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AI-DOSUは嘘をつく  ~48歳童貞おっさんの異世界ハルシネーション無双~  作者: よっしぃ@書籍化


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第7話「古代遺跡と、10分間の希望」その2


「やった!」


 セシリアが、叫ぶ。


「元に戻った!」


「ええ!」


 エルネラも、嬉しそう。


「これで普通に戦える!」


 ルミナも、笑顔。


「神様! ありがとうございます!」


 祈る。


 ピー音なしで。


(良かった)


 おっさん、安心する。


 でも、AI-DOSUの画面を見て、凍りつく。



『Temporary mode: Duration 10 minutes.』



「10分!?」


 おっさん、叫ぶ。


「10分だけ!?」



『古代遺跡の魔力により、一時的に元の装備が復元されました』



「一時的って!」



『Poetic expression:』


『束の間の幸せは

 やがて消えゆく泡沫の如し

 されど その記憶は

 永遠に心に刻まれん』



「クソポエム出すな!」


 おっさん、叫ぶ。


「しかも内容が悲しいよ!」


 セシリアが、おっさんを見る。


「10分…?」


「はい…」


 おっさん、申し訳なく答える。


「10分だけです…」


「……」


 沈黙。


 エルネラが、深いため息をつく。


「やっぱりね」


「希望を与えて、奪う」


「このシステムらしいわ」


 ルミナが、泣きそうな顔で言う。


「10分…短すぎます…」


 ソフィアが、優雅に言う。


「まあ、仕方ありませんわね」


「10分間、存分に楽しみましょう」


(前向きすぎる)


 おっさん、思う。


 その時だった。


「誰かいるのか!?」


 声が響いた。


 振り返ると。


 青年が立っていた。


 イケメン。

 すごくイケメン。


 金色の髪。

 鋭い目。


 20代前半くらい。


 そして、装備が。


 キラキラしてる。


 画面が浮いてる。


 アイコンが浮いてる。


(何だあれ)


 おっさん、驚く。


「あんたたち、冒険者か?」


 青年が、おっさんたちを見る。


「……はい、そうですが」


 おっさん、丁寧に答える。


(まともな人だ)


(やっと普通の人に会えた)


「俺はカイト。剣士だ」


 カイトが、自己紹介する。


「この遺跡の謎を解きに来た」


「……そうですか」


 おっさん、頷く。


(良かった)


「あんたたちも探索中か?」


「はい」


 おっさん、答える。


「なら、一緒に行こう」


 カイトが、言う。


「この遺跡、一人じゃ厳しそうだ」


「……分かりました」


 おっさん、丁寧に答える。


(救われた)


(初めてまともな冒険者に会った)


 でも、その希望は数秒で消えた。

 ◆



 カイトが、おっさんの画面を見る。


「あんた、そのシステム…」


「……はい?」


 おっさん、丁寧に答える。


「古くないっすか?」


「……え?」


 おっさん、驚く。


(古い、って…)


「コマンド入力とか、ダサいっすよ(笑)」


 カイトが、笑う。


「俺のシステム、アイコンタップするだけっすから」


 カイトが、視界に浮いているアイコンを指さす。


『剣技』『魔法』『アイテム』


 キラキラしてる。


(GUI…!)


 おっさん、驚く。


(スマホみたいな操作だ)


「俺の『スマート・システム』、最新型っすよ」


 カイトが、得意げに言う。


「あんたのシステム、MS-DOSみたいっすね(笑)」


「……」


 おっさん、少しイラッとする。


(この青年、煽ってくる)


(でも、反論できない)


(確かに、MS-DOSだから)


 48歳のおっさん、胃が痛い。


 セシリアが、カイトを見る。


「あの…カイトさん」


「なんすか?」


「あなたのシステム、確かに便利そうですね」


「でしょ?」


 カイトが、得意げに笑う。


「でも」


 セシリアが、おっさんを見る。


「緋川さんのシステムは、確かに古いけど」


「別に…」


 セシリアが、小さく呟く。


「別に、それが悪いわけじゃないわよ」


(デレてる)


 おっさん、嬉しい。


 カイトが、おっさんを見る。


「なんか古いシステム使ってるから」


 カイトが、屈託なく笑う。


「俺の中であんた『おっさん』っすわ」


「……え?」


 おっさん、驚く。


(おっさん?)


(見た目25歳なんだけど)


「悪気はないっすよ」


 カイトが、笑う。


「でも、そのシステム、俺の親父より古いっすから」


「……」


 おっさん、複雑な気持ち。


(まあ、確かに)


(MS-DOSは古い)


(親父より古いって、失礼だけど)


(でも、事実だ)


(仕方ない)


 48歳のおっさん、諦めた。


「……分かりました」


 おっさん、受け入れる。


(おっさん、定着した)


 カイトが、首を傾げる。


「まあ、いいっすけど」


その時だった。

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