の部屋から、セシリアの気配がする。


 白い肌着姿で寝ているのだろうか。


(いや、考えるな)

(変態と思われる)


 おっさん、頭を振って雑念を払う。


「明日から、どうなることやら」


 不安を抱えたまま、眠りについた。



 こうして、おっさんとAI-DOSUの珍道中が始まった。


 果たして、おっさんは無事に生き延びることができるのか。


 それは、また次の話である。



(第1話 完)



 ---


 次回予告:


 セシリアの剣が壊れた!?

 AI-DOSUが生成したのは…『三徳包丁』!?


「騎士に料理をしろと言うのか!?」

 主人公「AI-DOSU! 剣って言っただろ!」

 AI-DOSU『Kitchen Knifeは刃物の一種です』

 主人公「嘘つけ!」


 でも、ドラゴンを一刀両断。


 第2話「最強の包丁と、ママチャリと、絶望の女騎士」


 乞うご期待!


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